冷たい太陽

5・3(日)
「冷たい太陽」小説。鯨統一郎
高村美羽が誘拐される。陸君との会話では、二人は5歳。父の高村謙二の家に電話がかかってきた。娘を誘拐したので、5千万明日までに用意しろ。受け渡し方法は後で知らせる。警察には知らせるな。ボイスチェンジャーの声だった。
謙二の会社苦しい。2千万しか用意できない。それで、別れた妻(美羽の実母)に3千万を頼む。別れた妻の会社も苦しい。おまけに、部下の3人がクーデターを画策している。でも、子供のために3千万を用意し、別れた夫の元へ届ける。さて、謙二の後妻の詢子は、警察へ電話してしまう。
そして、刑事が3人やってくる。同じ頃、美羽のケータイから電話で、ジュエリーテンで5千万の冷たい太陽というダイヤを買い、それを、公園の籠に入れてある伝書鳩の脚につけて、放て、と伝言が入る。宝石を買うのは、別れた妻の会社の男、鏑木(目が見えない)。
朝、10時。別れた妻が、店に送り、鏑木は宝石を買う。その時、店員の声が、くぐもっていたような。
その後、GPS機能をつけた装置を鳩にくっつけて、公園の鳩を飛ばす。宝石も筒に入れて。しかし、鳩はすぐに公園へ戻ってきてしまう。もう一羽いた鳩(宝石なし)は鏑木の家へ飛んでいった。鏑木は伝書鳩の達人。で、鏑木の家を調べるが、美羽はいない。
で、不審に思った警察が、ジュエリー10へ行くと、朝とは別の店長がいて、店は11時半開店だという。つまり、朝、宝石を売ったのは偽物。そして、冷たい太陽は残っていた。つまり、売られた宝石も偽物。で、鳩を調べると、公園に自生していた鳩だった。つまり、朝、5千万を受け取ったのが犯人。そっちが主眼。店で元バイトをやっていて、合いかぎをもっている。
これとは別に、別れた妻の部下3人が調べられる。クレーマーも調べられる。ジュエリー10に出入りしたということで、陸の両親が調べられる。
さて、美羽にはかすみという姉がいて、かすみは、この顛末を小説風に書いて、探偵に謎解きを依頼する。探偵はそれを呼んで、犯人は身内にいるという。さて犯人は?
ヒントは、美羽の「5歳」という言葉。
超騙されたわ。最近の文系のミステリーは全然面白くないので、期待していなかったのだけど、超面白かったわ。帯に嘘なし。