「となり町戦争』『バスジャック』『笑う大天使(ミカエル)』

昨日の分で訂正ありました。『インテリジェンス・武器なき戦争』のなか。北芝謙の『警察裏事情』→北芝健『警察裏物語』
それと、この項での核についての記述は私の意見であり、紹介した本とは何の関係もありません。
昨日、脳みそを使い過ぎてしまって、頭痛がひどいので、『24サードシーズン』は次回に回します。

 本 『となり町戦争』『バスジャック』(短編集)三崎亜記
 『となり町戦争』はナンセンス小説なのかな? 良く分からなかった。となり町で行われている実体の見えない戦争で、おまけに市役所の手続きが必要とか、あまり手に汗握るシーンがなかったせいかも。
でも、『バスジャック』と同じ本に収録されている『動物園』は良かったわ。 
 どうせ、映画にするなら、『バスジャック』や『動物園』をアルバイトにやりながら、となり町戦争にも参加、なんて風にしてもらえると、面白いかも。あ、もう、撮影は終了しちゃってるかな? 
 では、『動物園』を重点的に。これはSFだけど良かったわね。全神経を集中してヒノヤマホーオーに変身する話。そういう能力がある人間の話だと思って下され。
 この変身にはものすごい集中力と緊張感を必要とされるの。ちょっとしたつっこみで精神のバランスを崩すと、精神の崩壊まで招くらしいの。その先は読んでください。
 鳳凰に変身している間は飛べるらしの。檻もそれほど高くないから。で、主人公は考えるの。自分は檻に閉じ込められているのだろうか? それとも、檻があるから、自分が存在しているって認識できるのだろうか?って。
 この感覚、分かるわよね。私もこの頃考えるんだよね。Webって何だろうって。
 検閲もないし、わりと自由に書けるんだけど、でも、目に見えない締め付けはあって、政治的な発現をする時なんか、けっこう怖いんだよね。後から変な人に付け狙われるかもしれないし、何て考えてね。
 でもWebがなかったら私の存在した証拠すら残らないし。
 まあ、色々と考えさせられるんで、読んでみて。

DVD『笑う大天使(ミカエル)』
 川原泉の同名マンガの実写化。といっても、そうとうCGが多用してあるので、ファンタジー映画です。
 私はマンガで嵌ったので違和感はなかったけど、映画は肉感があるので、嵌る人と嵌らない人がいるかも。
 どうせこれだけファンタジー路線にするなら、登場人物の髪型もお蝶夫人みたいにするとか佐藤玉緒みたいな存在自体がマンガのキャラを使うとかすれば、もっとハチャメチャになったと思うのだけど。
 内容としては、超お嬢様学園の生徒が、超能力を持ってしまって、チャーリーズエンジェル&Xメンみたいな活躍をする話。
 でも、修行した脚本家を使っていないせいか(監督の趣味で作ったんだろうね)、話が単調なのが残念。
 映画は90分もあるんだから、10分に一回ハラハラドキドキのシーンを入れたって、9回は手に汗握ることができる。でも、その辺を勉強していない人が製作すると、戦闘シーンは最後の最後まで取っておくんだよね。だから、80分間は低調な話や悩み相談なんだよ。この話でも、折角、最初の部分でお嬢様ばかりを狙う誘拐団がいるとの情報がもたらされたら、次のシーンでは誘拐がなきゃ駄目なんだよね。でもって、その時は犬のダミアンの活躍で難を免れたとしても、それを、主人公が目撃して、10分か20分ごとに危ないシーンが入るとか。その度に超能力が少しずつ増していって、最後の大戦闘シーンに行くとかね。
 最後のロシアの誘拐団のボス、シスターなど、超美人が大量に出ているのに、その点だけが残念だわね。
 たとえファンタジーでも『世にも不幸な物語』くらいの強弱は欲しいわね。