ゆきどまり

「ゆきどまり」ホラーアンソロジー
これはレベルが高い。絶対おすすめ。カスがない。
1・高橋克彦「ゆきどまり」
私は、雪道で車と事故。近くの温泉まで歩く。そこで若い女の幽霊が出ると話を聞く。でも、一泊して次の日、事故現場まで行くと、私の死体が。まあ、オーソドックスだけど。
2・篠田真由美「人形遊び」
山の中の古い洋館。少女と主人、うば。三人の人格で次々と拷問の話とか、昔の思い出が語られる。そして、最後、刑事と主人の弟と名乗る男の会話。館の主人は殺されたと言うけど、死後数か月たっている。それに、録音された女の話は、明らかに男の声。おまけに男は女装。
刑事は言う。今までのあなたの話は、あなたが多重人格で、自分で演じていたのですね。
3・新津きよみ「口が堅い女」
私は、娘のお受験で、よく当たるという占い師を訪ねる。「あなた次第」と言われる。その帰り、昔の友人に会う。その占い師の所から出てきたのを見られた。黙っていてもらうために、高い真珠のネックレスを送る。その友達は口が堅いから喋らない、と言う。その後、その友達がビルから落ちて死亡。その前に娘と逢っていた。さて、お受験の日、娘のポケットから四角い物が飛び出す。そして、占い師の事、昔虐めた言などを喋る。取り乱して、その箱を手に取ると、石だった。占い師のあなた次第の言葉がよぎる。
4・草上仁「誰かいる」
AとBは兄弟。二人の住んでいるところに、C子が転がり込んでくる。C子は最初はAの恋びと。でも、Bを誘惑。で、話し合いの結果、Aが死んだ演技をすると言い出す。それ以来、Aを無視。そのうち、本当に幽霊だと思えてくる。で、Aもそう思えて、ベランダから転落死。B一人残る。頭に来て、C子の首を絞める。でも、幽霊が。
5・牧野理「週末のマコト」
全部妄想でも、インパクトは強い。
6・伏見謙二「少女去りし」
16歳の少女を異界のの父が迎えにきたが。よくわからない。
7・森万砂子「Uターン」
車の運転をしながら、見た言、考えたことを延々と。最後、車がぶつかるような幻が見えて、ガードレールに激突死。
感想。よほどネタがなかったのね。
8・小林泰三「友達」
もう一人の自分が勝手に動き出した。本物はどっち?よくわからない。
9・ゆいかわ恵「分身」
メールで妻とやりとり。Aという男になりすます。色々とあって、最後。オフ会で本当にAが現れる。人を食ったホラーで面白かったわ。

情報
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