麦の穂を揺らす風.プラダを着た悪魔.16ブロック他

今回は新作映画の紹介はなしです。
理由。人手不足で私がシフトに入らなければならなくなった→疲れるのと、映画を見に行く時間がなくなった。当分は映画の紹介はなしです。そのかわりDVDの紹介を多めにやります。

DVD『麦の穂を揺らす風』
内容・1920年代、アイルランドの独立のドラマです。田舎の小さい抵抗運動がだんだんと大きくなって、イギリス軍から停戦提案が来るまでになる。
感想・かなり暗い映画です。拷問があったり、信頼していた仲間を殺さなければならなくなったり(その仲間も銃で脅されて反乱者の名前を吐いたのですが)と、戦争は人を狂わせるのがよく分かります。

DVD『プラダを着た悪魔
内容は、宣伝でご存知でしょうから略。一流ファッション誌に就職した秘書が上司に無理難題をつきつけられて苦労しながらも成長する話です。
感想・会話のスピードが速く、ぽんぽんと毒舌が飛び交い、とても面白かったです。主人公が上司から無理難題を押しつけられ,私生活がぐちゃぐちゃになってゆく。恋人と会う時間も友達とダベる時間もなくなる。でも、私生活が壊れてゆくほど、観客は面白く感じる。あるいは、主人公が困るほど引きこまれる。これって、エンタの基本?でも最後はうまくまとまるんですけどね。

DVD『16ブロック』
内容・警察に不利な証言をする証人をわずか16ブロック先の裁判所まで送れと言われたのだが、途中で妨害が入って、逃げ回る話。
感想・サスペンスの技法の全てを使っていますねえ。非情に手馴れていて良くできています。証人が銃をつきつけられてまさに殺されそうになっているときに、後ろから早撃ちで、主人公がその敵をやっつけるなど、西部劇の要素も入っているかも。予想外の展開と驚きの連続です。でも、あまりにも手馴れていすぎるせいか、敵が攻撃してきても、最後の最後まで無表情でいるところがちょっと不満かな?でも、最後の最後まで引っ張るところなんか、勉強になります。


DVD『ハードキャンディ
猟奇的な宣伝をされていたので、ちょっと遠慮していたのですが、思いきってみたら、全然猟奇映画ではないです。中々練られたサスペンス映画です。ネットで14才の少女を探して殺したと、警察に目をつけられている男がいるのですが、証拠がないので、警察は手をだせない。そこへ、殺された少女のネットでの友達(多分)が、体をはって乗りこんできて、男を眠らせ縛って、「玉を切る」と脅して殺人を白状させる映画です。
感想・限られた部屋の中での会話(片方は縛られている)だけなので、ちょっと単調。途中で縄を解いたりして、ドンデン返しがありそうな部分もあるんだけど、おしなべて平坦かな?失踪(殺された)少女の捜査の情景なんかが入ると、動きが出てもっと面白くなるかも。


本『密室殺人ゲーム王手飛車取り』歌野晶午講談社
内容・ネットで、実際に殺人を犯した犯人がヒントを述べて、それを元に、別の参加者が謎を解く設定。短編連作。
感想・ちょっと飛躍しすぎてついて行けない部分があった。それに、犯人がとうとうと自分の犯行を述べるっていう設定が本能的に受け入れられないのか、うーん……の部分が多かったかな?
特に最初のシリアル・キラーが、どうも。途中の”生首に聞いてみる?”から後は,いわゆるノーマルな密室殺人の謎解きなどで面白かった。特に、最後に登場人物たちが自分の体を張ったゲーム(?)が一番リアルで感情移入できた。
それにしても、本格推理も煮詰まっておりますですね。ここまできてしまったら、東野圭吾のように、松本清張路線(主人公が靴底をすり減らして歩いて謎を解くような。あるいはリアルな医療サスペンス)に挑戦するしかないのかも。

本『ぼく、オタリーマン。』よしたに中経出版
キャッチコピー”1500万ヒットの大人気サイト”に惹かれて買いました。マンガです。日常のちょっとした出来事あり、ギャグありで、けっこう共感しました。にしても、漫画はヒット数が稼げますよね。ホラーのマンガなどでも一日2000くらい稼ぐのがありますし。マンガうまくなりたーい。でも、結構大変。それに、医者に、無理をすると鬱はすぐにぶり返すと言われているので、当分は手抜きでゆくことにします。

本『サルビア』蓮(スターツ出版
これも、キャッチコピー”伝説のケータイ小説がついにベールを脱ぐ。”に惹かれて買いました。こちらは小説です。にしても、内容は、風俗あり、覚醒剤あり、ホストありで、Yoshikiそっくりです。これで出版されて売れるんなら、私も推理を諦めてこっちに転向しようかなあ、などと思ってしまいました。

『グーグルを超える日』兼元謙任(ソフトバンク・クリエイティブ)
ファミマーに並んでいたので新刊かと思って買ったら、2005年の出版でした。でも、『今週妻が浮気をします』の産まれたサイトらしいので、『今週妻が浮気をします』ドラマ化記念ってことで。
OKウェブというサイトの社長の、今までの歩んできた道、成功への方法などが書いてあります。では、OKウェブとは何かというと、質問のサイトらしいです。質問というと、”はてな”にも質問コーナーがあって、答えるとポイントが貰えます。それから、『今週妻』は、『電車男』とか『鬼嫁』みたいな感じで、質問と答えで(『鬼嫁』は違うかな?)進行しているので、アメブロみたいな要素もあるのかも。でも、質問と答えと言ったら2チャンネルが有名だから、巨大掲示板の要素もあるのかも。2チャンネルと違い、中傷の書きこみは削除しているそうです。総合すると、以上三つの要素を兼ね備えたサイトであるようです。では、何で利益を上げているかというと、やはり、広告料かな?そこは書いてないので良く分かりません。とりあえず、三喜谷社長もサイバーエージェントの藤田社長も出資していて成長企業であるようです。

本『歴史小説の人生ノート』清原康正青蛙房){ルビ=せいあぼう}
キャッチコピーは”そうか、歴史小説から人生を学んでいたのか”
人生相談の一環として取り上げてみました。13の作品を取り上げていますが、感動した言葉を幾つか並べます。
『ながい坂』(山本周五郎)より
★「よけいなことかもしれないが」と主水正(もんどのしょう)は静かに云った、「人間にいちばん大切なのは逆境に立ったときだ、借銭などでいちじを凌ぐ癖がついたら、とうてい逆境からぬけ出ることはできない、どんなに苦しくとも、自分の力できりぬけてこそ立ち直れるものだ」
(カラルイ注)これは中々奥の深い言葉ですねえ。私も昨年の夏からの凄いストレスで鬱になってしまい、小説が書けない状態にあります。で、小説が駄目なら、自費出版している人たちに安く広告の場を提供すればある程度は利益になるだろう、などと考えていましたが、この文章を読んで、それが、”いちじを凌ぐ”ことになると気がつきました。どんなに苦しくても、自分の決めた道で進まないと。当分は鬱病を治すことに専念して、治ったらまた小説で勝負しようと決心がつきました。
★「おれは少年のころから、脇見をする暇さえなく、けんめいにながい坂を登ってきた」「そして登りつめたいま、おれの前にはもっと険しく、さらにながい坂がのしかかっている」と主水正はまた呟いた、「――そしておれは、死ぬまで、そのながい坂を登り続けなければならないだろう」
宮本武蔵』(吉川英治)より
★《われ事において後悔せず。必ずそこまで行き着いてみせる》
★《精神一途な自分の姿、と同時に狭くて小さい一個の頑固者》
★《広大な宇宙の下にある小なる自己がかなしくなった》
★《さむらいの道にたのむ神などない。神をも超えた絶対の道だと思う》
(カラルイ注)そうなんですねえ。小説でも神頼みなんて通用しないんですねえ。あくまでも自分でもがいて苦しんで何かを掴まないと。いやあ、歴史小説は奥が深いですねえ。

他に取り扱っているのは以下の作品。
赤穂浪士大仏次郎
『真田騒動ー恩田木工池波正太郎
竜馬がゆく司馬遼太郎
『孤愁の岸』杉本苑子
武田信玄新田次郎
会津士魂』早乙女貢
『のほ世をば』永井路子
『海鳴り』藤沢周平
『下天は夢か』津本陽
『天風の彩土ー藤原不比等黒岩重吾
『大黒屋光太夫吉村昭

なお、清原康正先生は、私も最近復帰した一歩会の先生であります。いくつかのカルチャーで教室を持っていますが、一歩会は立川の朝日カルチャーから派生した会で、月一で、合評会があります。
一歩会で指導を受け、賞を受賞した作家を紹介します。
男澤一”早稲田文学賞”
植松三十里”歴史文学賞
松浦節”歴史文学賞
大戸秀樹”歴史文学賞
山名美和子”歴史文学賞
新谷清子”関西文学賞
奥村理英”ライラック文学賞
中原万里子”自由都市文学賞””深大寺恋物語賞”
和泉佑布子”小説新潮長編小説賞”
三好洋”銀華文学賞

一歩会は立川のアイム(高島屋先、女性図書館の上5階)第一学習室で次の日程で勉強会を開いています。見学大歓迎です。
5月29日(第五火曜日)午後2時半〜4時半。以下同じ。
6月26日(第4火曜日)
7月24日(第4火曜日)
8月28日(第4火曜日)
見学に先だってご質問のある方は、プロフィールのkaramariをクリックすると公式ホームページに飛びます。そこにメールフォームがあるので、そこからご質問下さい。メールはあまりみないので、レスが遅れる可能性大です。レスがしばらくなくても心配しないで下さい。でも、質問はお早めに。

なお、男澤一さんは、主に小説と一歩会に関するブログを持っていますので、そちらもアクセスしてね。アドレスはhttp://blogs.yahoo.co.jp/otoko0001/です。


はてな『唐沢通信』アドレスhttp://d.hatena.ne.jp/karamari/(新作映画の紹介や、でじたる書房で発売中の『ごくデカ』の宣伝など。宣伝は1.29日前後の回にあり)
ヤフー『唐沢通信2』アドレスhttp://blogs.yahoo.co.jp/karasawa0602(料理の材料やダイエットお役立ち品など)
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