『新宿の母・もう泣かないで』『負の力』『ビンタ本』『化物語』真実

Yahooの唐沢通信2(アドレスは、プロフィールの中のkaramariをクリック)に新商品紹介と、コーデをアップしました。
 
電子出版にかかりきりになる予定でしたが、ちょっと時間がかかりそうなので、そっちは後回しにして、今週は、本の紹介もやっつけちゃいます。なんで、『ごくデカ』修正に時間がかかりそうかと言うと、あまりにも滅茶苦茶で、直しようがないからでーーす。誰だ?あんな、一人称と三人称が脈絡もなく入り乱れる小説を書いたのは?あ、あたしか。ってな調子で。どう考えても理論的にならない。
 なので、一層のことブログにアップしたままで、(各章に少しだけプロローグはつけたのですが)電子出版化しちゃおうかと思っています。最初はもう一つ別のエピローグをつける予定でしたが、もし、それが面白くて、予想外に売れたら、税務署が入ってくるかもしれないし。今のままなら、結末はわかっているので、それほど売れないだろうし。などと、余計なことまで考えたりして。とりあえずは、もう少し悩んでみますので、ニ、三週間は遅れます。
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新宿の母・もう泣かないで』栗原すみ子
 女性からの相談ですから、基本的にこの前紹介した村上龍の本と同じような内容です。女性ってのは、愚痴を聞いてもらいたいのが主で、厳しい答え(例えば「あなたの努力が足りないのよ」なんて物)は嫌いないんでしょうね。きっと。だから、ほんわかとしたお答えが多いです。
 内容は、「玉の輿に乗るにはどうしたら良いの?」みたいなフワフワしたのから、夫の暴力に悩む、みたいな、深刻なのまで多種多様です。ただ、目次をぺらぺらと捲って、軽く読んでみただけでも、自分より深く悩んでいる人はたくさんいるんだって分かって、心が軽くなります。
 それと、何で、この本を取り上げたかというと、最近は占ブームで、何かというと、すぐに「先祖の霊がたたっているから」とかいって、高額のお祓い料を取る占い師が多いのだとか。でも、この本の中では、『先祖がかわいい子孫に祟るはずがない』といっているのに共感したからです。
 私も、水子の霊なんて信じません。それに、自分がいくら努力しても報われない時は、きっと今は種まきの時期なんだ、と考えを変えるようにしています。そうすれば、高額なお祓い料を取られる心配もありません。あ、断っておきますが、相談料は別です。相談料は、相談者が問題解決に見合う額だと、最初から了解しているものですから、お祓い料とは根本的に違います。

『負の力』テリー伊藤
 これを取り上げた理由は一つ。帯に『いい人をやめると、強くなれる。』と出ていたからです。
 最近、私は正義感溢れる人間と思われているようですが、違います。私もいい人ではありません。ただ私がブログを止めないのは、自分のもがいている姿を見て、読者が自分で自分の悩みを解決する道を発見してくれれば良い、と思っているからです。
 それに強い人でもありません。いろんな所から様々なプレッシャーがかかる度に即、ブログを書き直したりするくらいです。長期のストレスから、鬱状態になり、少し文章を書くと、後の二日は頭痛で寝ている毎日です。なので、何かの役にたつのは無理です。この前、少しだけ良いことをした時は、何かの作戦に巻きこまれたからです。どこの誰が作戦に招待してくれたのかも分からずにもがいているうちに、終わってしまっていました。
 これ以上は言えません。

『ビンタ本・IID世田谷ものづくり学校・すくーりんぐ・パッドの挑戦』黒崎輝男
 いくつかの業界の社長などが講演した内容の抜粋です。
 『情報は整理しないで、放牧しよう』とか、『うごめくことから全ては始まる』とか、『迷ってるヒマがあったら、さっさと決めちゃったほうがいい』とか、『コイツとコイツを組み合わせて、なんか作れないかなあ』とか、『運命には待っていても出会えない』とか、『成功より成長を目指せ』とか、当たり前なんだけど、忘れていたことをビシビシつきつけられます。

 以下の二つは、文芸書です。久しぶりです。
化物語西尾維新
 私は、前は、舞城派だったのですが、これで、西尾維新ファンにもなりました。
 日本のどこかにある普通の高校に通う吸血鬼(僕)と蟹に体重を奪われた少女(戦場ケ原ひたぎ)の話です。 (まだ途中までしか読んでいませんが、別の化け物も出てきそうです)。
 傑作、快作、魁作、もう、喩える言葉ありません。
 戦場ケ原のキャラが抜群です。クラス委員長・羽川翼のキャラも最高にリアルです。
 戦場ケ原の台詞は全部が良いので抜粋でけまへん。羽川の台詞から一つだけ紹介。
「お前は何でも知ってるな……」
「何でもは知らないわよ。知ってることだけ」

真実真正日記町田康
 これは、宣伝文句――日記とは真実のことを書くものなのだけど、それが少しづつ妙な具合に捩れていって――に惹かれて買った本です。実を言うと、『隣町戦争』の人のだと勘違いして買って、気がついた次第です。そちらの人もヒマがあったら、そのうち。
 で、この人ですが、詩人で野間文学賞芥川賞を取った人だとか。純文学ですねえ。
 私はエンタメであり、純文学とエンタメには高い壁があるので、向こうの世界は滅多に読まないのですが、今回取り上げたのは、背筋がチリチリとしたからです。うまく説明できないのですが、何か、新しい物が生まれるときには、私は、このチリチリ感を覚えるのです。
 で、何にチリチリ感を覚えたかというと、無防備に、自分の知らない世界に飛びこんできたからです。その勇気と、すごいネタを未消化で狼や禿たか集団の前に晒して、エンタメ世界の人間に貢献してしまったことへの感謝です。でも、ご自分では何が凄いネタなのか、分からないでしょうが。
 では、説明に入ります。ええと、何から説明してよいのかわからないのですが、まず、嘘と事実の区別に対して、エンタメの世界の人間は、命をかけて探求しています。推理小説家は、法律に触れない詐欺師といってもよいでしょう。それくらい卑怯に嘘をつきます。そのためには一千冊以上の上手な嘘の本(所謂推理の傑作といわれている本です)を読んで、読者を騙す方法を勉強します。
 例えば、歌野晶吾でも折原一でも、妄想の部分は、微に入り細に入りリアリティ溢れる文章で書いてあります。逆に現実は、かなり妄想チックです。
 でも、その辺の勉強をしていない人は、普通に書いていって、現実の先のいかにも妄想チックなことが妄想であり、読者はそこを面白がるだろうと、信じています。でも、今の読者はそんなことでは騙されません。
 大きいお世話かも知れませんが、この中の妄想部分は、ちょっと変で面白いです。でも、それが、妄想であると読者には分かってしまうので読者との闘いに負けているのです。発想の転換をして、そこの騙しができれば、かなり面白くなると思われます。