『イルマーレ』『ストロベリーショートケークス』

イルマーレ』『ストロベリーショートケークス』他
先週は”フジサンケイグループ大和証券主催・女性起業家支援プロジェクト”の案を練っていて新作映画の紹介が少なかったので、今週もやります。”女性起業家支援プロジェクト”は、9月29日に締めきりだったけど、毎年あり、一位が350万円の賞金で、他にも100万の賞金が5名にでるのだとか。今年落ちたら、また来年挑戦するぜい。
イルマーレ
監督・アレハンドロ・アグレスティ
出演・サンドラ・ブロックキアヌ・リーブスクリストファー・プラマー、ショーレ・アグダシュルー他
内容・湖の側に建つガラス張りの家にアレックス(キアヌ)が越してくる。そこの郵便受けにケイト(サンドラ)の残した手紙が入っている。”引っ越したけど間違って郵便物が来たら、新しい住所に転送してください”と。
 しかし、友達の話では、その家は二年間空家になっていたらしい。アレックスは最初はイタズラかと思うが、試しに返事をいれてみると、自然にレバーが動いて手紙が消えたりする。で、何度か手紙をやり取りしているうちに、二年後にここに住んでいて、引っ越した女性の手紙であることが判明する。アレックスは2004年、ケイトは2006年に生きている。
 あ、その前に、伏線がある。ケイト(サンドラ)は医者で、交通事故で死んだ患者のことで、落ちこんでいる。でも、急がし過ぎて、患者の名前や顔なんて覚えていない。
 で、二人が手紙をやり取りしている間に、だんだんと時間が経ち、2004年のある日に二人が出会ったことを思い出す。というか、映画の中では、2004年に実際に出会っている。最初は、駅に本を忘れた事を教え、そこでアレックスがケイトを目撃し、二度目は、ケイトの誕生日に、妙に気が会ってしまい、ダンスをして、キスまでしてしまう。
 しかし、これが運命のイタズラであるとは気がつかず、すぐに相手を忘れ、それぞれの生きている時間に戻って、シカゴの町を、時間を超えてデートをしようと約束する。そして、あたかも、相手が隣にいるような感情を抱いて、言葉を交す(当然、手紙を介してだろうけど、この辺は、はしょってある)。
 でも、相手が時間を超えていて結ばれない相手だとわかっていても、愛してしまったので、2006年のバレンタインデーにイルマーレでデートをしようと約束する。しかし、アレックスは交通事故で死んでしまったので、現れない。
 そこで、ケイトはアレックスを忘れ、元の夫と暮らそうとデザイン事務所を探すが、そこが、アレックスの弟の事務所で、自分が前に約束したことを思いだす。
 そして、慌ててあの湖畔の家の郵便受けに、イルマーレに行くなと書いた手紙を出しにゆく。で、間に合わないかと思うが、そこは映画であるし、おまけにファンタジーであるので、間に合い、二人は抱き合う。
感想・脚本が上手い。
 普通は、二年の時間差があれば、絶対に接点はない。多分、この脚本家はファンタジー作家なのだと思う。普通、SF
作家だと、時間を戻したり、過去を修正しようとしたりするが、それもない。推理作家だと、二年の時間差は絶対に修正できないものだから、最後の時間の歪めかたは許せない。多分、アレックスは死んだと同僚に聞かされ(作品の途中で)、最後には、実は、同姓同名のアレックスだったと判明して、肝心のアレックスは二年間の植物状態から回復し、今までのストーリ―は、自分の見ていた夢か、あるいは、平行宇宙の話で、最後は抱擁シーンになるか、どっちかだと思う。
 でも、ファンタジーなんだから、これでも良いのかも。映像は美しいし、感情の流れが切ないし。
 それから、脇役で良かったのは、ショーレ・アグダシュルーの声(シャーデーに似ている)と、クリストファー・プラマー。 

『ストロベリーショートケークス』
監督・『三月のライオン』の矢崎仁司
原作・魚なん(口篇に南)キリコ(読み方は、なななん きりこ)
出演・池脇千鶴(里子)、中越典子ちひろ)、中村優子(秋代)、岩瀬塔子(塔子)他
内容・四人の若い女の子が必死に生きて行く姿。原作が魚なん(口篇に南)キリコなので、迷わずに見たのね。
 彼女は、『埋もれ木』(小栗康平)の最初でもイラストが採用されていて、一編でファンになってしまったの。その時のイラストはこうよ――『せめていっしょに踊りましょう』とわたしはあなたを誘いました。最初は距離をとって踊っていましたが、そのうち、二人とも涙を流しはじめ、体をしっかりとつけ顔を寄せ、涙を舐めあったのです――。
 最高でしょう? こっちの原作本は読んでいないので想像だけど、多分、二人は同じ相手を好きになって振られたのだと思うの。あ、そうすると、男の方はホモでないとダメだけど、ホモだって、愛されるほうの心は女だから、こういう状況は産まれると思うわ。
 でもって、ちょっとバッシングしてしまうと、『埋もれ木』の中で感情移入できたのは、このシーンだけかな? 後は、映像は綺麗だけど、心臓をえぐっていないっていうか、ちょっと甘過ぎて、砂糖菓子を舐めているよう。好き嫌いの問題だけど。
 でも、小栗監督は、『死の棘』ではカンヌ映画祭のグランプリをとっているし、良い原作があれば、傑作を生み出せる力はあると思うわ。『死の棘』で死にたいほど疲れてしまって、『埋もれ木』では映像で遊んだのね、きっと。次は魚なんキリコくらい、心臓をグサグサえぐるタイプの原作を映画化してほしいわ。
 ついでながら、矢崎監督には何の注文もありません。監督に必要な毒もスピード感も、ファンタジー性もあり、脱帽です。ええ。”猛毒”ありです。
 前置きが長くなったけど、ストーリーにゆくわね。
 主役は四人の女の子。でも4人が関わりあうシーンはないような?(ご免、最後にはあるのかも。私は、塔子が自分みたいに見えて、途中で出てきてしまったので、ラストは不明)
 まず、恋人にふられた里子(池脇)は、デリ(バリー)ヘルスの受けつけのバイトを始める。そこで働いているのが秋代。この二人はデリヘル事務所で関わりあう。私的には、秋代の最初の仕事――高層ビルの窓のそばで後ろから抱かれるシーン――が村上龍の『トパーズ』的で一番好き。でも、現実はそんな甘いものではなくて、縛られて何時間(多分)も本番をさせられたりすることもある。
 ここで、パンフには”一途に一人の男性を想い続ける秋代”と書いてあるんだけど、映画を見ただけでは、その相手が誰なのかは不明(ここちょっと不満)。
 それから、結婚願望の強いちひろ過食症イラストレーターの塔子。この二人は部屋をシェアしているので、関わりはあり。でも、ちひろと秋代の髪型と顔とスタイルが酷似しているので、時々どっちがどっちか分からなくなる。
 例えば、玉のコシを狙うちひろが相手に振られて、貧乏な恋人とセックスをするの。その時、顔の上に例の液を噴射されるんだけど、それでも、本当に好きな相手に触れられた後は、仕事で他の男に体を触れられるのが耐えられなくなるの。でも、ちひろってデリヘル嬢だっけ? OLじゃあなかったっけ? それとも、このシーンはいきなり秋代に替わったんだっけ?とここだけは疑問だったのね。 
 つまり、二人の顔とスタイルと髪があまりにも似ているので、区別がつかないのね。
 そこで、パンフレットを読んでみたら、貧乏な恋人は二人いて、ちひろの恋人が逆巻で、秋代の恋人が菊地だったの。だから、最初から居酒屋で友達どうしみたいに飲んでいたのは、菊地と化粧を落した秋代だったわけ。
 でも、居酒屋のシーンは、ずっと二人とも男言葉だから、塔子だと思っていたの。だから、ちひろが相手に振られて酒巻を呼んだシーンと、デリヘルの仕事に行って、男を拒否したシーンでは、登場人物が秋代へと替わっていたのね。
 このように、髪型と顔は似ていると分かりにくいから、できれば特徴のある顔を採用して欲しいわ。髪の長さを変えるとかね。

感想・現代の底辺(多分)で必死に生きていく女の子たちの姿がリアルで、飾りっけのない描き方で(素っ気ないくらい)描かれていて、それでいてファンタジックで、ポエジーいっぱいで、とても良かった。
 特に、イラストレータで生きて行こうとしている塔子の姿が自分に似ていて、感情移入しすぎてしまって、途中で頭が痛くなってしまったんだけど、それくらいよかった。
 わても普段はふざけて書いているふりをしているんだけど、口に指をつっこんでわざと吐き出したりしてるんやで。本当や。嘘やないで。ま、それは、冗談だけど、ブログだと、前回よりも少しでも話題を取らにゃいかんとか、少しでも読者の度肝を抜くことを書かないかん、とか。それ相応にない知恵を絞っておるんや。まあ、紙媒体で出版されている人も同じやろうけど。

 ついでながら、題材が”痛い”題材なので、映像をもう少しファンタジー風にしてもらえると嬉しい(部分的にでもよいけど)。題材が痛くて、映像もリアルだと、見ていて辛い。あまりにも感情移入をしすぎてしまうから。
 先週言い忘れたが、『ことの終わり』みたいな感じがよいかな? あっちの映像は最高だった。
 それに、とても参考になった会話もあった。
二年間ほっぽらかされていた男が女から誘われた時の会話。
――男は、二年間、女が別の男と付き合っていたことを察知していた。で、そのことを追求したのに否定された時に、こう言うの。「何で嘘をつく」。その後の女の返しが最高。「あなただって、嘘をついたわ。この店は二年ぶりでしょう?」――
 補足説明すると、男は見栄をはって、毎週その店に来ていたと言ったの。(多分高級な店なんでしょうね)
 で、結論から言うと、答えにくい質問をされた時は、それ以上に答えにくい質問を返せば、その場は凌げる。これ、女にとって、絶対に必要な話術。

 さらに、池脇千鶴の将来について。彼女は、できれば、『おばさんデカ』の市原悦子みたいな絶妙な間を身につけると、コメディでも使えるし、良いと思う。例えば、「証拠品を食うな」と注意されて「変な人」と呟く時みたいな。
 勿論、池脇ちゃんはがんばっていて、ナチュラルな演技は問題ないけど。言いにくいことを言ってしまうと、顔がちょっとコメディ向きだから。と言っても、悪い意味ではなく、他の三人がほとんど同じ顔で同じ体型であまり区別がつかなく、マネキンみたいだったので。髪を上げていてる塔子は少しは区別がついたけな。
 それに、主役4人と関係ない人が突然でてきて、これがまた同じ顔同じ体型で。その度に説明があるか、あるいは、主役の4人以外は髪を違う色に染めてくれると嬉しいんだけど。


*人生相談の続き*
 先週の『私は甘えているのでしょうか?』への突っ込みに対し、公式HPのメールフォームを通じて質問がきました。少なくとも1冊、売ったぜ。なので、今週からは、人生相談にもお答えしようと思います。
 相談のあるかたは、http://www.geocities.jp/karasawa0602/のメールフォームからどうぞ。クレームでも良いです。激しいクレームのほうが”やくみつるVS亀田興毅の父親のバトル”みたいになって、出版にむすびつくかも。
 なお、小説を書いている途中はメールを見ると落ちこむことがあるので、メールは1週間に1回しか見ません。なので、お返事は後れる可能性大です。あしからず。
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質問”村上龍の本の中に『35になってもまだ新人賞に出す勇気がありません』とあり、答えが『出さなければ始まりません』とありました。それは確かにそうです。間違いありません。でも、私はもう十数回も出しているのに、落されっぱなしです。
 それも、一次や二次落ちなので、コメントももらえません。ただ、落ちましたの通知だけです。くれない所も多いです。これでは、出しても出さなくても、全然替わりないのと同じです。どうしたら良いのでしょうか?”
答え・私・唐沢類人もそうでした。15年間新人賞に出しつづけて、コメントをもらったのは二種類の雑誌だけでしいた。
 それは、ボーイズラブのジャンルと角川NEXT賞。NEXT賞は、全員にコメントを出すと公言していたので、くれたのだと思います。反応は良かったです。タイトルは『おっぱい繚乱』で、襲われそうになると、おっぱいや他の所に牙が生えて、例のものを食いちぎるって話。マンガみたいで、次が読みたいとコメントをもらいました。しかし、戦記物を書いていて、デビュー間近で、間が開いてしまって、続きを書いている最中に(書き直しはいけないので、少しくらいのアレンジでは落される)募集自体が終わってしまいました。あ、いや、終了間際にもう一本出したかな?同じ路線の奴を。でも、読んだ人が別人だったらしく、反応は散々でした。頭にきて、その当時添削を受けていた先生に見てもらっても、同じでした――つまり、三流のどたばた小説。マンガならまだしも――その先生は歴史とかが好きで、お堅い路線なので、当然だと、後で思いました。
 つまり、新人賞では(コメントをくれる賞でも)よほどフィーリングがあわないと、無条件で落されます。落すのが仕事ですから。あ、でも、『おっぱい繚乱』は、今はマンガに直そうかと思っています。
 それと、NEXT賞は、青春大賞と名前を換えて今でも全員コメント――いや、1次を通過した人は全員がネットに載せてもらって、読者投票かな?――路線は続いているらしい。 一次さえ通過すれば、読者からコメントをもらうことは可能だと思う。
 あ、そうそう。文章の最初は肝心。『ゲド戦記』の”見えぬものこそ”みたいな、数行で相手の心を掴んでしまうキャッチコピーが最初に入っていれば、多少は読んでくれるかもしれません。
 でも通過するかどうかは、梗概を読んでまず判断しますので、月並みな題材では落されます。例えば、ミステリーでは密室物。ライトノベルでは、魔法物。純文学では、普通の恋愛物。
 この話題については、この前、ブログにアップした若桜木先生の本の中にも詳しく出ています。

★★★広告★★★★★★★★★★★★★★★★
★『プロ作家になるための四十カ条』KKベストセラーズ
若桜木先生の新刊どす★
★内容は、新人賞を獲るための実践的な方法★
★例えば、まじめに書けば獲れるかと思っていたら、そんなのは選者の記憶に残らない。数千の応募の中で記憶に残るのは、ハチャメチャな設定である。とか★
★どこかで第三次まで残った作品は、改稿すれば、又良い所まで行くと思っているが、下読みの人間は掛け持ちをしていることが多いので、一回でも目にした作品は、文句なく捨てる。とか★
★時事ネタは可能性が高いと思われそうだが、50%くらいの人間は同じことを考えるので、時事ネタだとわかった時点で捨てられる。とか★
★あるいは、綾辻の”時計館”がメガヒットし後は、50%くらいの応募が、その手のトリックになったので、梗概を読んだだけで、時計が出てくると落されたとか。とにかく、目から鱗の連続です★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
 この前は、この本を読まずに、キャッチコピーの部分だけを載せたので、ちょっと気が引けて、ちゃんと読んでみました。で、感慨深かった点。
 まず、ミステリーに出す場合、選者が密室好きだったら、密室物は絶対に落す。なぜなら、密室は出尽くしてしまっていて、今更新しいトリックは不可能だから。断っておきますが、最後まで読ませようとして、梗概で謎解きを書かないのは、文句なく落されます。それは、ルール違反。トリックに自信がない証拠だからです。
 でも、密室物は電車の時刻表トリックなんかと違って、古さを感じません。今でも料理しようによっては使えると、私は思います。つまり、密室好きな選者は、一応バカにしながらも、自分よりすごいトリックがあるかもしれないとの一縷の望みを抱いて、目を通さずにはいられないのです。
 なので、密室でひっぱって、最後は泣き落としで締めるとか。人間、自分の不得意なところを突かれると思わずホダサレる癖があるので、案外イケるかも。逆も真なりです。

 まとめると、自分の出そうと思っている賞の選者(できれば下読みの人も)の好みを徹底的に調べること。密室好きだったら、できれば、密室は避けたほうが安全。それには、過去の作品を少なくとも十年はさかのぼって読むこと。それにより、傾向がわかるし、最近取り上げられた題材も分かります。数年間の間に取り上げられたのとダブっていれば、ほぼ間違いなく落選です。
 あるいは、密室ものの好きな選者が多くいたら、密室と見せかけて泣かせ路線で落すか、泣かせ路線の好きな選者が多くいたら、泣かせと見せかけて、論理的トリックで攻めるのがベターかも。つまり、男を騙す時と同じって訳。あくまでも一つの案ですが。
 これは、ホラーでもSFでも同じです。面倒くさがらないで、過去数年の作品を読んで、傾向と対策を立ててください。
 具体的な指導は↓で受けてください。
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★私も習った通信添削講座 ★
http://sakka-gr.hp.infoseek.co.jp/email2.html
★指導・若桜木虔。電子出版社掲載。★
★出版社にも積極的にプッシュ ★
★入会の時には、唐沢類人のブログで知ったと申告してね★
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純文学の新人賞についても助言を。
『私は甘えているのでしょうか?』の中で、村上龍がぽろっと漏らしていました。20才くらいの男の子が30くらい年の離れた女性を真剣に恋する話があった、と。数千ある応募作の中で(下読みの段階も入れれば)少なくとも最終候補に残り、さらに村上龍の意識にも残った題材なので、この傾向の作品はイケるかも。あ、でも、私がブログでこんなことを喋ってしまったら、多くの人が取り上げるだろうから、逆効果かな?

それから、今、純文学で売れるといったら、エロか病気しかありません。
しぶとく生き残っている純文学の作家はエロすれすれでストーリー展開しています(これは誉めているんです。それが現代女性の飾らない姿だからです)。いま、ボーイズラブが滅茶苦茶売れていることから言って、エロすれすれの路線でゆく手もあります。もちろん、女の子の心情や肉をえぐるような悲しみや苦しみを描けなければダメですが。
それから、病気では、『セカチュウ』『今、会いに行きます』『35才癌漂流』『一リットルの涙』などがあり、これはまだまだ健在です。
 私も、父が躁鬱で通院していて、癌で闘病生活を送って亡くなり、その間、弟が鬱で十数年も入院していて、父の49日に死亡(病院のベッドから落ちたらしいのですが)し、今は私自身が被害妄想と鬱で悩んでいます。今度はそれを書こうと思っているくらいです。でも、君らは書くなよ。私が書くんだからな。

 *質問その2*
”この前のコメントの中に、整形手術で二重瞼にして、愛想笑いをすれば、自然と社内の人間間系がうまく行くと書いてありましたが、美人でなくても、努力して資格を取ったり、演技力を磨くほうが正しい生き方なのではないでしょうか?”
答え・確かにそのとおりです。でも、普通は、二重瞼でにっこり微笑んだり、美人であるほうが主役を狙い易いんじゃないかと、相当に長い間、悩むんだよ。少なくとも一年や二年は悩むの。で、その悩んでいる時間がもったいないと、私は思うわけ。だって、悩んでいる間に他のことが出来る?、英語の勉強をして英検二級を取ろうとか努力する? しないでしょ、普通は。悩みとは、行ったり来たりなわけよ。前進ではありえないの。
 ここで、友達の例を紹介するけど、その友達もかなり長い間悩んで二重瞼にしたの。因みに女優を目指していたんだけどね。
 そして、二重瞼にして、包帯が取れた日、病院から帰る途中に、十数人の男に声をかけられたの。でも、それは、キャバクラのスカウトだったの。彼女は最初は喜んだけど、最後にはうんざりして、もうバッグを振りまわして帰ってきたの。
次の日。今度は大学で、また十数人の男に声をかけられたの。こっちは、キャバクラのスカウトでなかったから、中でも、同じクラブで好きだった男の子とつきあったの。
 ところが、相手の目的は体だったの。1回で、さようならだったの。そこで、彼女は悟ったの。男は顔と体しか見ない。ついでに足首も見る奴もいるけど。
 そう悟った後の彼女は人が代わったように演技の練習に打ち込んだわ。演技だけじゃなくて英語も。アメリカでミュージカルスターになるのが夢だったの。
 で、卒業後はアメリカに行ったけど、どうしているかは不明。もう25年も前の話だから、未だに名前を聞かないということは、どこかの金持ちの男をゲットして幸せな結婚をしているんじゃないかな?
 で、結論から言うと、頭では理解できていても、やってみなきゃ心が納得できない事もあるってこと。
 確かに、自分は演技派女優になるんだと決めて、顔はニの次で、お笑いの道に邁進できる女の子は、それで良い。 でも、中途半端な顔で、どっちへ進んで良いか悩んでいるなら、思いきって整形しなさい。悩んでいるうちは進歩がないから。整形して意中の男をゲットできればそれでよい。あるいは、男は女の顔と体しか見ないんだと悟れば、勉強にも身が入る。そういうこと。
 さっき、新人賞のところで言い忘れたけど、悩んでいるなら新人賞にどんどん出すべき。そして、最初は当然落されるだろうから、次には文章教室(上に紹介した通信教育がお勧めよ。何しろ、何人もプロを輩出しているからね)に入って、友達にびしびし遠慮のない意見をもらったり、ストーリーの展開などを現役のプロの先生に指導してもらうのが上達の早道。
 それに、そういう関係者ばかりの教室に入ると、出版社のほうから仕事が入ることもあるの。たとえば、今は占ブームだから、占の先生の提出したキーワードを文章にするとか。あるいは、映画のノベライズをするとか。これがけっこうバカにならないのよね。
繰り返すけど、唐沢類人のブログで知ったと申告してね。