あぶない叔父さん


5・17(日)
「あぶない叔父さん」小説、麻耶雄嵩
この人もはずれがないので、必ず買うの。これは短編集。一作目の亡くしたお守りは、どこか別のに入っていたわね。でも、面白いから紹介。ほとんどが叔父さんが犯人という、人を食った話。でも、逮捕されないのが面白い。
1・なくしたお守り。
北海道の切り深い街。名家のA子さんと中学教師のB男さんが駆け落ちをするという噂で持ち切り。で、ある夜、本当にしたらしい。でも、町はずれの神社で、B男は頭を鈍器で殴られて、死亡。A子さんも短刀で胸をついて、死亡。同じ頃、主人公の僕は、おじさんに話を聞く。叔父さんは何でも屋で、あの夜、A子さんの見張りの仕事をしていた。
僕は、お守りを亡くした。それが、どうも、その神社らしい。そして、探すと、おじさんの部屋にある。さらに、血の付いたお地蔵さんの頭も。そのお地蔵さんは、例の神社の入りぐちにあったもの。
で、問い詰めると、白状。実は、A子さんをこっそり逃がしたのは叔父さん。最初は駆け落ちさせるつもりだった。でも、あまりに霧が深くて、あの夜、車で、A子さんを送った途中に、B男を轢いてしまった。B男はお地蔵さんに頭をぶつけて死亡。それで、悲観したA子さんは、自分の短刀で、胸をついて、死亡。叔父さんは、二人を神社に運んで、お地蔵さんの頭を持ち帰った。それに、お守りがくっついていた。でも、逮捕されない。
2・転校生と放火魔。
転校生がやってくる。小学生の時、つきあっていた明美。今の恋びとは真木。ボヤがあった。もう一回、あった。
最初は北室町の神社。二回目は、南室町の空き家。叔父さん、見回りに。三回目。西室町の一軒家で火事。その家の女性、鈍器で殴られて殺されていた。その人の名は、幸子。
明美がいう。義父(別れている)は昔、幸子とつきあっていた。それで、警察に事情を聞かれた。その時の情報。
幸子は新し男と同居していた。その男は、二階から逃げた。
明美の推理。玄武に朱雀に白虎に清龍。すると次に狙われるのは、自分の家。
しばらくすると、同居人の白川が逮捕される。幸子と争っていて、突き飛ばして、殺したことを認める。ただし、前のほうかはやっていない。それで、叔父さんに聞く。
叔父さんの推理。あれは、5獣(ここがよくわからない)。それで、放火魔は幸子。幸子は殴られて、ふらふらして、灯油のポリタンクをもって、自分の家に放火をしようとしていた。それで、前の犯人は幸子と分かった叔父さんは、幸子も犠牲者にしてあげようと、放火したが、二階に白川がいるのは気が付かなかった。これも叔父さんが犯人。でも、逮捕されない。面白い。