夕暮れ密室

7・15(水)
「夕暮れ密室」村崎友
横溝正史賞、落選なんだとか。でも、綾辻らの努力によって出版されたのだとか。うんうん、わかるって感じ。
推理の道筋はとてもていねいで、良いんだけど、肝心な処が杜撰。
まず、シャワー室の中(密室)で女の子Aが胸をキリで刺されて殺されているんだけど、換気扇が回っているの。で、換気扇に釣糸を結び付けて、それで、ドアの鍵を閉めたんじゃないかと最初は推理。そんなもん、糸が残っていれば、鑑識が見逃すはずはないにの、まるで、鑑識がいないような書き方。
それから、肝心な密室トリックについても、ドアを締めて、換気扇を回したから減圧密室になったって謎解きなんだけど、換気扇で減圧密室になるかって、感じ。おそらく、その辺が災いして、落とされたのね。あとは、金村先生は、シャワー室の入っているドングリ館の鍵はかけたけど、シャワー室の鍵はかけてないと言っているので、減圧密室だって、気が付く人はいるだろうけど、ドアの鍵を開けたのが、ピッキングの名手のガベちゃんだと、何度も書いてあるので、それは、騙されたわね。では筋。
シャワー室で、(密室)で、女の子Aの死体がみつかるの。ドアは鍵がかかっていて(正確には違う)、窓にもカギ。換気扇が回っていた。シャワーは流しっぱなし。排水溝には布、洗面台の排水溝にも布。で、Bが窓を割ると、同時に、ドアが外に開くの。これがミソなんだけどね。
で、謎はとけないまま、金森先生が、ドングリ館にカギをかけたのが、午後10時。この後、ドングリ館の窓が閉まらなかったことが判明。ただそれを知っているのは、Aと同じクラスの生徒だけ。で、犯人は、同じクラスの生徒に絞られる。
で、午後の10時(主人公は、松下)は、ドングリ館に入るのを、星座クラブの人に目撃される。しかし、家にいたとアリバイを主張。それは、家で、Cに電話をしたというもの。
で、Cは10時から12時に、電和していたと証言。実は、これが、松下のアリバイと同時に、Cのアリバイも偽装していたんだけどね。
で、話は飛んで、プールの倒れた看板の下から、星野の物と思われる大量の血が発見され、星野は、近くの川から、遺体となって発見される。で、大量の血の傍、ビート版の上に、血の付いた鉋が置き忘れられている。そのビート版の高さが190センチもある。で、190センチもある人は、Cしかいない。で、犯人はCと断定。
感想。推理の過程が面白かったわね。動機は今市。
 あと、犯人は、ケータイを持っていなかったと推理。どうしてそうなったかは、忘れた。それは、家においておけば、gPSでずっと家にいたと思われるからというもの。これも面白かったわ。

情報
乳酸菌が入った青汁。