乳と卵、携帯彼氏

『乳と卵』川上未映子
もう、さんざん宣伝しつくされているので、改めて私がとりあげる必要もないのですが、毎月、小説教室(一歩会)で、純文学とは何か、ということを議論していて、何となく、最近は純文学に目覚めつつあるのですが、これを読んだら、ギャヒンとわかってしまったようなので、取り上げますやん。
文章がものすごーーく長いのに、インパクトがありありでおます。大阪弁のおかげかなあ?特に、最後の、卵を頭にぶつけて、今まで喋らないで自分の中に閉じこもっていた娘と、整形外科医に行ったついでかどうかは知らないのだけど、元の夫に会ってきた母との口げんかのシーンは最高でんなあ。
ま、簡単に。これを読んだら、私もミステリーなんかやめて、純文学に引越したくなりましたえ。桜庭一樹も面白かったんやけど、前に一度取り上げたことがあると思うので、今回はパスですえー。

携帯彼氏』kagen
ちょっと前まで、ケータイ小説でも書こうかなと思っていて、本屋さんで、片っ端から売れているケータイ小説を買い込んで、ほんで、読みまくっていたんですが、その中でも、唯一面白いと思った小説どえーす。他は皆同じで、区別がつきまへん。特に恋愛関係は、同じでんなあ。まあ、アチキも、真似して一本書いちまったんで、文句は言えまへんが。この同じさ加減で、百万人もの人間が書いていると知って、ケータイ小説止めよ、と思いましたわ。
んで、この小説ですが。この人、ものすごく文章力ありまんなあ。これやったら、ケータイ小説でのーても、普通のホラー大賞でも、獲れるんとちゃいます? ああ、もう、本になったんやから、そっちの必要はないか。
内容をいいますがな。ケータイでバーチャル彼氏を作るんやけど、そこに霊が宿っちまって、ラブゲージがゼロでも百でも、どっちでも殺されるっつう話ですわ。下になると、ミステリーっぽくなるけど、とに角、スピーディで引きずりこまれまんなあ。