中国報告

『昭和探偵伝』のアップは来週の予定です。今日は中国(北京)の感想を。
1日目。飛行時間4時間くらいで、北京空港着。時差は一時間、飛行時間も短いので、体は、超楽です。北京空港を出ると、いきなり交通整理の言葉と叫び声と警笛の渦が襲ってきて、唖然です。何といったら良いのだろう。エネルギーが有り余っているって感じですね。丁度、日本の東京オリンピック前の雰囲気です。シンガポールへ行った時も感じましたが、種種雑多な民族が観光やビジネスで入り混じっていると(シンガポールなんて、インドやパキスタンインドネシアの中学生が修学旅行で来るんだぜ)、成長過程独特の雰囲気がありますねえ。
良いですねえ。頭打ちで、ストレス満載で、ちょっとクラクションを鳴らしただけで喧嘩が起こる日本とは大違いですねえ。
時速80キロくらいで走ってくる車に、堂々と自転車や人間が突っ込んできます。対等に渡りあっているっていうか、タイマンを張っているっていうか。ガイドさんも言ってました。「北京では道を歩くのは勇気のあるほうが勝つ」と。
まるでニューヨークっ子みたいですねえ。強いて言えば、北京人気質か? 断っておきますが、北京原人気質ではありません。
東京オリンピックの前の雰囲気と言いましたが、映画で言えば、北京の中心は現代そのもので、ちょっと外れると、フートンという「三町目の夕日」や「佐賀のがばいばあちゃん」の世界があります。共存しているといってもよいかな?
フートンは自分の育った田舎を思い出させて、良いですねえ。『トトロ』の世界っつうか、『僕夏』の世界っつうか、『花田少年史』の世界っつうか、そこはかとなく郷愁の漂う世界へ、すこーんとタイムトラベルできて、感動でしたねえ。

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では、ここからは対話形式で。
A.北京へ行ってきたぜ。北京市だけで、四国と同じくらいの面積があるんやて。まさに、デッカイどう。北海道、やで。
B。だから、目的語が違うって。強いて言えば、でっかいどう。北京だどう、だろうが。
A。さぶ。
B。お前が言わせたんだろうが。
A。で、ついてすぐにフートンていう昔々の町並みの残っているところを輪タクで見学したんじゃが、これがまた凄いんや。輪タクの運転手はアクロバット走行をするんや。柵を飛び越えたり。
B。はいはい。柵を倒すように際どくカーブしたり、角を突っ切るんだね。
A。何でわかるんや?
B。何でも良いが。先。次は景山公園へ行ったんだな。
A。そや。そこがまた凄いんや。
B。はい。話十分の一に聞くから、先へ。
A。ほなら、言うけど、ここには金魚や錦鯉の水槽が沢山あって、中にいる金魚は脳みそが多いんや。
B。話でもするんか?
A。良くわかるなあ。わてが、ランチュウみたいなぶさいくな金魚がいたから、正直に「ぶさいく」って声をかけたら、「でぶ」って返してきよった。生意気だよな。金魚のくせに、日本語まで話せるなんて。
B。はいはい。じゃあ、今度はもっと難しい日本語で話したらどうや?
A。そやな。「お前の母さん、でXX」とか。
B。次。
A。次は、北京ダックの有名な店でお食事をして、足ツボマッサージをしてもらって、ホテルやな。北京ダックのコースもおいしかったし、足ツボも疲れが取れたし、ホテルも快適だったが。
B。グランド・ハイアット北京にとまったんやな。
A。そや。さすがに5つ星や。掃除も従業員の仕事ぶりも一流や。それに、心使いっつうか、気遣いが嬉しいね。
B。どんな?
A。だからあ、中国に来たといっても、ホテルにいる時くらいは懐かしさに浸りたいやんか。
B。まあな。
A。だから、ヨーロッパ人のお客が多い時は、ヨーロッパの映画音楽をさりげなく流したり、日本人が多い時は、日本のヒット曲を流したりしてくれるんやろなあ。多分。わてらがラウンジのバーで飲んでいた時は、トトロが流れてきたんや。感涙だったぜ。
B。はいはい。さしずめ、アメリカ人だったら、ディズニーで、フランス人やったら『太陽がいっぱい』か?
A。旧いなあ。せめて、『ピンクパンサー』とか。
B。あまり違わないやんか。まあ、一時間に一度でも日本のヒット曲が流れたら嬉しいわなあ。次。
A。次は二日目。万里の長城やな。ここも、北京の中心から一番近いところまで車で行ったんやが、一時間半かかったんや。でも、今は観光名所になっている所までは、ロープウエイになっているから、超楽だったぜ。歩いてゆけば、三時間かかる距離を5分で移動完了や。で、途中でロープウエイを降りて、100メートルくらいの距離は階段を登るんや。これが急勾配で、スリルやったなあ。
B。観光名所になっているところと、そうでない所の違いは何や?
A。だから、観光名所とは、トイレの沢山ある所や。中国でトイレは、厠で、観光名所には沢山あって、水洗やから綺麗やけど。
B。棘のある言い方やなあ。
A。まあな。カギを取り付けた形跡はあるんだが、壊れたままのところが多いな。一流ホテルは違うぜ。あくまでも田舎のトイレだから。田舎のトイレは水洗で、エアーの乾燥機はあるんやけど、カギと紙がないのが多いなあ。ティッシュとミニサイズの割り箸が必要やな。あるいは、トイレ専用相棒を確保するとか。
B。まあ、女同志の旅行とかだったら交代ですれば、大丈夫やろ。次。
A。次は明の13稜やな。これも、超広大なスケールだったなあ。13のお墓があるんやけど、お墓とお墓の距離が2キロもあるとか。とにかく、スケールがでっかい。でっかいどう。北海道、とか。
B。疲れた。バカは相手に出来ない。次。


A。次は天安門広場紫禁城とイ和園(ご免、イはパソコンに漢字がない)だなや。紫禁城の中の宝物殿は改装中で、中の宝物は日本に来て巡回しているらしいけど(現時点では高島屋?)、建物だけを見るんでも壮大やったなあ。どこもここも広くて。
B。天安門広場はよく写真で見るから知っているけど、紫禁城とか、イ和園ってのは、どのくらい広いんや?
A。広いで。紫禁城なんて、昔の江戸城大阪城を合わせたよりも広くて。
B。余計に判りにくいって。あれやろ。つまり、日本の平安京、うーんと、平安時代の御所みたいな奴やろ。前の方は政治を行う場所で、後ろが後宮になっているって奴。そんで、その周りに役人たちが住んでいて。
A。だから、江戸城大阪城を合わせたくらいのサイズの。
B。こだわるなあ。でも、大陸は土地が広いから一つ一つの建物の間が日本の数倍はあるんだろ?
A。そうや。例えば、葵の上が、桐壺をやっつけようと思って、チャングムにおしっこを撒けと命令しても紫禁城の廊下は幾つもありすぎて。
B。待て待て。三つの国がごっちゃになっておるぞ。まず、葵の上と桐壺っつうのは、『源氏物語』の登場人物で、葵の上が光源氏の父(桐壺帝)の正妻で、桐壺は、側室でもずっと下の階級の女やな。
A。そや。葵の上は桐壺の美貌を妬んで部下に妨害工作をさせたのや。その一つが、”廊下におしっこ”プロジェクトで、この作戦がけっこう功を奏したんや。
B。判った。でも、チャングムっつうのは、韓国の宮廷番組の登場人物で、おまけに良い役や。悪役ではのうて。
A。だからあ、例えばの話や。チャングムみたいな危なっかしい仕事を率先して引き受ける部下って意味や。
B。まあな。チャングムはアホやからな。「これは危険だから絶対にするな」といわれると、逆に目をらんらんと輝かして、絶対にやるもんな。
A。そやろ。だから、つうか、ここで話を戻すけど、例えば、チャングムみたいな無鉄砲な女官が廊下におしっこを撒いても、建物が広すぎて、廊下も何重にもあって、いくらでも迂回できるから、無駄やって話や。つまりそれくらい広いという意味や。それに建物も幾つもありすぎて、走っても、遠すぎて途中でへたばってしまうんや。
B。体力勝負やな。
A。やっと意見があったな。

B。別に嬉しくはないけど。それより、イ和園というのは何や?
A。西太后の夏の離宮や。海のそばで最高に最高や。
B。だから、具体的に。
A。そやな。例えば京劇を演じる建物があって、これが中国楽器の音が響き渡って最高なんや。わてらが行った時は、女子十二楽坊ならぬ、男女五楽坊が演奏をしていたんじゃが、うっとりするような音色じゃった。
B。だから、いきなり老人言葉になるな。次。
A。次かあ?そや。西太后のファッションが気に入ったなあ。付け爪をつけとるんや。それも、超長い奴。それに、ピアスもしとったし、中々お洒落、っつうか、時代の最先端レディだったんやな。映画では魔女みたいに描かれておるけど。
B。まあな。映画はデフォルメせんとヒットせんからな。他に面白かった物。
A。そやなあ、京劇と少林寺拳法劇を見たんだが、後者のほうが面白かったかな?
B。京劇は今一だったんかいな?
A。うん。動きは派手で面白いんじゃが、翻訳が抑揚のない声で、ちょっとなあ。あれはやっぱり、綾小路きみまろとか、今人気のある芸人を採用するほうが面白くなると思うなあ。例えば、「京劇の女優は鍛えられた肉体でないと務まりません。そこの、あなた。その三段腹では無理ですよ。昔のお嬢さん」とか。
B。二人のタレントが入り混じってないか?
*『ターミナル』を見ていて自分の中で何かが変化したので、ここから数行は削除。本当は、『昭和探偵伝』第二部のサブタイトルが”心の中”でコンセプトが”人間の心は一重ではない”なので、後を引くふりをしていたほうが、ネットの中では話題になり、最終的には利口なのだけど、色色とあるでしょうから、ここら辺で休憩*

A。ブログを始めて一年でここまで来たんや。一年後には、第二のラリー・ペイジかサーゲイ・ブリンになっているぜい。
B。誰や、その二人は?
A。グーグルの創始者や。つまり、グーグルみたいなネット専門会社を立ち上げて、広告収入で高額納税者を狙おうかなって思っているんや。知ってるか?グーグルの年間広告収益、61億3900万ドル(2005年)やで。
B。なんや、急に。またまたどーんと話が飛んだがな。
A。だからあ、飛行機の中で、「グーグルのすごい考え方」(ニ村高史、三笠文庫)って本を読んだんや。そしたら、グーグルが、マイナーな商品を低コストで広告したのと、中国に進出してから広告収益がドアップしたって書いてあったんや。そう言われれば、中国の人口は13億や。1割の人間がネットをしたとしても、日本の全人口がネットをしていることになるんや。だから、わてもこれから中国語を勉強して、将来は中国進出を、と思うてるんや。
B。それよか、日本のマイナーな商品とか地方の特産品を低価格で日本の中で広告したほうが、手っ取り早くビジネスになるんと違うか?
A。うーん、それはテレビ東京の番組(WBS)を見ていてわても感じたが、コンテンツがなあ。
B。コンテンツって何や?
A。内容や。今の所、女性向だったら占かなあ、とは思っているんだけど。占のサイトはあまりに多すぎてなあ。それに、毎回、大量のリンクを張ってもらわんと、グーグルのトップにゆかないし。勉強することが多くて、すぐには始められんわ。
B。まあな。君は今、小殺界の時期だから、知識を吸収するほうに専念したほうが良いのかもな。
A。言えるわ。ということで、各方面で私を応援してくださる方々、本当はご挨拶に伺いたいのですが、もう少し(一年くらい?)待って下され。大量のリンクを張れる方法をみつけて、確実にグーグルのトップにゆけて、安定して広告収入が得られるという自信がついたら、本格的に会社を立ち上げて、ご挨拶に伺いますので。何しろ、まだブログを始めて一年しか経っておらず、知らないことが多すぎるので。

B。ところで、9月6日の読売に、二年後のオリンピックまでに多くのフートンを廃止してマンションを建てる計画が進行中だとあったが。
A。そうだねえ。私、個人では、あれは情緒があって好きなので、できれば、道路とか壁とかの改修をまずやって、建物は残して欲しいけど。まあ、国策とあれば、し方がないかなあ。無味乾燥なマンションよりは、へちまの木陰があって、金魚や犬のいる昔ながらの庭のほうが、懐かしいが。
B。そやなあ、日本でも、ビルばっかりになってしまった新宿なんぞは、観光客は減って、京都とか浅草とか岐阜の田舎とか熊野の山奥のほうが人気があるもんなあ。
A。そや。でも、今ならいくらでも懐かしい中国(30年代の日本に良く似ている)は見れるがな。すぐにでも旅行社に電話して、北京4日間の旅行をすることをお勧めするがな。11月からは寒くなるらしいから。私の紹介したルートを巡って、最後の1日は王府井(ワンフーチン)をぶらつけば、中国が発展しつつある訳がわかると思う。ワンフーチンは原宿と渋谷と銀座を合わせたような繁華街で、とに角刺激が多いから。それに、中国人のバイタリティには圧倒されるから。日本もあれくらいバイタリティがあればなあ。まあ、逆な見方をすれば、13億の開発途中の巨大マーケットがそこにあるんだから、進出の可能性を探らないのもバカだし。つまり、北京に行けば、何かがみつかるってことや。昭和30年代の成長期の日本人が持っていて、今は見失ってしまったものが、ね。それから物価も安いから、ショッピングするだけに行っても良いし。日本の有名メーカーの化粧品なんかも、大体三割〜五割くらい安いし。日本料理のレストランも同じくらい安いし。私たちの食べたのは建国門駅そばのホテルニューオータニ長富宮(中国名は長富宮飯店)の中の桜ってレストランだったけど、庭が宮廷の庭みたいで、景色もすばらしかったなあ。そや。どうせなら、着物を持っていってワンフーチンをそぞろ歩くことをお勧めする。そうすれば、目立つこと間違いなし。

B。まあ、中国のバイタリティに感動してでっかい仕事を始めようとするのはいいけど、ビジネスマンを目指すなら新聞の経済面くらいは見ろや。
A。そや、そや。経済面くらいは、最近は見てるが。でも、それも頭の痛いことや。
B。どこが?
A。だから、最近は、できるだけ多くの情報を得たいと思って、読売だけでなく、日経や産経まで買うようになってしもうた。以前はテレビ覧しか見なかった私が。嘆かわしいことじゃ。
B。何で? 仕事で上を目指す人間の普通の姿や。
A。それは頭ではわかるが、実際には、小説を書く時間が足りなくなってしもうた。私は小説家や。小説家はきっちりとストーリーを練って、間違いのない字を書くように、ちゃんと辞書もひかんといかんし。
B。まあな。一応小説で稼いでいる人間は、な。だが、あんさんは、まだ趣味の段階だし。
A。煩いわ。

追伸。
京劇の翻訳で思いついたんだけど、歌舞伎や能も、綾小路きみまろみたいな喋りの上手い人に、前節とか幕間のダベリとかを入れてもらったらどうでしょうか? 中で喋っている言葉を現代語訳にしても良いし。例えばこんな風に。
「今日は、沢山の超厚塗り美人の方が多いようですので、空調さん、冷房をきつめにお願いしますね。暑いと汗をかきますよってに。そしたら、大規模な地盤沈下と大掛かりな要壁の崩落がおこって、せっかくのブランド服が真っ白のペンキ垂れ流し状態になりますよってに」