母性

7・2(木)
「母性」小説。湊かなえ
これ、本当に湊かなえが書いたのかなあ。それにしちゃあ、超下手だわねえ。まず、母親にとっては子供は命。しかし、娘にとって母親はライバル、もっと言えば敵。それが、ここでは、母親の母親、つまり祖母が命で、娘が石ころという設定になっている。まずそこが感情移入できないの。だから、崖崩れで、祖母と娘が下敷きになった時、まず祖母を助けようとするの。娘を置いてだよ。それが信じられない。しらけるだけ。
それに、崖崩れで家が崩壊した後、夫の実家で同居するんだけど、農家だから、収入は夫の収入だけ。それで、生活するの。なのに、ものすごく虐められるの。それも変。ふつうなら、別にアパートを借りるわよね。それも白ける。
唯一つ面白かったのは、娘が、髪を触られた時、パシって母の手をのけるの。それはわかるわ。母は敵だから。
ああ、それら、リルケの詩集がわんさか出てくるの。お嬢様学校じゃあるまいし、リルケだよ。背中が寒くなるね。
それから、娘を、貧しい子やしいたげられた子には、異常に優しくするようにしつけるの。これも変。普通でいいじゃん。昔、紺野美沙子が、遅れてきたタレントに、「いいんだよ」と言って、逆に泣かされたって話。そのくらい、相手にとっては変なんだよ。普通でない。
全体的に、感情移入できない。

情報
コドモ・エコクラブ。