猫間地獄のわらべ歌

4・11(土)
「猫間地獄のわらべ歌」小説、幡大介
私の大好きな時代ミステリー作家です。前回、超面白かったので、買ってみました。今回もはずれなしでした。時代小説なのに、「メタミステリ−だし。密室殺人だし」などと、現代用語がばんばん出てくるところが、新鮮だったわ。
では、帯から。
江戸の下屋敷におわす藩主の愛妾、和泉ノ方。閉ざされた書物蔵で、お広敷番が絶命した。不祥事を恐れた和泉の方は、『密室破り』をわれらに命じる。一方、利権を握る銀山奉行の横暴に手を焼く、国元では、ぶきみなわらべ歌どおりに、殺しが続くとささやかれ。大胆不敵なミステリー時代小説。
もう少し詳しく言うと。書物蔵の中で、腹を切って自害した男がいたの。でも、それでは、体裁が悪いから、密室殺人にしろ、と言われるの。ふつうは逆なんだけど、そこが面白い。で、国本では、わらべ歌通りに連続殺人が起こるんだけど、「これは、見立て殺人だ。横溝正史だ」なんて、会話がばんばん出てくるの。超面白かったわ。
面白かった会話を。
内「しかし、このメタメタなメタ志向は。いささか品格に欠けるようにも思われまするが」
豊「なんだな。メタ志向とは? 初めて耳にいたす言葉じゃが。長崎あたりで流行っておる蘭語か?」
内「痛いところを突かれたと見えて、いきなり、江戸時代人に戻りやがったよ」

情報
キリン。端麗生、のど越しオールライト。おいしそう。