猫は知っていた

「猫は知っていた」仁木悦子
ポプラ社の猫特集に入っていたので、買ったの。S32年の江戸川乱歩賞受賞作だそうで。おまけにこの人は、4歳の時からカリエスで学校へ行っていないのだとか。でも、すごいわね。こんな賞を取るなんて。
S32だから古いです。おまけに設定も戦後まもなくで。懐かしいというか、トトロの世界へ入ったようで、いいです。では筋。
仁木兄弟が医者の家に間借りする。すると、A医者の母の老婦人(B)がいなくなる。その後、C男もいなくなる。C男は盲腸の手術を受けたばかり。しかし、二人がいなくなったとき、表の門には仁木兄弟がいて、裏の門には、炭やがいて、両方とも出ていない。それは密室失踪? で、その途中にある防空壕を探す。するとB老婦人の死体がある。茶壺も落ちていた。しかしC男はいない。では、C男はどこへ消えた?
防空壕を探すと、板壁があり、その板が開いて、隣の敷地へ抜けられるようになっていた。では、C男はB老婦人を殺して、隣の敷地へ逃げたか?
そうこうしていると、C男から電話がかかってくるが、すぐ切れる。この時、家にいないのは、D看護婦だけ。まあ、これが後から大きなヒントになるのだが。
さて、ここにユリがいる。ユリは指輪を盗まれたと青い顔をしている。実は、指輪だけでなく、一万7千円(当時の額)も盗まれたのだが、それは後々まで言わない。これが、のちのち大きな原因になってくるので、言ってしまうと、その金を稼ぐために、ユリを可愛がっていたB老婦人は、茶壺を売ろうとして、C男(古物商)を防空壕へ呼び出した。では、二人に何があったか?
ここで少々前に戻るが、この医者には次男がいて、家出をして小説を書いている。それを偶然呼んだ兄が、子の家とそっくりの見取り図や、からくり箱の開け方を見て、ユリの金を盗んだのは、次男だと断定。で、ユリに鎌をかけると、ユリが白状。金を盗まれたので、B老婦人が茶壺を売ってくれると言っていた。
そうこうしていると、身元不明の遺体が上がる。見に行くと、盲腸の手術跡。顔は滅茶苦茶。それがC男だと断定される。
しかし、死亡推定時刻は、電話がかかってきた前。で、電話の声はXプXーダーだと断定される。で、仁木の兄は、この時家にいなかったD看護婦を疑う。
しかし、今度は、D看護婦が防空壕で殺される。蛇毒を塗ったナイフで刺されて、死んだ。仁木兄は、C男を殺して運び出すのは無理なので、共犯がいて、そいつに殺されたと推理。
そして、そいつは、家の中の誰かだと推理。
で、D看護婦の殺しの手口だけど、彼女は背中から切り付けられていた。で、壁の方に背中を向けていた。そこはへこんでいた。とすると、共犯が切り付けるのは無理。彼女の最後の言葉は猫がやった。では、どんなトリックを使った?言ってしまうと、xx鉄砲。そこのxxの上に猫を眠らせて載せておいて、起きたら、発射するようにしておいた。もちろん実験もした。だから、D看護婦の死亡推定時刻に、家族全員のアリバイがあった。
さらにもう一人殺されそうになるが。さて、犯人は誰> 動機は?
面白かったわ。ぜひ読んで。猫好きな人にはお勧め。
情報。
貼って気持ちいい、サロンパス