逃げる

3・2(月)
「逃げる」林由美子(小説)宝島社。
帯に、「この疾走感、桐野夏生を超えた」と書いてあった通り、すごい。最初は誘拐をするんだよ。でも身代金を受け取る前に、子供がアナフィラキシーショックで死んでしまうんだよね。それから、逃亡生活は入るんだけどね。身代金小説も出尽くして、面白くないものばかりじゃない。そこへ全くあたらしいジャンルの開拓。大成功だったわね。私も、今回の二冊は、大正解。ポルノ三冊で失敗した分を取り戻したわ。では筋。
40歳の聡美は20年働いた会社からリストラされる。前の年老いた社長が、使途不明金を支出する度に、聡美のハンコを使ってやっていたのだ。それを、若社長に変わってみつけられたのだ。言い訳も通用せず、リストラ。でも、辞める前に金庫から3千万を盗む。
その日の帰り。孫の芹かの誘拐をするはめに。本当はセールスマンの和磨が一人でやる予定だったのだが、聡美も巻き込まれた。(聡美はコンビニで車を離れる予定だったのだが、許されなかった)。
で、山の中の空き家。芹かがカニアナフィラキシーショックで死ぬ。その前に、ネットゲームをやていた。そして、ネットゲームにXX山近くの空き家に連れ込まれたと書いていた。それを近くの男が見つけて、マスコミや警察が近くまで押し寄せる。で、夜、遺体を捨てられた冷蔵庫に入れ、沼に捨てる。車を奪う。県を二つくらい逃げ、ラブホテルに就職。和磨は土建屋さんの日雇いに。聡美は、一緒に働いている香りが夫からDVを受けているのを知り、助け出す。しかし、一緒に生活していると、和磨が香りに手を出してしまう。そして、香りが和磨から聞いたのか、二人が手配中の誘拐犯だと知り、おまけに3千万も盗んだことも知り、それを渡さないと、警察にしゃべるという。そして、聡美は、コインロッカーに預けてあるんだけど、そのロッカーの鍵を渡してしまう。この辺が不自然。ふつうなら、ここで香りを殺して逃げるのに、香りに3千万を渡したまま、復讐を考える。それは、夫のDVをぶり返させてやること。で、夫に今の住所を知らせる。で、夫が来て、戦い。聡美は、二人に熱湯をかけて、逃げる。和磨の職場に行って、和磨に話て、二人で逃げる。絶対、ここは不自然。
その後、弁当やへ就職して、和磨も新しい土建屋へ就職して、両方が身分がばれそうになってしまう。聡美は、ばらさない代わりに3千万をくれと言われ、逃げる覚悟をする。和磨は強請ってきた相手をビルから突き落として、二人はまた逃げる。
そして、いろいろと事件があって、。
感想。面白かったわ。新しい切り口で。ミステリーじゃなくても面白いのは書けるって証拠よね。

情報
アンドロイド、楽しそう。
端麗グリーンラベル、おいしそう。