神のロジック、人間のマジック

「神のロジック、人間のマジック」西沢保彦
これは、なんていうかねえ、「葉桜のころ」に似ているわ。ネタバレになるから、読んだ人だけが、ああ、そう、と思って。これ以上は言えない。
でも、もう少しいうと、「葉桜のころ」と「ハリポタ」を混ぜたような感じ。とにかくファンタジック。
で、筋。主人公は日本人の11歳の少年。それが、イギリスかアメリカの度田舎の寮みたないところで目が覚めるの。日本を出た記憶はあるんだけど、そこから寮までの記憶がないの。
そこには、イギリス人の少女とかフランス人の少年とかがいるの。皆、ニックネームで呼ばれているんだけどね。
で、テストでいい成績をとると、25セントがもらえるの。それで、自動販売機のお菓子を買うんだけど、よく盗まれるの。それで、ある日、自動販売機のお菓子のシールをはがしてみたの。そしたら、自分で書いた名前があったの。で、気が付いたの。校長や寮長は全部屋の鍵があくマスターキーをもっている。それで、こっそり部屋を開けて、お菓子を盗んで、また自動販売機に入れるんじゃないか。でも、その理由がわからない。
さらに、授業は、推理教室ばっかりなの。それで、こう推理するの。自分たちは、選ばれた人種で、スパイ教育をされているんじゃないかって。丁度、ハリポタの魔法教室みたいに。
さらに、別の推理をする子もいるの。自分たちは、バーチャル世界の単なるアバターなんじゃないかって。それは、上の階には、すっごいパソコンがぎっしりあるからなの。さらに、電話もあるけど、未来のみたいで、使えないの。
そうこうしていると、殺人事件が起こるの。それをロジックで解いているんだけど。面白かったわ。ぜひ読んでほしいわ。推理が好きでよかったわ、と思えるわ。
殺人事件の所だけ、もう少し詳しく。
新入生ルーがいなくなる。前日、ほぼ丸一日かけて迎えにいった。
校長は、全部の部屋を探そうと思ったけど、鍵がかかっていてダメだったという。でも、主人公の部屋の鍵はかかっていなかった。
つまり、「探した」は嘘。なぜ嘘をついたか。それはルーを殺したからだ。
そして、ワニに食べさせて、死体を始末した。それを、前夜、主人公は目撃した。寮長が銃をもっていた。
では、なぜ、学校側はルーを殺したか。それは、ルーが黒い影だったから。
たまーに、主人公たちには、黒い影が見える。学校全体がゆがんで見えることもある。それを、主人公は、こう推理する。
私たちは、催眠術をかけられている。その眠りを覚ますような物がルー。ある意味、それは正しい。そして、その催眠術の正体とは。アッと驚く、マジック。

今週おもしろかったのは、歴史ミステリー。
マリー・アントワネットは生きていた。と聖徳太子ペルシャ人だった。
特に後者が面白かったわね。聖徳太子ばかりでなく、平家はすべてペルシャ人。となると、源平の戦いは、日本人とペルシャ人の戦いになるの? そういえば、清盛の顔も、どこか日本人離れしているし。面白かったわ。