『墨攻』『幸せのちから』『プロデュ―サーズ』家康の父親は武田信玄

墨攻』映画
原作・酒見賢一
監督・ジェイコブ・チャン
出演・アンディ・ラウ
内容・簡単に言うとですねえ、徳川と真田幸村の戦った第二次上田戦争みたいな映画です。十万対数千で、十万の兵を打ち負かす話。
 具体的に解説。紀元前370年頃の戦国時代。趙(ちょう)と燕(えん)の国境にある梁(りょう)は、常に大国に攻め入られていたのです。この映画は、趙の10万の兵が、梁を攻め燕を占領しに行こうとしている所から始まります。梁は4千の兵しかありません。しかし、趙の本当の目的は燕占領なので、降伏するか、一月ほど持ちこたえれば趙は諦めて、梁を迂回して燕に向かう、とも考えられます。
 梁の王は、臣下たちの意見を聞き、迷い、墨家(戦略の達人集団)に助っ人の要請しています。でも墨家から派遣されて来たのは、革離(かくり・アンディ・ラウ)一人だったのです。つまり、墨家の大半も負けると判断したのです。
 革離は、降伏しても国は滅びるから徹底抗戦を呼びかけます。で、王の息子を中心として徹底抗戦に出ます。開戦の道が決まると、革離は、策略の限りを尽くし、四千の兵で十万の兵を少しずつ切り崩してゆきます。
 くり返しになりますが、真田幸村の作戦に似ています。幸村は、敵をぎりぎり引きつけておいて、煮え立った糞尿を浴びせましたが、こちらは、ワラに硫黄をかけておいて、いぶして硫黄の煙で中毒死させます。それから、虎バサミ(狩猟用の罠)の大きいのをしかけます。これは、仕掛の端を踏んだらグサッと刺さる、ブービートラップみたいな物です。
 これも、同じような記述が幸村の小説に出てきます。文章だけだとイメージが沸かなかったのですが、画像で見せられると、一目瞭然ですねえ。
 それから、秀吉の一夜城みたいなのも出てきます。つまり、城の城壁を壊して七日で新たな砦を作るんです。あるいは、敵がトンネルを掘っているのを察知しても、慌てずにそのまま掘らせるなんてのも頭が良いですねえ。トンネルを抜けて出てこられる数なんてタカが知れているので、少しずつ切り崩せる訳です。
 にしても、人件費の安い国で、大量のエキストラと大量の馬を注ぎ込んだ映像は、圧巻。大スペクタクルです。CGでは及ばない迫力があります。人件費の安い国は、鬘も馬のレンタル料も安いでしょうから、人件費の高い国のプロダクションにメールを送って、自国での撮影を誘致するのが良いかと思いますが。久しぶりに黒澤明など、日本映画全盛時代の大迫力を堪能しました。

幸せのちから』映画
監督・ガブリエル・ムッチーノ
主演・ウイル・スミス
内容・どん底から這いあがって、アメリカン・ドリームを掴むまでの努力と闘いのドラマです。
  少し具体的に言うと、売れないセールスマン、クリス(ウイル・スミス)は、妻に去られ、アパートを追い出され、子供と二人で、あちこちの簡易宿泊所などを点々としながら、それでも、株の特訓所を卒業して這いあがって行きます。『クレーマー・クレーマー』と『ペーパー・ムーン』を合わせたみたいな筋かな? いや、ちょっと違うか。『ペーパー・ムーン』は子供が相当に頭が良くて、かなり際どい商売をするのだけど、こっちは、子供は働かないから。
 もっと具体的に。クリスは、大量の骨密度測定機を買いこんでセールスしているのだけど、ここ半年ほど売れず、株の特訓を受け(六ケ月。無報酬)、正社員として採用される道を目指す。しかし、その間、アパートは追い出され、教会の救済施設で寝泊まりしながら、生活するしかない。しかし、救済施設は、毎日5時までに並ばないと入れない。そこで、クリスは、特訓を受ける日は子供を保育所に預け、早引けして子供を迎えに行って、走って列に並ぶ。特訓のない日は、子供を連れてセールスに廻る。
 だが、肝心の機械を盗まれたり、あるいは、故障していたりで、中々うまく行かない。でも、寝る時間を惜しんで機械の勉強をして、故障個所を発見して、セールスに成功する。その頃にはすでに6ケ月が過ぎていて、株の特訓でも優秀な成績を収め、正社員への道を掴む。
 感想。映画とは知っていても泣けます。どんな逆境にあっても絶対に諦めない姿には脱帽です。

DVD『プロデュ―サーズ』
↓こんなイメージのミュージカルです。あくまでもイメージです。

本『家康の父親は武田信玄だった!』武山憲明(ぶんか社
 某局でやっていた、”9代将軍は女だった”以来、歴史の真実と銘打った作品には、思わず手がでてしまいます。
 で、この本ですが、色々と資料はでていますが。歴史に暗い私にはよく分かりません。感じとしては、うー――――ん。大河ドラマを見れば分かるかな? ってところでしょうか。

マンガ『36』は、思った以上に大変だったので、ニ、三日遅れます。