北上川殺人夜曲,復讐はワイングラスに浮かぶ

北上川殺人夜曲」(梓林太郎)
ちょっと古い作品なんだけど、この人は大好きなので、紹介します。会話が面白いの。キャラが立っているの。例えば、突然部下から電話が来るの。そして、「助けて」と叫ぶの。人殺しでもされそうなのかと思うと、体重が三キロも増えたってことだけなの。他では、主人公が「殺人死体が横に寝ていたんだ」というと、部下が、「また人殺しをしたの?」って言うの。昔、人殺しの嫌疑をかけられただけなのにね。本当、皮肉と妄想が際立っているわ。超爽快よ。



「復讐はワイングラスに浮かぶ」より「静かなる会議」(赤川次郎




今週面白かったのは、スペックかしら? 去年、自殺会で死んだと思われていた娘が、生き残って、幹事に殺されるから助けてって、母親にメールを送ってきたことから始まるの。で、その自殺会に応募すると、招待状が送られてくるの。ちなみに、自殺した人には遺品が家族のもとに送られてきているんだけど、一人だけ、元傭兵には送られてきていないの。だから、それが、生き残った幹事で、何度も同じことをやっている殺人鬼なのではないか?と疑うの。
で、自殺会の日、幹事と思われる男が、バイクで逃げるの。でも、途中の崖から、ブレーキが効かなくて落ちて死ぬの。でも、主人公は、母親に言うの。
そのブレーキを、念力でねじ切ったのはあなたね、と。で、証拠は、バイクのブレーキは、右のハンドルと右の蹴るブレーキにあるの。でも、母親は知らなくて、左のハンドルのブレーキもねじ切っていたの。(ええと正確には、それはブレーキではないらしいんだけど)。そのことを知らないのは、自殺会に応募した中で、母親だけ。
で、もっと言うと、母親は、娘が自殺したことが信じられなくて、架空の殺人者を作り上げたの。それが、元傭兵。
ドラマでは、ここで、今回バイクで死んだのが娘だと、写真を見せると、母親が、念力で、部屋の中のものをめちゃくちゃにするの。それで、念力が証明されるの。でも、娘は去年死んでいるのだから、バイクで死んだのは、当然、別人だけど。
面白かったわ。でも、もっと派手にするのなら、というか、どうせ念力でねじ切るのなら、ブレーキだけじゃなくて、ハンドルごとねじ切るとかしたほうが面白かったのにね。