ユートピア

ユートピア湊かなえ
地味だけど面白かったわ。
描き方が、奈々子、光稀、すみれとそれぞれの視点が順繰りにかわる。「グラスホッパー」が大ヒットしのでマネしたと思われる。でも、それぞれの章の終わりで、思わせぶりなことを書いて、章が変わると、また全然違った話になって、あざとい。あまり成功しているとは思えない。では、筋。
まずは帯から。地方の商店街に古くから続く仏具店。そこの嫁の奈々子。夫の転勤により、社宅住まいをしている妻、光稀。そして、移住してきた陶芸家すみれ。
美しい海辺の街で、三人の女性が出合う。自分の居場所を求めて、それぞれの理想郷をさがすが。もう少し詳しく。
まず、奈々子の娘は車いす心因性の歩けない病気。それを、光稀の娘がかいがいしく世話をしている。と言っても、勉強を教えたりだが。奈々子の娘は小一。光稀の娘は三つ上。
すみれは、天使の羽をもったオブジェを「クララの羽」としてネットで売って、売上金を慈善団体へ寄付していると言っている。クララの羽は、奈々子の娘がモデル。
ある時、お祭りで、火事があって、皆逃げたけど、光稀の娘が奈々子の娘を背負て逃げた。この時、倒れて、額に傷を負ってしまった。で、その時逃げた上級生を問い詰めると、奈々子の娘が立って歩いていたからと言った。どうも嘘ではないらしい。
さて、この地には、芸術村というのがあり、そこに、10年前、殺人犯が金(きん)を埋めたとのうわさがある。
で、その殺人犯が目撃された時、奈々子の義母も目撃されていた。その殺人犯は、後に骨になって発見されるのだが、奈々子の義母は、その辺の事情と、金の行くへをしっているらしい。
さて、奈々子の娘は、本当に歩けるのか。奈々子の義母は、金の行方を知っているのか。途中、ネット噂で右往左往する姿なんかもあって、面白かったわ。

情報
今年も、JXグループ
宝島社いい。
真心畳いい。
初売りはダイハツへ。
妖怪ウオッチプニプニ。やりたい。