邪馬台国殺人紀行


7・3(金)
邪馬台国殺人紀行」鯨統一郎
短編集です。「大阪城殺人紀行」の前の作品なので、まだ方向が決まっていない感じ。ネタも今一。やたら裸のシーンが多くって、一昔前のミステリードラマみたい。
それにやたらと場面と人が飛んでついていきにくい。では筋。
1・吉野か里殺人紀行。
井口と芽里が浮気をしている。井口の妻がやってきて、井口をぶつ。
井口が川島教授の部屋にいく。川島教授が金印を見せる。吉野ヶ里の古墳から違法に発掘した。歴史学者のお墨付きがもらいたい。
吉野ヶ里からは、土器などが出ている。が、栄えたのは弥生時代の後期の中ごろ。邪馬台国弥生時代後期の終盤。でも、時代は変わる可能性がある。加治佐は違うと主張。
井口が静を九州に呼ぶ。金印が出たので、邪馬台国は、九州の吉野ヶ里で間違いない。
アルキメデスの三人は、吉野ヶ里公園の端で、卑弥呼の墓を発見したと思い込む。
川島教授がそこで金印を発見したと、三人に告げる。しかし、佐賀文化大学の川島教授の部屋に行ってみると、金印が盗まれている。
三人は、卑弥呼の墓と思われる場所を掘ってみる。甕の中に、男性の遺体。それは井口だった。ポケットに金印が。
警察。死亡推定時刻は、6月13日の午後10時前後。後頭部を殴られ、その後絞殺。
容疑者。井口の妻、たまみ。28歳。加治佐は、大学時代にたまみを巡って、井口と争った。その時の恨みがあるかも。
警察は、井口に女がいたと割り出す。バーのホステス。芽里。バーの名は卑弥呼
邪馬台国は、3世紀。その頃には吉野ヶ里は衰退していた。東大系は、九州。京大系は、畿内を唱えている。文献からだと、九州。前方後円墳三角縁神獣鏡などは、畿内から出ている。加治佐は畿内
加治佐の推理。たまみは芽里を恨んでいた。そして、夫井口と喧嘩していて、殺してしまった。卑弥呼の呪いに見せる為に、甕棺に入れた。
三人は推理する。卑弥呼に与えられた金印が偽物ってことはない?漢委奴国王の金印(後漢洪武帝から貰ったもの)が偽物だって説もある。これは、発見されたのは、福岡県志賀島の田んぼの脇。
話は飛んで。川島がついに逮捕されて、喋った。金印は偽物だった。これが発見されたとなれば、吉野ヶ里公園の脇の神社は発掘可能になり、邪馬台国吉野ヶ里説が証明される。それで、金印が出たと言って、井口を呼び出して、喧嘩になって、殺した。
感想。話が飛んでいて、よくわからない。

2・箸墓殺人紀行。
2年前、レジャーランド経営会社「レジェンド」の社長、高垣日名子が殺された。海に落ちて、酒が入っていたので、自殺説も。
鷲尾刑事は、今でも殺人だと思って、捜査していた。
日名子が亡くなったのは、遺書の日付から、11月21日とされる。
その日のアリバイ。専務の音さん。常務の綾部恵美さん。二人とも取引先と逢っていた。別々だが。
処で、奈良桜井市三輪山の北西一帯、纏向遺跡がある。ここには、箸墓などの6っつの古墳。三世紀に突然現れて、4世紀に消滅。大型の掘立柱建築群がある。箸墓古墳は、卑弥呼の墓とも言われている。
「レジェンド」は娯楽施設の「ヤマタイ」を建設した。その落成式に3人は呼ばれた。
音と笑実はできている。
高垣の娘、美代は部長に昇進している。
ひとみは辰巳からメールで呼び出された。「夜の9時。明日香ホテルの裏の岡で」
そこで、死体を見つける。鷲尾だった。岡から落ちて死んだと思われる。鷲尾は、日名子の件を追っていたので、あれが殺人事件だという証拠をつかんで、犯人に殺されたのではないか。
辰巳(教授)に逢った。「ケータイは盗まれた」と言った。辰巳は邪馬台国、九州説。日名子は畿内説で争っていたから、鷲尾も疑わしい。
日名子は言っていた。「古墳のない九州よりは、畿内はずっとまし。でも、鉄器の産出量が少ないのはちょっと」
嵐山へ行った。嵐山の紅葉祭りの写真い日名子が映っていた。旅館のロビーに飾ってあった。11月22日。そこで、ご主人に関係者の写真を見せた。すると、笑美が止まっていたと証言した。チェックインの名は日名子。21日にチェックアウト。それで、こう推理。
笑実が日名子のふりをして、21日にチェックアウト。そして、遺書を書いて、22日に殺した。21日のアリバイは用意。でも、日名子は22日に写真に写った。動機は、会社を乗っ取るため。
よくわからない。
もう一つ面白作品が。

情報
食事の生茶