激流、上

「激流、上」柴田よしき
面白かったわ。事件に関係ないことも多く、勉強になったわ。
NHKで連続ドラマになるとか。確かに、言葉が多くて、ト書きが少なくて、脚本家は楽だと思うわ。
美弥(ロックシンガー、一回、麻薬で逮捕歴あり)は、マネージャーの恭子に呼び出される。自分で書いた本が映画になる。その主役を捕ってくれたのは、恭子。恭子は言う。「昔、美弥がつかいあっていた男が殺人容疑で尋問された。榎一之。その男の手帳に美弥の名前があったから。殺されたのは中谷秀美、榎の愛人」。
その前に、20年前、美弥を含む中学三年の7人が修学旅行で知恩院に向かくバスの中で、冬葉が消えた。
今(35歳)、冬葉から「私を覚えていますか?」のメールが届く。
刑事がきた。東萩浩二。昔の同級生のハギコーだった。「榎は、尋問の後、サイパンにいって、行方不明」
美弥。マンションで同じ階に住む男から声をかけられる。「葉崎です」と。美也の昔の小説が映画化されたとき、主役の名前だった。やっていたのは佐原。今は実業家。
圭子。出版社の編集長。大御所の手書きの原稿が消えた。そのとき、自作を売り込みに来ていた男がいた。その男が盗んだか?
翌日、その原稿に赤で×が書かれて、送り返されていた。作家は激怒。圭子は必至で謝る。友達は、離婚訴訟中なので、夫の嫌がらせで、その作家志望の男は雇われたのではないか?、というが、真相は不明。そして、冬葉から、「私を覚えていますか?」のメール。
裕也。裕也は失業した。今と同じくらいの給与は、営業なら出る。彼は恨んでいる。妻が娘を私立の小学校に入れたのがいけないんだ。マンションだって、強引に高いところを買ったし。
その妻の貴子。私立のためにデリヘルをしている。そして、相手の男から、自由に会いたいといわれ、OKする。
夫の再就職も頼む。IT企業の社長だったから。冬葉から「私を覚えていますか」のメール。貴子は圭子に相談する。同窓会を開くことにする。
冬葉のメールは、ネットカフェのパソコンからのフリーメールだった。誰でも可。
美弥も貴子も、メルアドは親しい人にしか教えてない。
その中に犯人がいる?
ハッキングしたのかも。貴子のケータイの番号さえわかれば、ケータイ会社のデータベースに潜り込めば、メルアドはわかる。パソコンに詳しい人ね。
美弥は昔のことを思い出した。冬葉は、アルルの女をフルートで吹いていた。誰かが伴奏をしていた。恋人だったのかも。ナガチのような気がする。とすると、今回、やったのはナガチかな?ナガチは冬葉が好きだった。
サイパンでの写真をハギコーは入手していた。誰かが榎としゃべっている。相手はナガチに似ていた。
豊かの思い出。冬葉は、母親や担任の旭村のことを言われると、切れて、カッターナイフを振り回した。豊は、それを、冬葉の旭村への恋と解釈し、それをハギコーに話した。
旭村は失踪している。探す必要がある。ハギコーは、冬葉が、あの日、旭村と密会するためにバスを降りたのでは、と推理。
美弥。榎の写真を啓介に見せる。彼は外国のミュージシャンに詳しい。ほかに女性が2人写っている。啓介の話。「女性の一人は、フルート奏者。もう一人は通訳。二人はレズ。しばらく日本には来ない」。美也はそれが冬葉ではないかと思う。あの日、失踪して、あるいは、誘拐されて、外人と一緒に外国に渡ったとか。
さて、美弥は、貴子が男と一緒にホテルに入って、一人で出てくるのを見た。その男が殺されていた。しかし、美弥は、帰ったという。そのとき、男はまだ生きていた。