三毛猫ホームズは階段を上る

三毛猫ホームズは階段を上る」赤川次郎
じれも糖尿病の教育入院中に買ったの。赤川は前から軽くて、展開が超早いとわかっていたけど、これは特に早くて、次から次と人が殺されて、ついていけなかったわ。
まずは帯から。
直井みすずは義母宅に向かう途中に立ち寄った雑貨店で、事件に遭遇する。
強盗に抵抗した店主が拳銃で撃ちころされたのだ。その数日後、義母な何者かに呼び出され、命を奪われてしまう。二つの事件をきっかけにみすずの日常は一変する。いいなりだった夫との関係、目撃した強盗殺人犯との再会、そしてさらなる殺人事件が。
さらに詳しく言うと。
ええとですねえ。全編梗概みたいで、ストーリーを話すだけで、一冊かけてしまいそう。とにかく、展開が速い。まず、みすずは強盗の現場を見るの。そのとき、強盗のマスクとメガネを被害者が奪って、顔を見てしまうの。なのに、警察には言わないの。で、数日すると、強盗犯に脅迫され、ホテルに連れ込まれ、関係をもってしまうの。それでも、警察には言わないの。ここの所は、夫に愛人がいて、それをつきつけられての、心境の変化としか書いてないのだけど、妙にリアリティがあるの。
それで、視点は、みすず、みすずが駈け込んだ茶店のウエイトレス、夫の母、夫の愛人、殺人犯とくるくる変わって、忙しい、忙しい。
そうこうしていると、夫の母が、女によびだされ、殺され、夫も殺され、夫の愛人が、温泉から誘拐されそうになるの。まるで関係ない人ばかりが殺され、犯人の予想もつかなくなるの。でも、最後には、一応犯人は挙がるのだけど。とにかく、忙しかったわ。

今週面白かったのは、伊藤四郎の「鑑定人」と寺島進の。
二人とも大好き。寺島のは、ちょっと強引な感じだったけど、寺島が好きなので、許す。