望郷

「望郷」湊かなえ
よかったわ。地味だけど、よかった。もしかしたら、前に読んでるかも。でも、よかったから紹介。
短編集。
1・みかんの花
綱島へ姉が帰ってくるの。姉は、昔、橋ができるんで、金が入った頃、流れ者の男と一緒に島を捨てたの。そして、小説を書いて、成功したの。で、途中は退屈なので飛ばすけど、その男を殺したんじゃないか?その経験を書いて、、成功したんじゃないか。私はそれを姉に伝える。姉はそうよという。しかし、私はさらに妄想する。実は、母が殺したんじゃないか。姉は罪を被っただけじゃないか。
これは今一だったわね。
2・海の☆。
主人公の父が行方不明。三年後、独身の男が母に近づいてくる。花束を持って。「父は死んだと思って、前へ進もう」と言って。
それをプロポーズだと思った母は、断る。だが、10年後。その男の娘Aがやってきて、真相を伝える。実は、Aの父は漁師だった。ある日、網に主人公の父の死体がかかった。きりんのTシャツ(ポスターに書いてあった)だったので、すぐに分かった。だが、死体が上がると魚が売れないので、海に放った。それを知らせにきたのだった。花は死んだ父に手向けるため。海の星は、主人公が独身の男に、星を見たいと言って、地上に水を撒いて、出現させてもらったもの。じわーんとしたわ。
5・6がいじめ問題。感慨深い。特に解決法が記してある訳ではないのだが。読んだ後、「さあ、君の仕事をしなよ」と励まされる感じ。

情報
お部屋探しはエイブル