アウト&アウト

「アウト&アウト」木内一裕
藁の楯」の人。これは、ちょっと肩に力が入りすぎていて(一昔前のチャンドラー風の探偵をかっこよく書こうとしすぎていて)、筋立ては安易。
筋。主人公は、工藤という男(やくざ)から、あるビルへ来るように言われる。そこへ行くと、死体がある。誰の死体かわからない。そばに殺した男がいる。クリントンのお面。素人っぽい。主人公に、お前を殺すのは辞めるという。足だけ縛って出ていく(安易)。
主人公は、紐をほどいて、死体処理やに電話。死体を片付けてもらう。相当な金がかかる。(ここも安易)。掃除屋は、湊の倉庫に保管。頼めば、粉砕してくれる。死体は、名刺から安田と判明。主人公は、安田のケータイで調べて、姉に電話。姉は言う。「弟は、ベナン終身刑になったはず」
事務所に戻るとデカが2人。タレこみがあった。あのビル、血だまり、主人公の指紋から、殺人があったと推理。目撃者から主人公が割れる。証拠がないので、保留。
情報やから話を聞く。ベナンとODAの話。情報やに安田の死体のことを話すが、情報屋は知らない。
安田のケータイに鶴丸という電話番号があったので、かける。代議士の鶴丸事務所につながる。ハッタリをかける。「安田は生きている」
第二章.ここで視点が変わる。右翼の池上が主役。上司に言われて、疑わずに安田を殺した。矢の(主役)のせいにしろと言われたが、殺せとは言われていなかたので、矢のは殺さなかった。上司は、いじめにあった自分を助けてくれた。
矢のは新聞で調べる。鶴丸は、ベナンのバス事故の生き残り。安田のケータイにあった堂島(池上の上司)に電話して言う。「安田は生きている」堂島は、それを池上に言う。
池上は、絶対に殺したと断言するが、確かめるために、矢のの娘を誘拐。
矢のは、鶴丸のシンポジウムにいくが、そこで、やくざが乱入して、鶴丸の秘書が殺される。池上は、鶴丸に電話して言う。「安田は間違いなく死んだ」。妙小寺に行く。そこで、警察が近づいてくるが、実は、やくざの変装で、撃たれて死ぬ。鶴丸の放ったやくざだった。そこの矢野がくる。池上は言う。「百万あるので、鶴丸を殺してくれ」。池上は死ぬ。
鶴丸は、幼児売春の顧客の一人だった。安田はそれを知って、ゆすった。矢のは、最後、鶴丸を殺す。(安易)全体的に、安易のオンパレード。