ぼくたちと駐在さんの700日戦争、図書館戦争

『ぼくたちと駐在さんの700日戦争』ママチャリ。本、映画
ブログで1500万アクセスを獲得したんだとか。とに角、面白いです。内容は、作者の高校生の頃のイタズラと、それに復讐する駐在さんと、さらに、また復讐するぼくたち。最初は、原付のバイクで30キロ制限の道路を50キロで走って捕まった友達がいて、それに復讐するってことから始まります。その方法が、自転車で、車と並行して走って速度オーバーをして、車の「ねずみ捕り」を妨害するとか、シンバルなど、大きな音の出る物を使って、レーダー派を乱して、「ねずみ捕り」を妨害するとか。でも、エロ雑誌を置いてきたときなどは、駐在さんが怒って、それを学校に届けたので、ことはもつれてゆきます。そのうち、復讐はエスカレートしてゆき、エロ雑誌を12冊も駐在所においてくるまでになります。まあ、他愛ないいたずらの応酬ですが、面白いです。でも、これって、本当のことをデフォルメした小説だと思うのです。本の中にも、小説だって書いてあるし、エロ雑誌を、わざわざ私服に着替えて、学校の駐輪場まで侵入して、作者の自転車の荷台に、厳重にくくりつけるほど、駐在さんは暇じゃないと思うのですが。でも、駐在さんの奥さんが美人で、その奥さんに言われると、メロメロになってしまうなど、男子高校生の心理をついていて、笑えます。

図書館戦争有川浩。本、アニメ
フジテレビ「ノイタミナ」他でアニメになるんだとか。
内容。公序良俗を乱し、人権を侵害する表現を取り締まる法律として「メディア良化法」が成立し、メディア良化委員会が、「メディア良化法」を侵害する本を取り上げている。それは、書店などで強引に、いきなり行われている。一方で、図書館の自由を守るために、「図書館法」が制定され、書店で没収された本を、図書館だけでは閲覧できるようになっている。そんでもって、図書館には図書隊が設立され、良化委員会と戦っている。これは、文字通り、武器を持って戦っているのである。拳銃から、サブマシンガンまで使っている。
主人公の郁は、小さいときに、好きな小説(少女が武器を持って、西部劇まがいに、戦って成長する話)を、武器を持っているっていうだけで「メディア良化法」にひっかかり、取り上げられそうになった。しかし、その時、図書隊の人が助けてくれて、それに感動し、今、関東で初の女子図書隊員になった。そんで、自衛隊のレンジャー並みの訓練を受けて、武蔵境(関東一大きい)の図書館で、良化委員の暴挙から、図書を守っている。
感想。良くも悪くも、ライトノベルです。実際に銃やサブマシンガンを使って、図書館の中と外で攻防が行われるのですが、血なまぐさい表現は一切でてきません。銃を撃たれて当たっても、足が飛んだり、手が飛んだり、なんて、描写は出てきません。ただ、負傷した、とだけ。それに、バリケードを築いて、と出てきても、それが、車のバリケードなのか、斜めに鉄柵を組んだ物なのか、など、具体的な描写はでてきません。そういう意味で言ったら、リアリティはないのかもしれませんが、これがヒットして、四作まで行っているってことは、こういうライトノベルが受け入れられる時代なのかも。夢枕莫や、大沢有昌などを読んでいる人間にとっては、物足りないですが、まあ、マンガ(劇画)をノベライズしたのだと思えばいいかな?