鼠江戸を疾る

「鼠江戸を疾る」赤川次郎
短編集です。NHKでドラマになるとか。いいですねえ。滝沢君。大好き。読後感が薄いのは、改行が多いため?でも改行がないよりは、読みやすくっていいけど。
まずは帯から。
「表」の顔は、甘酒や次郎吉と呼ばれる遊び人。しかし、「裏」の顔は、江戸で噂の鼠小僧次郎吉。妹が小太刀の達人。
1・鼠立つ。
ある藩の上屋敷。奥方が家来と話をしている。殿が国へ帰っている最中に妊娠した。そのとき、賊が入った。でも、一瞬暗闇。手文庫の中が空になっていた。で、話は変わって、ある若党が賭場で10両設けた。しかし、賭場の連中が追ってきて、わざと勝たせたのだから返せという。戦いになる。そのとき、ネズミと妹がそばにいて、妹の小太刀が、賊に刺さる。
元金は二両だから、8両は返せとネズミは言い、そうする。
翌日、その若党がやってくる。どうしても、10両用立てないとならない。杉坂の殿様の奥方が妊娠なされて、その子を市中の医者に始末してもらうためのかかりなんだとか。上の人に命令された。
妹は鼠に用立ててやってという。
その夜。杉坂の屋敷に忍び込む鼠。すると、あの若党が切腹させられていた。それは、奥方に関係を迫って、さらに100両盗んだから。
翌日、若党の墓の前で、伊三郎と鼠会う。ネズミは言う。先日、奥方と密会をしていたのは、あなたが。そして戦う。そこへ妹が来て、小太刀が伊三郎の首へ。
その夜。殿様の寝所へ鼠がくる。そして言う。若党に罪をかぶせたのは伊三郎。私が手文庫を覗いた時には、すでに空だった。そして、殿の髷を切って、逃走。その夜、杉坂の屋敷がら、金が盗まれる。
1. 鼠泳ぐ。
弥彦やに押し込みが入った。小僧と下働きの女が殺され、5両が盗まれた。その夜、寺の床下。次郎吉が喜平次に握り飯を差し入れ。人相書きとそっくり。強盗の人相書き。布団も差し入れる。
その夜。夜鷹の仲間の登美を次郎吉は探している。しかし、辻斬りに襲われ、トミ以外は殺される。
所で、喜平次のところで、次郎吉は話を聞く。とみは、昔のの弥彦屋の主人の二号さん。その子供が今回殺された千代。やったのは喜平次。後妻に頼まれてやった。
その夜、川べりで登美を待っている次郎吉に、藤堂藩の侍が声をかける。「今夜、上屋敷の蔵の鍵を開けておくので、千両箱、一つ盗んでいけ」
その夜、盗みに入る。千両箱を持ち上げると、床に切り込み。そこに入ると、色とりどりの石(宝石)。そして、「鼠参上」の紙を置いた。森脇(例の侍)が殿へ。ネズミに盗まれたと進言。
その夜、ネズミは森脇と会う。あの宝石はご禁制の品。私に盗ませようったって、そうはいかない。千両箱は池の中。森脇と鼠戦う。そして、妹の小太刀が森脇の首へ。喜平次に会う。後妻を殺してきたという。

1、 ネズミ化ける。
小袖と広之進が道を歩いていて、押し込みのあった商家をみつける。全員殺されていて、主人は木で首つり。そこの旦那は、夜道で女にあって、よい思いをした、翌日行ってみると、屋敷がない、と噂になった人。
押し込みの家には、トミ、一人が生き残っていた。翌日、トミが訪ねてきた。主人(作べえ)の囲い者になっていた。
さて、浪人が、例の幽霊女と会って、切り捨てる。
さて、与平。夜道で、きれいな女に会う。屋敷へ連れ込む。すると、浪人がやってくる。そして、家人を皆殺しにしようと、探す。しかし、誰もいない。その代わりに、同心がきて、捕り物が始まった。そして、ネズミも参上。で、言う。あの夜、切り捨てたのは、犬の死骸。そして、最初の押し込みの内情を離させる。市べえは、高い根付を盗まれ、100両で買い戻せと言われ、裏木戸をあけておいた。

2、 ネズミ討つ。
賭場の帰り。3両で私を買って。と女に頼まれる。11年の長旅をしている。兄の敵討ちに一緒についてきたから。3両を渡す。
しかし、侍にその金を渡すと、夜、賭場へでかける。それを侍の妹に見せる。さらに、それで、侍をネズミの妹が撃つ。

2. 鼠騒ぐ。
夜、りんが茶の師匠の所から、高い茶碗を借りて帰る途中、浪人に襲われて、壊してしまう。ネズミがその師匠の家に忍び込むが、何か怪しい。そして10両の金を渡される。これは、口止め料か? それならば、あの茶碗は偽物?
色々あって、その通りだった。師匠を撃つ。
感想。面白かったわ。大富豪同心と共通するところがあるわね。派手に金をばらまくところなど。