六本木ヒルズの天使、賢者の贈り物

六本木ヒルズの天使」(木下半太)より「浅草花やしきの河童」
僕(村田温志)は、河童になって生き返った。そして、人魚の詩歩ちゃんと出合った。吸血鬼たちとも会って、花やしきで遊んでもらった。土屋は、稲葉慶子を死なせたことで失望して、復讐人を止めようと思っている。所で、温志の父親の大志は、子供を虐待して、お風呂に沈めて殺した。だが、そこには青木ミチルという女もいたと温志は言う。ミチルは吉原のソープ嬢。彼女は、大志の結婚した相手の妹。大志が、子供と二人だけだと息が詰まるというので、一緒に花やしきに行った。土屋は大志を殺せなかった。土屋は、自分の中学生の息子に殺されたのだ。どうも親子関係は苦手。

「賢者の贈り物」(石持浅海)より「金の携帯銀の携帯」
これはすごい。この人は天才です。前からそう思っていたけど。まず殺人がおこらない。ちょっとしたことで、永遠に推理する。まあ、ちょっとしたことでもないんだけど。これは、そう、金の斧銀の斧の比喩。
まず、携帯が壊れたから、修理に出して、その間のレンタル携帯を借りるの。すると、お財布携帯になっていて、5万円入っているのと、5千円入っているのと、0のがあるの。それは、誰かが入れ忘れたんじゃなくて、店の人はサービスだというの。まず、満タンにして返すのかと聞くと、そんな必要はないと言うの。じゃあ、サービスなんだと考えるの。でも、サービスの意味を色色考えても、理にかなったのがないの。
例えば、他社との競争で、他者が4万円出していると仮定してみる。でも、故障して借りるだけなんだから、新しい携帯をその会社にする訳ではない。それに、5千円の意味がわからない。それに、その支店独自のサービスとしても、故障しただけなのだから、意味はない。次。リコール隠し。例えば、何か故障があり、それを隠すため。としても、5千円と0円の携帯は無意味。次。これが、プレゼントに当たったのだとする。でも、同じく5千円と0円には意味がない。
それで、0のを借りるの。すると、それから、商談が成立したり、いいことばかりなの。ね、面白いでしょ。おまけに次にゆくと、その支店は影も形もないの。
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