ノエル

3・25(水)
「ノエル」小説。道夫秀介
前にも「サナキの森」で紹介したけど、別の小説が挟まる形式。これは、使えるわ。昔書いた短編を入れこんで、現代の小説を合体させれば、ぐんと伸びるし。書けない時は気が楽になるわ。でも、これはさすがに直木賞作家の作品。技巧に飛んでいます。
では、筋を。
1・ノエル
まず童話がある。サンタクロースがプレゼントを配る話。
で、現代。卯月(童話作家)は同級会に出る為に故郷に帰る。
童話「リンゴの布袋」卯月が小さい頃書いた童話。卯月は母一人子一人だったから、小さい頃は、童話ばかり書いていた。赤鼻のトナカイの話。
現代。卯月圭介は中学の時虐められた。その時、声をかけてきてくれたのが、弥生だった。弥生は絵がうまい。「リンゴの布袋」に絵を付けてくれた。高校になって、夏美が近づいてきた。彼女はカメラが趣味。啓介もカメラに興味を持った。その後、夏美が一週間ほど欠席して、転校。別の男の友達の情報では、誰かにやられたとのこと。弥生はそのことを知っているようす。啓介に弥生が聞いた。「この前行ったとき、カメラ忘れていなかった?」。実際忘れていた。それを返す前に、現像にだした。工場で、夏美が侵されていた後と思われる写真があった。啓介は、カメラを弥生に返す時に言った。「俺は誰にもしゃべらない」
現実の話。弥生視点。
今は夫と一緒に同級会に来ている。過去。父が自分の裸の写真を撮る。ある時、父は廃工場へ入っていった。母への暴力もあった。廃工場には、犯されたと思われる夏美がいた。泣いていた。どうしてそうしたかわからないが、夏美の写真を撮っていた。あやまりながら、言った。父に裸の写真を撮られたこと。そして、一週間後、夏美は転校。
童話。サンタさんがプレゼントを配る話。
現実。同級会は、弥生と啓介の結婚の祝いだった。夏美も来ていた(夫と一緒)
2・暗がりの子供。
利子の話。啓介の童話を読む。
童話。空飛ぶ宝物。
現実。利子に妹が生まれる予定。祖母が手術をするとか。
童話。緋毛氈の内側に入ったら、穴が開いていた。その中に入った。ぽよんぽよんの生き物がいた。
現実。学校で孤立している。
童話。王女様が空を飛べない病気。
現実。バスで病院へ行った。降りたら、本を忘れていた。図書館の本。祖母に話した。祖母が図書館へ電話してくれた。家に帰った。一人でお見舞いに行ったことを叱られた。
童話。利子は眞子と出会った。
現実→童話→現実。入り混じる。
現実。祖母は手術ができないことを眞子に話す。現実でも眞子に逢っている(どうも妄想らしい)。眞子が言う。「赤ちゃんを産まれなくする方法がある。お母さんが階段から落ちればいい」。利子はカイダンの上に石鹸を塗った。母は滑って落ちた。病院へ。祖母が死んだと思えた。妹は生まれた。名前は眞子。でもって、祖母の手術は成功した。(現実と妄想が入り混じっている)
3・物語の夕暮れ
与沢は「まつぼっくりクラブ」で童話の読み聞かせ朗読をしている。
童話。
現実。与沢老人は一人暮らし。妻が一週間前に死んだ。買っていたインコを離して、自分は練炭自殺をするつもり。
感想。現実と妄想が入り混じっているけど、なかなかいい。

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