一万両の長屋

「一万両の長屋」幡大介。
大富豪同心の第三弾だそうで。
まずは帯から。
5年前、一万両もの大金を盗み、大阪に逃げた大盗賊の夜霞の次郎べえの一党が、江戸に舞い戻ってきた。南町奉行所あげて、探索に奔走するが、見習い同心の八巻卯の吉だけは、吉原で放蕩三昧。そんなとき、卯の吉は貧乏長屋の大家殺害の探索を筆頭同心から命じられる。
もうちょっと、詳しく言うと。
この大家が、実は、一万両を預かっていたの。そして、長屋に埋めていた。だから、店賃を払えなくても、追い出せないの。その大家が殺された。
夜霞の一家は、大家の株(15両)を貸していると言って、大家になり、店子を追い出して、一万両を掘り出すつもり。
だが、卯の吉は、大家の娘に同情して、15両をめぐんでやってしまったので、その策は没になった。さて、夜霞一党の手下たちは、早く分け前が欲しくてしょうがない。だが、親分は、その一万両で、大阪の掛屋の株を買って、上りを子分たちに渡すつもり。
そのことを知った子分が、奉行所に、親分の隠れ家を密告する。南町奉行所は、急襲して、親分ほか、数名を生け捕りにする。そして、子分たちは、油壺をもって、長屋に油を撒いて、火をつけに走るが、張り込んでいた卯の吉と大侠客の親分と、美鈴にこてんぱんにやっつけられる。
話が単純で、スリルがあって、面白かったわ。