夜明けの街で、ししゃも

「夜明けの街で」(東野圭吾



「ししゃも」(仙川環)



今週面白かったのは、夏樹静子の「天使が消えてゆく」かな。さすが夏樹静子って思ったわ。
内容。探偵がホテルで殺される。その探偵は、A氏に雇われて、浮気調査をしていた。その後、A氏が毒殺される。
このとき、A氏の妻、娘、娘婿にはアリバイあり。でも、A氏が大金持ちなので、遺産を巡る争いかと思われる。一方、主人公は、新聞記者。地方に飛ばされて落ち込んでいる時、心臓手術を待つ赤ちゃん(あゆみだったかな?)の取材をした。その母親が相談に乗ってくれる。
その母親は、キャバ嬢みたいな外見。娼婦みたいなこともしている。A氏の家にも出入りしている。元A氏のお気に入りだった?
A氏の殺された時には、三上という男がいて、アリバイの証言をした。新しい恋人か?
あゆみの母親は、退院したばかりの赤ちゃんを主人公に託して、男と遊びにゆくような女。
さて、話は飛んで、あゆみの母親から主人公に電話がある。「殺される。ぬいぐるみが」という伝言。駆け付けると、大量の睡眠薬と酒、で死んでいる。遺書もある。警察は自殺断定。
ここで、保険金の問題。契約から一年以内なので、自殺では保険金が下りない。主人公は殺しだとにらむ。警察へ行くと、三上が怪しいとの話になっている。それを聞きつける。三上は、A氏の殺害時、あゆみの母親と一緒にいたと証言したので、三上自身のアリバイも成立していたが、アパートの隣の住民の証言では、どうも、いなかったらしい。これで、三上に証言が偽証だとなった。
で、話は飛ぶが、最初の探偵の殺害にかんして。ホテルの主任のBは、誰も部屋から出てこなかったと証言。だが、このホテルはA氏の持ち物で、どうも、Bは過去にA氏になにかされて、恨みがあったようだ、と調べから出てくる。
ところで、主人公は、三上と接触をもつために、あゆみの母親が勤めていたキャバクラに乗り込む。母親が重要な手紙を残していたんだと言って。キャバクラの女将は三上に連絡を取ってくれる。
だが、この男は、三上だとは名乗らず、さびれた場所で、ある男を呼び出す。それが、Bなのだが、Bは、自分を呼び出したことと、三上がうっかり、喋った言葉から、自分がA氏に恨みがあると発覚したことに腹をたて、三上を撃ち殺す。
主人公は逃げるが、地下鉄の工事現場で、Bに追い詰められる。しかし、扉を隔てているので、一応安全。だが、逃げられない。
ここで、主人公は、Bが犯人だと思って、推理を話すが、Bは否定。そして、真相を話す。
それは、あゆみの母親が、娼婦をやっていて、探偵と争って殺してしまった。それを自分は見逃した。その代わりに、恨みのあったA氏の毒殺をさせた。
恨みとは、実は、自分の母親がA氏と関係を持って、自分を生んだ。だが、A氏は認知せずに、大学までの学費を出しただけだった。
で、主人公が殺されそうになるが、銃声を聞きつけた警察がかけつけて、免れる(三上殺しで、近くまで来ていた)。
で、あゆみの母親殺しに関してはうやむやなまま一年後。主人公がお墓参りにいくと、母親の父親が、手紙を預かっていたと言って、渡してくれる。それには、自殺をすると真相が書いてある。保険金をあゆみに渡すため。でも、それでは、一年以内なので、他殺と思われないとだめ。そのために、ダイイングメッセージで、「殺される」という、などの工作が書かれている。
この最後の手紙がジーンときたわ。

あと、ミステリー以外で面白かったのは、断然「99年の愛」だわね。「風とともに去りぬ」みたいで、壮大で、超面白かったわ。