人工衛星をタダで

karamari2006-05-21

人工衛星をタダで。
先日の新聞に次のような記事がでていました。
宇宙航空研究開発機構が、H2Aロケットを打ち上げる際、空スペースに小型人工衛星を搭載し、無料で打ち上げをしてくれる。重量は50キログラムまで。だがまだ問い合わせがない”

参考までに、”日本初の衛星『おおすみ』は24キロ。その後、すぐに60−70キロに増えた”
つうことは、現在活躍している『ひまわり』は、すでに重量オーバー?
なんか、耳に痛い言葉だけど。
でもって、記事の最後には、”小さくてもオーロラ観測などで成果をあげた衛星は過去にある”とある。
では、観測用なら、可能なのか?
例えば、オゾン層の破壊とか光科学スモックの研究とか。
と、考えておりましたら、知り合いに一人該当する奴がおりました。農業関係の大学に行っているので、早速質問してみました。
私。「ねえ、あんたの大学で無料でオゾン層の破壊なんかの研究用に人工衛星をうち上げてもらうって話はでないの?」
知り合い。「あんたねえ、人工衛星って間単に言うけど、宇宙空間でちゃんと機能して、地球に情報を送り届けられる装置を搭載しなきゃだめなんだよ。それができるくらいの物を造る乗って、大変なんだぜ。それも50キロ以内でなきゃだめなんでしょ」
私。(ちゃんと話題になってんじゃん)
  「でもさあ、工学部だってあるんだから、そっちの研究室と協力してさあ」
知り合い。「あのねえ、工学部はコンピューターとかロボットとか、自分の興味ある研究をしたくて研究室を構えているわけ。なんで、人の研究室の研究のために、多くの時間と金をかけて人工衛星を作ってくれなきゃあかんの?」
私。「そうかあ。人工衛星を造るのって、そんなに金がかかるんだ」
知り合い。「かかると思うよ。おもちゃの飛行機をつくるのとは訳が違うの。それにさあ、使い捨てだとは言っても、推進装置はつけなくちゃいけないし、燃料だって一年分くらいは必要、姿勢制御装置も必要、地球に情報を送る送信装置も必要。それだけで半分くらいはいくわね。そしたら、残りは25キロ。おおすみ程度じゃん」
私。納得。
/
つまり、小型の人工衛星ではかなりむずかしいと。あるいは、工学部と他の学部、両方の満足できる研究でないと、協力はむずかしいと。あるいは、宣伝のために、どこかの企業に応援を頼む方法もある?
/
 ここで、インターバル。
人工衛星って何と何でできているんだろう?”
 H2Aロケットが衛星を放出まではしてくれるのだから、周回軌道を保って、自分の姿勢制御だけ出来て、地球に観測データを送信できる機能さえあれば良い。姿勢制御はジャイロコンパスで大丈夫だろうし。ジャイロコンパスくらい、昔のヒーローの愛車(スーパージェッターは流星号仮面ライダーはバイク)にも搭載されていたような気がするけど。
『知恵蔵2006』で調べてみました。
『エイロス(ALOS)』
 重さ4tなので、50キロ制限よりはかなり重いけど、参考までに内容を検討。 
 ――2005年12月に種子島宇宙センターからH2Aロケットで打ち上げられた(この本ではまだ予定と書いてあるけど、成功したよね?)日本の陸域観測技術衛星地球観測衛星の一つ。軌道高度は約700キロ。可視光・近赤外線領域を感知する光学センサーとマイクロ波の反射を使って地形などをとらえる合成開口レーダーを備える。光学センサーは地上で2.5mの物体を見分ける高い分解能を持つ(米国のランドサットの分解能は30m、フランスのスポットは10m)。合成開口レーダーの分解能はやや落ちるが、マイクロ波は雲などに影響をうけずに、昼夜を問わず、あらゆる天候での観測が可能になり、2万5000分の1の等高線付きの世界地図を容易に作ることができるようになる――。
 まあ、すごいようだけど、これの小さい規模だと思えばよいわけね。はいはい。
/
 では、工学部で、独自に小型の人工衛星を打ち上げているところはないか?
 そう思って、『知恵蔵2006』で調べてみました。→ありました『キューブサット
 内容は次。
 ――東京大学東京工業大学など4カ国の学生らが手作りした世界最小級の人工衛星6個が2003年6月30日、ロシアのプレセーツク宇宙基地からの打ち上げに成功した。これらの衛星は世界で50以上の大学が取り組む『キューブサット』プロジェクトの第一陣で、アマチュアでも宇宙に手が届く時代になると期待されている――。
 つまり、こういう団体に呼びかけて、そこが応えれば、学生の手作りの衛星が搭載可能だと。
/
 観測衛星については、上の方法で問題解決したので、次。
 新聞記事にあった、”宇宙開発の人材、産業を育てる狙い”との記事を大幅に拡大解釈して、研究を抜きの方向ではどうだろう?(これは、あくまでもアイデア。小説の世界です)
/

1.オゾン層破壊など、研究または観測用衛星。
 これは、あくまでも、器(人工衛星)をどこかが製作してくれるという仮定の話だけど。
 前に、『デセプション・ポイント』を読んだときに、たしか、衛星で”巨大隕石”を発見したとの記事があったべ。ネタばれをしてしまうと、地球上では誕生不可能なくらい巨大な外骨格を持つ節足動物が入った隕石が発見された、との設定。
 まあ、これは、NASAが予算を獲得するための偽装だと最後に判明するの。もっとネタばれしてしまうと、昔、偶然ではあるが、深海で、偶然に巨大な外骨格をもつ節足動物が誕生して、それが隕石とそっくりの組成の巨大な岩の中に存在していた。
 そんでもって、その岩は、海底火山の噴火でできたもので、重力の法則に従わずに、無重力空間でできたのと似た組成だった。だから、NASAは、それを海底から氷の湖に移動し、隕石だと発表した。で、それを発見したのがNASA人工衛星だとも発表した。
 さらに、ネタばれをしてしまうと、実は、それを発見したのは、ある科学者であり、その時期、NASAの地上観測衛星は故障していた。
 まあ、この地上観測衛星が50キロ以下かどうかは不明であるが、人工衛星には、未知の物体の発見をするくらいの能力はありそう。
/

2.カーナビの会社を作る。
 カーナビは、4台の衛星でワンセットになっていて、現在は、米の打ち上げた24ケ(6セット)の人工衛星を使って運用がされているんだとか。その6セットは、地球を縦方向に周回しているわけ。つまり、みかんを縦に6等分した時の状態だよね。
 で、ここからが本題。将来ナビの会社を作りたかったら、毎年一台づつ無料で打ち上げてもらって、24年後から運用を始めればいいってことになる。まあ、24年間燃料が持てば、の話だけど。(ここは、笑うところだからね)
/
 では、過去にスペースシャトルで行った実験からヒントをもらうことはできないか?
 いくつか考察してみました。
5.毛利さんが、テレビで話していた内容から。
 宇宙飛行士の毛利さんが、スペースシャトルで行ったのは均一な合金を作ることだったのです。例えば、YAG(イットリウム、アルミニウム、ガーネット)合金。
 これは、レーザー光線を発射させる重要な合金なのですが、地球で作ると、重力があるので、どうしても下の方に重い材質が溜った不均一な合金ができてしまうんですって。ですから、均一な合金は宇宙で作るしかない。
 これは、当然ながら、どこかの企業が大きい投資をしてすでにやっていると思うので、ここではカット。
/
6.向井さんが宇宙でやったのは、めだかの実験。
  今まで重力のないところでは、背骨は発生できないといわれていたので、その真偽を確かめたのだとか。で、結果は発生した。
 そのニュースを見ていて、私が思いついたのは、次のアイデア(あくまでも、小説のネタね)
 宇宙空間に完全なリサイクル空間を作って、その中でめだかを育てる。上の写真のようにね(イメージだからね)。
 これは、菅浩江の小説には良く登場する設定。
 まあ、生き物だからかなりきびしいものがあるけど、一年くらいの日程で、ソーラー・セイルで地球周回軌道を回り、最後にスペースシャトルで回収してもらうってのはどう?
 ソーラー・セイルの説明は次。
 ――太陽の光を巨大な帆で反射しながら、宇宙を航行する方式の宇宙推進。現在使われている固体燃料や液体燃料のいわゆる「科学燃料」を使わない新方式の推進方法として、20世紀初めから提案されており、1980年代のハレー彗星へのソーラー・セイル計画(NASAJPL)や90年代の国際的な月ヨット・レースなど、実現できなかったが注目をあつめたことがある。(中略)2001年4月には、日本の宇宙科学研究所(当時)で、ソーラー・セイルのワーキング・グループが発足し、04年8月には小型ロケットから直径10mの薄膜帆を展開することに成功した。(後略)ーー
/
7.土井さんは、ロシアの宇宙船・ミールとドッキングした。
 ミールの宇宙飛行士は二年間も宇宙に滞在するんだとか。
 そこで、最後のアイデア。宇宙滞在者に励ましのお手紙を渡す。
 どうせ回収しないし、使い捨ての人工衛星なら、何に使ってもよいのでは?日本中の中高生に呼びかけて、英語でお手紙を書いてもらって(小学生でも英語ができれば参加可能)、ミールにいる宇宙飛行士さんたちに配達してあげるってのはどう?どこに何日の何時頃に放出するかは無線で知らせて。放出したら、人工のイルミネーションの羽が開くようにすれば、地球でも見れる?
 ついでに言ってしまうけど、宇宙航空研究開発機構の宣伝になるんだから、小型の人工衛星も自分のところで作ってくれれば良いと思うのだけど。 
/
 そう言えば、私の『昭和探偵伝・絆』のスタートもスプートニク人工衛星を打ち出した日。この人工衛星にはライカ犬が乗せられていたんだよね。
 ライカ犬の最後は、餌と一緒に多めの睡眠薬が入っていたのだとか。聞いただけで泣いちゃう話だけど、ライカ犬を扱った小説では、加納朋子の『魔法飛行』(創元推理)の中の『秋りんりんりん』が最高だわね。お勧め。

 *人工衛星に詳しい人、コメントくださーーい。詳しくない人のハチャメチャなアイデアでもよいけど。

追伸。
 ところで、全然関係ないんだけど、宇宙空間を題材とした映画では、『ザスーラ』がメチャメチャ面白い。
 『ジュマンジ』の監督の第二段なんだけど、科学的な要素を全て無視しているところが、超新鮮。
 例えば、ゲームでいきなり宇宙空間に家が投げ出されてしまうのだけど、自分の体は重力にひかれて、ちゃんと床の上に立っているのだけど、ツバがふわふわと宇宙空間を漂い出したり、密閉されていない家なのに、空気が逃げないでいたり、とにかく、滅茶苦茶で面白い。
 ところで、この映画の最初の部分(タイトル・バック)、超手抜きなんだけど、面白い。紙芝居か切り紙細工を手で動かした程度。これくらいのタイトル・バックなら私でも撮影できるぜ。と言う訳で、そのうちに、”FLASH"を買って、『昭和探偵伝・絆』のタイトル・バックくらいは自分で映像化するかも。いや、その前に漫画化かな?
/ 
以上、自分の小説の宣伝でした。