人魚の眠る家

12・6(日)
人魚の眠る家東野圭吾
さすが理系の東野だね。派手なドンパチはないのだけど、化学の最先端を扱っていて、もう理系。そして人間の尊厳とはなにかを訴えているの。脱帽だわ。
筋。
瑞穂という女の子が、プールでおぼれて植物人間になるの。ここで脳死判定が出れば、移植のドナーとなるのだけど、母親はまだ生きて呼吸もしているので、OKは出さないの。
一方、父親は脳の電気信号で手足を動かす研究をしているの。会社の社長なの。それはあくまでも脳死ではなく、脊髄損傷などの人間に対してなの。
だけど、ある大学の研究班が、脳死でも、筋肉が動かせるような研究に成功したの。それを、父親は、自分の娘に応用したの。娘は息もしているし、体も温かいので、電気信号を与えてやれば、微笑むし、手も挙げられるの。で、母親は車いすに乗せて、息子の誕生パーティに出席させようとするの。
でも、息子は、学校で、友達から、「死人を買っている」と虐められているので、友達を呼ばないの。
そんな状態で3年。読み聞かせをしたり、心臓移植を待って、アメリカに行くのに。2億6千万の募金を集めている両親の話なんかも出てきて、まあ、飽きさせないんだけど、話は、淡々と進むの。
そして、ある日、娘が母親の夢枕に立つの。そして「天国へ行きます。ありがとう」と言うの。それと同時に、病状は悪化、死ぬの。母親はその時初めて、脳死判定に同意するの。
ね、じわーんとくる話でしょ。さすが東野圭吾ね。

情報
冬こそ養命酒
羽釜のごはん、いい。