癌消滅の罠

「癌消滅の罠」岩木一樹
「このミステリーがすごい大賞」だそうで。ステージ4の癌患者が4人治った。おまけに、4人とも生命保険の生前給付金を受け取った直後だった。で、主人公は、その一人を診察していた。その患者は、湾岸がんセンターへ転院した。湾岸がんセンターは、癌治療としては有名。おまけに、ある宗教団体の出しているサプリを飲んで治ったと大々的に宣伝していた。で、調べる。その4人に聞き取りをしたりして。全員が、早期発見で、手術をしていた。で、仮説を立てる。早期発見した癌に治験をして、よく効く薬があるかどうか調べる。これはよく行われている。それで、転移した時、その薬を投与するのだ。だから、切除した癌を注射でまた元の体に戻して、再発と言ってから、保険金を受け取らせ、その後、その薬を投与して治ったと公言したのではないか。もちろん、宗教団体からお金をもらっていた。だが、それだけではない。何とかいう薬は、癌が自殺する作用があるので、それをがん細胞に組み込んで、投与したらしい。でも、そんなのがあったら、すぐに癌は皆治ってしまうので、フィクションかな。全体としての感想は、医療者はむずかしい。最初の、双子を使って、詐欺をして、癌が治ったとしたトリックは面白かったわ。あともう一つ。殺人事件があって、そのトリックは、絨毛細胞双子というのがある。双子の片方が発育しないで、片方に取り込まれてしまうもの。これは、絨毛細胞に包まれていて、癌化しやすい。おまけに、それは、精しのDNAでできている。それから、先生の娘の交際相手を見つける(娘は癌で自殺)。これは面白かったわ。
情報
ユーグレナ緑の習慣。1000円。0120−515−696