『ごろつき』『無宿(やどなし)』紹介

『ごろつき』(昭和43年公開)
■出演:高倉 健/吉村実子/菅原文太/渡辺文雄/金子信雄/大木実/特別出演・沢村忠
■監督:マキノ雅弘 ■脚本:石松愛弘
マキノ監督にしては珍しく、現代物。キック・ボクシングのチャンピオンを目指して健さんと文太兄貴が九州から状況してきて、色々と努力するんだけれど……。

唐類。「見どころは、キック・ボクサーの沢村忠が出ているところかなあ」
読者。「年がバレますなあ」
唐類。「他は、相変わらず阿呆な♪健さん♪と♪文太♪が、阿呆なことをしているだけで」
読者。「だから、喧嘩を売るな」
唐類。「だって、こいつら本当に阿呆なんやで。人間よりも豪華な食事をしていると怒って犬のキャン玉サロンパスをぶっかけたり」
読者。「それは、脚本だから」
唐類。「それに、新聞少年のひき逃げ現場を目撃した健さんは、犯人の唐沢親分のいる組事務所に怒鳴りこんで傷害事件を起したり」
読者。「それも、当然のことだし。それにしても唐沢組でっか? 親近感わきますでしょ」
唐類。「はいな。この頃からわてと健さんは義兄弟だったかと思うと嬉しくて」
読者。「だから、敵だし」
唐類。「それにしても、マキノ監督も工夫がないっちゅうか、何ちゅうか」
読者。「どこが?」
唐類。「だから、最後、キック・ボクシングの試合に勝って、帰ってくると、自分のお世話になっている組がガソリンを撒かれて、唐沢組に放火されているんや。大体それが、終わりから十分前。これが出てくると、殴りこみに急展開や。この映画でも、唐沢組に殴りこんで、十一人切りの大暴れや」
読者。「し方がないわな。それが映画のヒットの王道なんやから」
唐類。「にしても、たまには少し変えるとか」
読者。「例えば?」
唐類。「例えば灯油にするとか」
ビシ。
読者。「そっちかい」

唐類。「この作品に関しては、他にネタがないんでここまで。で、話は飛んで、どこの映画会社でも良いんでやんすが、お願いがありやす。『単騎千里を走る』の監督はんが見て感動したという『君よ憤怒の河を渉れ』のDVDをみたいと思ったんですが、どこも発売しとらんようです。どこぞで発売しておくれやす。小説(西村寿行、徳間文庫)は、新装版が出ていたので買ったがな。滅茶苦茶展開が早くて、面白かったが」
読者。「随分旧い映画やもんなあ」
唐類。「それに、チャン監督は、わてと同じ脳みそをしておるような気がするから、その監督が感動した作品なら、今後、参考になるかもしれん」
読者。「どういうこっちゃ?」
唐類。「今発売中のPresidentに載っていたんや。わての健さんのインタビューが。その中で、この監督はん、毎日、その日の撮影が終わってから、明日の脚本を書いていたんやて。阿呆やろ」
読者。「でも、大筋は決まっていて、細かい所を修正していたって、書いてありますがな。それでも、折角覚えた台詞ががガンガン変わってしまうんで、かなりしんどかったって」
唐類。「だから、そこはわても同じや。細かいところを丹念に書いてあって、それを使っておれば、リアリティはでるんじゃが、それじゃあ、ガンガン、アクセス数は落ちるから、しょうがなくて、一人称から三人称に飛ぶようなハチャメチャな作風になってしもうたんやが」
読者。「リアリティのないのは、そこだけやありまへんがな。小夜と共犯らしき人間と、関係ない人間の死体に関しても、死因が書いてありませんやんか。こんなの、推理小説とも呼べんがな」
唐類。「それは、はっきり言って、わてもショックやった。昨日、初めて読み返して気がついた。真っ青になったが。きっと、この辺から正常な精神状態ではなくなっておったな。いわゆるテンパッテルってやっちゃ。まあ、あと一回やから、その点は黙っとき」
読者。「読み返すくらい、毎回やれーよ」
唐類。「でへ。そんなこと、B型に要求すな」
読者。「最悪。それより、映画撮影の時、健さんも毎回、大量の台詞を覚えるのは大変やったろなあ」
唐類。「そやな。もう、かなりの年なのに」
読者。「だから、喧嘩は売るな。それ以上は言うな。俳優はイメージが大切なんだから」 
唐類。「そやった。わても、実は、毎回冷や冷やなんだが。でも見逃してもらえるのは、今のところ最強の素人やからか? 最凶かも知れんが」
読者。「永久にだろうが」
唐類。「ぐ」


『無宿(やどなし)』(斎藤耕一監督&勝プロ)
S49年公開。
内容。大正時代?(バルチック艦隊が出てくるので、第1次大戦前?)
出演。勝新太郎高倉健安藤昇藤間紫荒木道子山城新伍中谷一郎大滝秀治殿山泰司神津善行、石橋連司、他。

唐類。「先週、どこかの馬鹿が今週分までコピペして、アップしてしまったので」
読者。「お前だろうが。他に誰がいるっちゅうんじゃ。ったく、いい加減のきわみのB型が。[来週は『無宿』の予定]と書いた後を一行空けておけば良かったんだよ」
唐類。「つうことで、今回はネタがないので、極めて簡単な梗概。時代は大正? 駒弦(勝新)と錠吉(健さん)が刑務所からでてきますのや。二人は、サキエを、昔の言葉で言う女郎宿から救い出し、三人で旅に出るのや。しかし、錠吉の目的は因縁の相手を殺すことで、駒弦の目的は山陰の海岸に沈むバルチック艦隊の船の中からお宝を探すこと。普通は、ここで二人の人生は分かれてしまうのやけど、そこは、映画で、目的を達した錠吉が、人生の目標を見失って駒弦の所にやってくるんや。この時の勝新が良いなあ。初めて恋した女のように恥らって、まともに相手の目を見れないのや」
読者。「五十年前のあんさんのように?」
唐類。「煩い。で、三人で交代で海に潜って宝捜しをするのやけど、錠吉の命を狙うやくざが追いかけて来ますのや。その後、大暴れするのを期待したんやけど……」
読者。「なんや、歯に衣を着せたような」
唐類。「だから、最後が尻切れとんぼだったのや。大詰めにきて勝新が殺された後、マキノ監督なら敵の組員を皆殺しにするところを、一発の銃弾で健さんまでやられてしまうのや」
読者。「きっと、黒澤明のような芸術路線を狙ったんやおまへんか?」
唐類。「かもな。でも芸術路線は不発に終わることの方が多いんや。この作品も、最後が殴りこみ、大暴れならもっとヒットしたんだろうけど……」
読者。「ほんに芸術路線は難しいなあ」

唐類。「それより、この監督さんは、本当に映像に凝ってますなあ。全てのカットが絵になっておる。柱と柱の間の健さん、障子の穴から覗く健さん、トンネルを歩く健さん、海辺の砂浜の中に佇む健さん。どれ一つとっても溜息がでま」
読者。「きっと時間をかけて撮影したんでしょうな。ま、それが普通やが」

唐類。「ところで、先週、パソコン教室で、時事ネタを使えばアクセスが増えると教わりましたがな(例えば、゛ザラ場の歩き方"の中の、゛堀江の拳"など)。そこで、健さん以外のビデオで、時事ネタと思われるものを紹介しま」

『仁義』シリーズ。中でも第1巻。立原あゆみ原作、長谷川計監督、竹内力主演。極道好きの脳タリンの読者にもわかる株の情報満載。
『借金王』哀川翔主演。極道好きの脳タリンの読者にもわかる土地取引の話。『ナニワ金融伝』風。
『新・極道渡世の素敵な面々、2(きりとりブルース)』安部譲二原作。和泉聖治監督。北村一輝主演。消費者金融の借金取りの話や。内容は、聞くな。
≪読者≫。「一応、さわりだけでも」
作者。「聞くな。北村一輝が出ているだけで、わては良いのや。北村一輝は今、旬やから。北村一輝が走る、荒い息をつく、暴れる、目をつぶる、目を開く、全部良いんや。ツバが飛ぶ。北村一輝のツバが、ツバが」
ビシ。

さらに、ヴィデオ以外の健さん情報。
2月13日号の『President』。健さんのインタビューと健さん特集。涎が出そうな健さんの写真がどっさり。
ビシ。

来週の『ごくデカ』は第一話の最終回で、一週間後にアップする予定だす。(胃潰瘍で何もかけず、これから書き始めるのでな。それにシメくらいはちゃんと時間をかけて書かないとあかんので。グアムはすっとばして、佐渡で大暴れしておしまいや――。終わったら、何も考えんと、焼酎を浴びるほど呑んで、こんなハチャメチャな作品のことは忘れて、★映画になりそうな作品★の執筆に行くで――)。二週間後には、『網走番外地・決闘零下三十度』『総長への道』の紹介にゆく予定や。



唐類、コメント。ここから後は、来週の『ごくデカ』の頭につける予定でしたが、ファイルが重くなって開くのに時間がかかりそうなので、今週、着けちゃいやす。

唐類。「いよ、いよ、今週は『ごくデカ』第1話も最終回でんがな。嬉しいなあ。終わったら、まる1日寝るぞ――。それから、健さんの最新作も見にいって、スクリーンにキスするぞ――」
読者。「ええ、もう終わりにするんでっかいな? まだ出版の"し"の字もないのに。それに、第二部もやるぜ、なんて宣言したのに」
唐類。「気が変わったのじゃ。約二ケ月連載してきただけでも、、夜は眠れないし、無理して眠ろうとして、寝酒を飲むようになって、ついつい呑みすぎで、一月で十五キロも太ってしまって」
読者。「すると、また、八十キロでっかいな」
唐類。「煩い。まだ、そこまでは行ってないわ。それに、昼間も寝不足で、天ぷらの火を消し忘れたり、仕事の資料を入力していて、全部削除してしまったり」
読者。「それは純粋にボケちゃいます?」
唐類。「煩い。ここらで止めないと、ストレスで潰れるわ。仕事もほっぽらかしておったし」
読者。「なるほど。つうことは、最後まで最強の素人で」
唐類。「煩い。またスリム・ボディに戻ったら、復活するぜい」
読者。「言うても65キロじゃろうが」
唐類。「煩い」

唐類。「ここで、パソコン教室の先生に紹介してもらった、゛ブログでアクセスを稼ぐ秘訣"を紹介するぜい。『ザラ場の歩き方』のほか、『ロマンの木曜日』住正徳彩文館出版)。これは、人のやらないことをやるって点で、参考になったぜい。何しろ、『ラーメン代の代わりにお皿を洗わせてもらう』とか、『1日で何キロ太れるか』なんて、どうしようもないことをやってる馬鹿な奴や。それと、『溺死寸前絵日記』ケイスケ(双葉社)。これは、自分の惨めさを白状すればアクセスは伸るって点で参考になったが」
読者。「例えば、B級作家であると白状するとか?」
唐類。「そうや。自分ではそうは思ってないが、B級作家って言葉を出したとたんにアクセス伸びたぜ」
読者。「まあねえ、自分ではそう思ってなくても、読者は思って」
ビシ。
唐類。「それから、健さんを出せばアクセスは伸びるってことが分かったから、小説は当分載せないけど、健さんの映画紹介はずっと続けるぜ。健さんの名前出しただけで、小説の時よりアクセスが十倍はあったんじゃ」
読者。「本当は、有名人なら誰でも良いんでっしゃろ」
唐類。「本音を言うな」

唐類。「あと、パソコン教室の先生とわてのお勧めの本。『おもしろくても理科』(清水義範著、西原理恵子・え、講談社)の中の、西原理恵子の方」
読者。「限定でっかいな?」
唐類。「はいな。『恨ミシュラン』とか『サイバラ茸』とかもやっていて、とにかく、もんのすごい馬鹿」
読者。「だから、喧嘩を売るな」
唐類。「だって、自己紹介からして阿呆――幼少の頃よりシンナーを愛飲。思春期のおり、交通事故にて、後頭部を強打しており、とても頭が悪い」
読者。「だから、それはネタで」
唐類。「そうとも言えん。中にもこういう記述がある――だいたい理科の事を知ってて米のめしがくえるかっ。あたしゃこの年になっても九九がいえんけど、年収はあるぞっ――とか――清水、ここまでのページで何人の読者がだつらくしたと思う? 読ませてなんぼぞー、この商売は――など」
読者。「たしかに。でも、元気は貰えまんなあ」
唐類。「じゃろう。だから、わても、休養している間に西原理恵子を乱読して、体力を補充しまんのや。体力がなきゃ、掟破りはできん」