2012-10-01から1ヶ月間の記事一覧

橋ものがたりと

「橋ものがたり」(藤沢周平) 男の人は、チャンバラばかりで面白くないので、読まなかったんだけど、古本屋で、売れていると聞いたので買ったの。古本屋は、文楽の脚本がないかと思って、回っていたんだけどね。 で、感想。よかったわね。現代人に通じるよ…

香菜利屋を知っていますか

「香菜利屋を知っていますか?」(北森鴻) 短編集。ほかの作品に出てきた人が、登場する。ミステリーになっていないものも。3篇だけで、跡は、長い後書きと時代物の書きかけ。こっちは全く面白くない。 1・ラスト・マティーニ 香月は、知り合いのバーテン…

仏果を得ず

「仏果を得ず」(三浦しをん) 橋本市長が大阪市から文楽えの補助金を打ち切ったから、復讐のために、取り上げます。文楽が、日本の文化をになう上で、いかに重要かをわかってもらうために。 1・幕開き三番叟 文楽は歌舞伎と違って、お家で受け継いでいくも…

狐闇

「狐闇」(北森鴻) 面白かったわね。古物商の業界の話。江戸川乱歩賞の高橋何とかの「写楽考」に似ているわね。 業界内の話だから、よく調べてあるわね。高橋のは古美術の業界の話だけど、有名人とか 有名雑誌を使って、ある旧家の蔵からお宝が出たと、プロ…

夜駆け、冥途めぐり

「夜駆け」(鳥羽亮) 筋が単純で面白かったわ。 主人公(同心、隼人)は剣の達人なの。だったら、最初に、悪人に狙われたときに、 たたっ切ってしまえばいいと思うけど、それをやってしまっては、これだけの厚さの 小説にならないから、泳がせておいて、最…

花の下にて春死なむ

「花の下にて春死なむ」(北森鴻) 1・花の下にて春死なむ 言葉の美しい人だね。第一印象。それに、美しい句もたくさん。それが、独特な世界を作っている。 でもって、安楽椅子探偵もの。バーのマスターが鋭い推理をするのも胸がすく。 俳人、片岡草魚が自…

一両二分の女、おん宿かわせみ9

「一両二分の女、おん宿かわせみ9」(平岩弓枝) 1・昔むかしの かわせみにずーずーしい老人がやってきた。名前も家もわすれた。10両もっていた。お 吉という名と梅があるのを、覚えている。大家に聞いたがわからない。 岡っ引きの長介の母が覚えていた…