怪盗探偵山猫。ネズミたちの宴

「怪盗探偵山猫。ネズミたちの宴」神永学
帯に、ピカレスク・アドベンチャーと書いてあった通り、超軽快で面白かった。
1・鼠の巣窟。
あゆみの姉はAV女優だった。ある日、マンションの近くのホテルで手首を切って自殺した。それがしんじられないあゆみは、下北のあるバーにいく。そこに行くと、なぞをといてくれ、恨みを晴らしてもくれるらしい。そこいにたのは、マスターと美人の客と、さわやかな編集者の青年。藤村。
同時に、藤村から、事件の真相を明らかにしたいとの電話ももらったから。
あゆみは、姉から鍵を預かっていた。藤村が言うには、姉は殺された。そのカギは、真相を暴くに違いない。
姉の自殺したホテルに行く。藤村によれば、そこはAV企業の経営するホテル。そこで、二人はやくざに絡まれる。姉の死の真相がわかったというと、殺されそうになる。藤村がプランAからCというと、天井や床が落ちたりして、助かる。窓の外にはマスターが車で待っていた。
そのホテルはやくざのホテルなので、事件があっても、事故があっても警察には届けない。
後日、コインロッカーを探して、経理帖をみつける。それによると、AVのDVDを自費出版させて、おまけに、宣伝費まで本人にかぶせるという悪のからくりがあった。

2・鼠の経典。
ある新興宗教へ藤村が取材にいく。そこの教祖は透視ができるらしい。
つい最近も、ある社長が、信用して、6千万を寄付し、そのあげく、忠告に従って新しい事業を起こし、失敗して自殺していた。
教祖は、透視をした。藤村の頭の上に、ぼんやりと文字が浮かんだ。しかし、二回目は失敗した。
藤村いうには、過去は前もって調べて、部下の二人がプロジェクターで映し出し、文字は、机の下にカメラがあり、それも、プロジェクターで映すのだとか。自分を信じていた教祖は、だんだんとおかしくなっていく。

3・鼠のバラード
明日のライブを前にして、勝村が消えた。ボーカルの理佐子はバーへ探しにくる。
藤村がハッカーに頼むと、30分くらい前にGPSが起動したらしい。そこへ行くと、勝村が知り合いのグループに殴られていた。
藤村の説明。勝村はオレオレ詐欺をしていた。そして、メジャーにしてやるという詐欺師に引っ掛かって、500万を持ち逃げした。それをすでに詐欺師に渡してしまった。それを盗み返す。

あと一つ、軽快な事件が。