人間の顔は食べづらい

「人間の顔は食べづらい」白井智之
横溝賞で史上最大の問題作となった物だそうです。舞台は近未来です。ですからSFともいえます。SF好きにはクローンなど大好きな題材ですが、SF嫌いにはちょっと入りづらいかも。では、帯から。
世界的に流行した新型ウイルスは食物連鎖で多様な生物に感染し、爆発的な数の死者をもたらした。ヒトにのみ有効な抗ウイルス薬を開発した人類は、安全な食料の確保のため、人間のクローンを食用に飼育するようになる。食用クローンの飼育施設で働く和志は、自宅で、自らのクローンを違法に育てていた。ある日、首なしで出荷されたはずのクローン人間の商品ケースから、生首が発見される事件が発生する。和志は事件の容疑者とされるが、それは、壮大な悪夢の始まりに過ぎなかった。
さらに詳しく言うと。
つまり、動物にヤコブ病みたいなウイルス病が蔓延して、動物の肉が食べられなくなった時、人間のクローンにだけは有効な抗ウイルス薬が開発されたの。なので、人間のクローン肉だけは食べられる。しかしこれは一体、数百万円もするので、金持ちだけが、プラナリアセンターに(生産施設)発注できる。さすがに他人の肉はカンニバルとして嫌がられるので、自分のクローンを発注して食べる。
さて、事件が起こる。プラナリアセンター(クローン育成、発送施設)(満腹社が経営している)の法律を作って、設立させた富士山議員がいる。その法律に反対していた野村という男が、ホテルの9階から落ちて死んだ。よく調べると屋上から、富士山議員の血と、争ったと思われる野村の血が発見された。それで、富士山議員が疑われる。しかし,富士山議員は、そのとき、いのりというデリヘル嬢と一緒にいたという強固なアリバイがあった。
しかし、そのスキャンダルで冨士山議員は辞職。ところで、いのりはその後、和志に呼ばれた。人格がころころ変わって気になっていた。その和志は、プラナリアセンターで働いている。クローンの頭を落として、体だけ袋に詰めて、発送する部門にいて、今日、冨士山議員にクローンを発送した。
それを輸送したのは柴田。
いや、その前に、湯島という怪しい男の尾行を命じられる。金髪で目立つ男で、こいつが探偵役をするのだが、ついでに、探偵役はもう一人いる。結構意外。
さて、冨士山議員の所に送られた袋の中に、捨てられたはずの頭部が入っていた。それで、冨士山議員が謎解きに乗り出す。で、和志は、上司と一緒に、冨士山議員の家に呼びつけられる。で、釈明する。
自分は、時間に追われてギチギチにやっていたので、離れている生首処理センターへ戻って取ってくるのは無理。となると運転していた柴田が怪しくなる。柴田は言う。考えられるとしたら、途中で警察に止められたので、その警察が偽物で、荷物を入れ替えられたに違いない。それにしても、富士山議員の顔のクローンを持っていたので、そのクローンはどこから手に入れたのか?これは行き詰まってしまうので、考えを変えよう。
この警察は、その後、本物と判明する。
そのとき、金髪の湯島が侵入してきた。彼は独自の見解を述べる。彼は、なぜか、和志が違法にクローンを飼育していることを知っていた。その延長から言えば、冨士山議員が自分でクローンを飼育していて、それの肉を食べた。で、頭が邪魔になったが、捨てる場所がないので、送られてきたことにした。
さらに、この推理合戦には、続きもある。和志は、頭部処理の前に時計をなくしていた。それで、上司が時計を盗んで、工場の時計を細工して、やらせたとの推理もある。
でも、この時は、なぞは解けなかった。その後、夜の工場へ忍びこんだ和志は、弱視のAを見つける。よく見えなかったのだが、独特な柑橘系の香りで、Aだと思い、Aと呼びかける。彼は、生首を処理しようとしていた。この時は殴られて、失神。
その後、工場が、ガソリンをまかれて、爆破される。目出し帽の男によって。和志は犯人と思われて、逃げる。さて、これらをやったのは誰か?和志は、自分の飼っていたクローンと推理合戦をする。
クローンは、暇つぶしに小説を読んでいたので、考える力はある。クローンは言う。富士山銀がクローンを飼っていたという推理はあたっていると思う。それで、富士山議員がアリバイを主張できたのは、クローンのおかげ?
で、送られてきた首は、自作自演じゃないか。しかし、それでは、後の爆破事件の動機がなくなってしまう。なので、XXと富士山議員が入れかわったのではないか。ま、クローンを扱った作品なので、XXは分かると思うが。爆破の動機も、そう考えれば、分かる。最後はぞっとするので、読んで。主人公の和志も、自分自身が疑わしくなってしまう。
面白い。

情報
きみまろ一笑懸命。面白かった。
戦闘中。なかなかいいよね。
新世代BMW、ほしい。
石ちゃん、振り分け親方。いい。
佐野厄除け大師で、厄除けを。
「我が家」じわーんと感涙した。
「ドクターズ」超面白かった。主役もいいし、わき役もいい。高尾山先生でてるし。本当は詳しく紹介したかったのだけど、TV紹介誌の情報が8日からになっていたので、紹介できなかった。次回からは、前もって紹介するぞ。
秋吉くみこ。高岡早紀いい。