7/24通りのクリスマス,幸福な食卓,林住期

DVD『7/24通りのクリスマス』
内容・いつも妄想で恋をしている女の子の物語です。長崎が舞台なのですが、風景がポルトガルリスボンに似ているので、あちこちに勝手にポルトガルの名前をつけています。自分があまり美人ではなく、恋は諦めていますが、ある時、憧れの人が現れます。で、最後の方で、打ち明けます。そのときは、『君の夢はボクじゃない』と一旦は断られるのですが。
感動的だった言葉・「自分はだめだと諦めるのは楽だけど、だめでも良いじゃない。好きならとことんそばにいなさいよ」
「私間違ったことをしてみようと思う」

DVD『幸福な食卓
内容・「お父さんはお父さんを止めようと思う」って言葉から始まります。どうやら会社を辞めたようで、母は家を出ています。でも、食事の用意はしにきてくれる。兄は優等生だったんだけど、自分の中にきしみを感じて、このままでは父と同じリストカットに走ると思い、農業に従事してしまっている。主人公には恋人ができる。高校の転入生。強烈に主人公が好きらしく、主人公の嫌いな鯖を食べてくれる。後から、自分も鯖が嫌いだと白状する。二人はキスするまでになるが、ある日、突然、恋人が交通事故で死んでしまう。お父さんは「お父さんを止められなかった」という。
感想・最初は、家族崩壊と再生の物語だと思った。語り口がシュールで、観客の感情の流れを無視して、つまり、観客を置き去りにしてどんどん先に行ってしまう。でもそれはそれで面白かった。例えば、「母は家を出た」といっておきながら、家で食事の用意をする。そのときには「食事を作りにくる」というナレーションは入らない。説明が入るのは10分も20分以上も後。それから、突然父のリストカットのシーン。「三年前」説明が入らないから、またやったのかと思ってしまう。で、会話の断片を集めてやっと三年前だと気が付く。まるで推理ドラマみたい。
 で、ずっとその路線で行くのかと思うと、突然恋人が交通事故で死んで、あとは、恋愛路線に変更。つじつま合わせの説明になってしまう。これではちぐはぐで泣けない。
 ラブストーリーにするのなら、もっと丁寧に感情の流れを作って欲しい。例えば、「父は自殺したの」という会話。相手が「今も生きているジャン」と反応した後、「そうなの、未遂だったの」とフォローするとか。あるいは、最初から未遂というとか。泣くには、準備モードに入る必要がある。それも、ゆっくりゆっくりと、丁寧に。
 その準備モードがないから、(会話はずっとシュールだから)、泣きモードに入れない。
 ぎゃくに、家族崩壊と再生のドラマで終始したほうが良かったと思う。父がまた何回もリストカットしたり、暴れたり、あるいは、母が別の男とキスをして、主人公がそれを目撃するとか。
 兄の恋人だけは妙にリアルで面白かった。
 総合すると、路線変更せずに最後まで家族崩壊と再生で押し通してくれればもっと感情移入できたかも。

DVD『アンノーン
内容・ふるい倉庫のようなところで、主人公と他の4人は目が覚める。一人は縛られ、一人は胸を撃たれて重症。全員に記憶がない。棄てられていた新聞などから、自分たちは誘拐事件の犯人と人質であると判明する。新聞の記事では人質は二人だから、三人は犯人の一味だと推測される。しかし、全員に記憶がないから、自分がどっちなのかわからない。そのうちに、切れ切れにではあるが、記憶が戻り始める。しかし、ウソを言っている人間もいるので、やっぱり、正確にはわからない。倉庫の外では身代金受け渡しが行われている。そうこうするうちに、ボスたちが帰ってくるという電話がある。まだ完全に記憶が戻らない主人公たちは、協力して戦うことにするが。
感想・非常によく練れた脚本で、途中で目が離せない。最後、ボスたちが帰ってきた後には、想定外のどんでん返しも用意されていて面白い。

本『林住期』五木寛之
『学生期』『家住期』『林住期』『遊行期』とは、古代インドでの人生の分け方で、『林住期』は、50代からのことらしいです。この時期は、「社会人としての務めを終えた後、すべての人が迎える、もっとも輝かしい第三の人生のことである」とあります。
退職して、子供を育て上げ、悠々自適の生活の時期でしょうか。
記憶に残った言葉をいくつかあげます。
『燃えながら枯れてゆくエネルギー』の章から。
「自分のために働く。一文にもならないことのために働く」→つまり、趣味をみつけることが大切って意味でしょうか?
『食べることは養生の基である』の章から。
「諦める」とは「あきらかに究める」ことだ。→これも深いことばです。
「うつは林住期におちいりやすい難病である。人生には光と影があり、その影の部分だ」→これも深い言葉です。
 他にも、おもわず頷いてしまう言葉がいくつもあります。

ところで、まだ、税金アップに抗議しているので、来週もお休みです。今抗議しないと、また来年市民税都民税を上げられしまいそうで、怖いので。