ザ・マジック・アワー

『ザ・マジック・アワー』映画
三谷幸喜監督のコメディだす。簡単に言ってしまうと、『三丁目の夕日』みたいな時代設定(でも、現代だけど)で、アンジャッシュが勘違いコントをやっているような、レトロで懐かしいコメディだす。
町は、全部セットで、とてもほんわかとした感じです。内容は、マフィアみたいなヤクザのボス(西田敏行)の愛人(深津絵里)に手を出してしまった手下(妻夫木聡)が、命の代償に、”デラ富樫”っちゅう、殺し屋を連れてこいといわれるのだすが、誰も見たことがないので、勝手に売れない役者・村田(佐藤浩市)を使って、殺し屋にしたてる話。
やくざは真剣に銃の密売なんぞをしてドンパチするのですが、村田は、映画だと信じているので、いつもオーバーな演技をしたり、平気でドンパチの真ん中に飛び出してゆく。そのギャップが面白おます。宣伝で有名なナイフをなめるシーンなんぞは、リハーサルと、本番と撮りなおしといわれ、計、三回同じ仕草をします。コントで言う”てんぷら”っちゅう手法だす。文句なく面白いです。ほかにも、窓の外から撮影されていると言われ、自分が影になりそうになると、それとなく、どけっちゅう演技をしたり、細かい面白さもふんだんに入ってます。
感想。コメディは面白くて当たり前なんで、大変ですなあ。特にこれは、 前の『有頂天ホテル』と違うて、セットを組んで、制作費をかけたせいか、力が入っています。でも、「がしょーーん」なんちゅう駄洒落が少なくなったような気もしますが。まあ、それは、同じ路線はできないからでしょうか。
コメディはミステリーと違って、死体が出てきてはいけないので、そこも苦労してまんなあ。ミステリーなら、ちょっとだれてきたら、次の殺人事件をおこせばいいのですが、コメディはそういうわけにもいきません。あくまでも、次の笑いでつながないと。この映画では、途中で、撮影ではないとバレて、逆にだましてやろうとする方向にゆくのですが、バレルのがもう少し早くてもよかったような気もします。でも、”黒澤流リハーサル”とかも面白かったし(これは見ればわかります)、まあ、ぎりぎりの選択だったのでしょうね。全体的には、細かい笑いの積み立てで、面白かったどすえ。