衣更月(きさらぎ)家の一族

4・5(日)
「衣更月(きさらぎ)家の一族」深木章子(小説)
「バラの町ミステリー大賞」を取った人の第二弾だそうで。国立の本やに大量に積んであったので、買ってしまいました。バラの町ミステリー大賞も変わったわね。第一回は、青春小説風のさわやかなミステリーだったのに。この人のは連続殺人鬼の話だそうで。
でこの本の筋。
短編連作です。でも、一応関連はあるみたい。三億円の宝くじに当たった人がいて、その人のその後が描かれるらしいのですが、直接関係なくて。名前も苗字もまったく違う4人が出てきて、それぞれの事件が描かれます。そして、最後に、実は、この4人は、姓は違うけど、兄弟で、財産争いをしているんだ、と言われるんだけど、あまりにも強引で、信じられない。あざといという印象が残るだけ。それに、途中に、抵当権の話が出てくるんだけど、根抵当だとか、なんだとか、あまりにも難しくて、ついていけない。総合的に言うと、肩に力が入りすぎていて、強引という印象かな。刑事が最初、主役で、被害者について、「この女狐が」などと感想を言うんだけど、いまいち、キャラが立っていないのも残念。では、それぞれの筋。
1・広田家の殺人。
広田優子が義弟に殺された。優子は夫に愛人ができて、子供までできて、離婚したばかり。自分には子供はできなかった。で、妹の富阪春奈が離婚したが、元夫の弘樹にストーカーされていて、困って逃げてきていた。そして、事件の日。ピザ屋が来て、玄関の戸が開いていたのを幸いに、ストーカーの弘樹が広田家の玄関に入りこんだ。その時、優子と妹の春奈はピザを食べていた。で、妹に「誰か来た見たい」と言われ、優子は、玄関に出た。すると、ストーカーの弘樹が入っていた。そこで、大理石のツボを取って殴ろうとした。だが、争いになって、逆に弘樹に殴られて、死んだ。妹の春奈が警察へ電話して、すぐに来た警察に、弘樹は逮捕された。大筋で、そのようだと認めた。
そばには、ナイフも落ちていたが、ナイフに弘樹の指紋はなかった。本人も持ち込んでいないと主張。さらに腰を下ろして、後ろを向いて靴を脱いでいるときに、殴りかかられたので、正当防衛だと主張。刑事が調べると、優子は、不妊治療で、何年も、腹に針を刺されたのに、子供には恵まれなかった。そんなときに愛人に子供ができて、離婚。ノイローゼになっていた。それで、夫だと思って、殴りかかったんじゃないか。ということで、正当防衛で起訴。
2・楠原家の殺人。
楠原Aが宝くじで3億円当たる。それは、Aが務めていた病院の納涼大会で余ったものなので、病院の人間からは、平等に分けるべきだと訴えられたが、彼は、病院を辞め、姿をくらましてしまう。そして、一年後。
B子が楠原Aと逢い、同棲。4千万のマンション。さらに3億円のことも話す。
その頃、B子は、昔の恋人のマンタと再会。二股。そのうちに、Aが喘息で死んでしまう。そこでマンタに相談。マンタはまだ死んでいないことにして、AとB子の結婚届を出す。Aの死体は、アルコール漬けにして、二重の袋に入れ、スーツケースに入れ、ベランダへ。
そうこうしていると、マンタは、誰かにAの家のお墓に呼び出され、そこで滑って後頭部を打って、死亡。
半年後。Bこの前に、榊原と名乗る探偵が現れ、マンタは、実は、殺されたのだという。そして、これは、3億円の遺産をめぐる争いが背後にあるという。
B子は、マンタを愛していたので、マンタを殺した犯人を突き止めてくれるように言う。
その前に、榊原がB子にたどり着いたのは、簡単。楠原Aの母親から、捜索依頼を受けた。そして、AがB子と結婚届を出したので、マンションの前で張り込んでいた。すると、Aとは別人の男がB子と暮らしていた。それで、すり代わりに気が付いた。
3・鷹尾家の殺人。
鷹尾浩介の過去。
鷹尾浩介は、田舎の裕福な家に育った。しかし、父が倒産した。その時、離婚していた母が遺産の問題で、家にやってきて、二階のカイダンの上で、父と喧嘩をした。その時、浩介は二人を押して、階段から落として殺した。
その時、やくざ(金貸し)が見ていて、浩介はやくざの手伝いをさせられる。麻薬の運び屋、だった。ある時、運んだ後、殴られて失神。気が付くと、女が血だらけで倒れていて、自分の手は真っ赤だった。それで、死のうと思って、外へ出た。
4・衣更月家の一族。
再び榊原。榊原は、楠原家の系図を調べた。すると、富田春奈と広田優子と、楠原Aと鷹尾浩介は兄弟だとわかった。で、楠原Aが死ねば、3億円は、自分のものになると考えた富田春奈が、他の三人を殺そうと企てたと、推理。
まず、Aを元夫の弘樹に殺させた。その時の、元夫のアリバイは、姉の優子殺害事件と同じ時刻なので、ある(このトリックは、読んで。まま、ある)
さらに弟の鷹尾浩介は、女を殺したように見せかけて、自殺に追い込む。この女は、春奈がやったのだが、浩介は、思ったほど落ち込まないで、自殺しなかった。で、失敗。
おまけに、マンタがAに成り代わっていて、そのうえ、自分で転んだと処理されたので、事件にならなkった。結果、榊原は、優子の殺害に関してだけ、春奈と弘樹の共犯として、警察に届けた。これで、春奈は罪人。遺産は受け取れない。
感想。考え過ぎ。肩がこるだけなのに、思ったほどすっきりしない。特に、浩介を自殺に追い込もうとしたストーリーが本筋と関係なくて、浮きまくり。疲れた。

情報
ステマ アーチフィットよさそう。
レモンジーナ。おいしそう。
肌ラボ。いい。