時が滲む朝

『時が滲む朝』楊逸

映画はみな、面白そうなのは、来週からなので、何にしようかと迷っていた時に、芥川賞直木賞が決まったそうで。取り上げるのができてよかった。これは、芥川賞の受賞作です。中国人によるはじめての芥川賞だそうで。となると、『血と骨』は何も受賞していないのか? あ、あれは、韓国人で、中国人ではなかったですね。
これは、なんか、なつかしい感じです。現在60歳以上のひとなら、わかるかなあ? 40年くらい前、東大紛争をはじめとする学生紛争が盛んだったころ、日本にも学生運動文学なるものがありましたが、それですねえ。中国人による、中国の将来を憂うる小説です。
日本では、太宰以来、腐っているのが文学みたいなのがあって、それに染まって大きくなった世代には(日本のほとんどがそうですが)、ちょっと物足りないような感じですねえ。強いて言えば、挫折してない青春小説みたいで。『血と骨』みたいなインパクトもちょっと足りないし。
まあ、でも、これが中国で出版できないのが、現実っていえば、現実かな?
話はかわりますが、うちの子が、今年の後半から中国へ留学するので、その前に読ませたい小説ですねえ。