告白

『告白』(湊かなえ
感想。いくつかの章に分かれてまして、最初の『聖職者』が小説推理の新人賞受賞作だそうです。小説推理新人賞は80枚なのに、何だこのボリュームはと思ったら、第一章に書き足したらしいです。
それにしても、面白いです。帯にジェットコースター小説と書いてありましたが、ウソではありません。各章が独立していて、それがすべて告白調で、そのラストごとに次の事件が起って、最後はあっと驚くどんでん返しです。この言葉は『田村はまだか』で言おうと思っていたのですが、言ってしまいます。脱帽です。
1、『聖職者』。中学の終業式での女性教師(森口)のあいさつです。彼女はシングルマザーで、小さい子どもがおり、仕事が遅くなる日は、保育園から連れてきて、一二時間校内で遊ばせておく習慣がありました。
ある日、その子がプールに落ちて死んだのです。その前、彼女のクラスのAが、改良財布(持つと電流が流れる仕掛け)で、彼女にいたずらを仕掛けます。彼女は、その財布で失神した子供をプールに放りこんだのかと思ったのですが、死因は溺死。そこで、彼女は、独自に調べて、このAとBが二人でやったのだと突き止めます。そして、終業式の日、牛乳にHIVウイルスを入れて、二人に飲ませまたと告白します。(女ですねえ。背筋が寒くなるような復讐です)。HIVウイルスは、彼女の夫がエイズだったので、それからとったものです。
2、『殉教者』。クラス委員長の独白です。新学期。子供の死因は溺死なので、自分のやった電流で死んだのではないことがわかって、Aは学校に出てきます。B(直樹)はひきこもりになっています。そこへ熱血漢の新任教師がやってきます。そいつに任命されて、委員長は二人で、毎日、Bの家へノートのコピーを持ってゆきます。
そのうち、母親の腕に痣なんかができ始め、Bが暴力をふるっていることがわかります。で、ある日、教師が、隣近所に聞こえるような大声でBに語りかけます。で、その夜、Bは母親を殺します。
3、『慈愛者』。母親の日記。母親が死んだあと、B(直樹)の姉が日記を見つけて、それを読んでいる形式。Bはひきこもり中だったのですが、それが逃げ場だったのです。しかし、髪も洗わず、伸び放題だったので、母親が切ったのです。それで心境の変わったBは、コンビニで万引きをします。そして呼び出された母親の前で、前の担任の教師に、エイズウイルスを入れた牛乳を飲まされたと告白します。おまけに、電流財布で失神して、目を覚ました子供をプールに放りこんだのは自分だと告白します。でも、動機は自分でもわからない。
4、『求道者』。B(直樹)の告白文。改造財布の実験をしようと、直樹は、A(渡辺)に呼び出される。そこで女の子に仕掛ける。だが、女の子は失神しただけで、生き返ってしまう。それは、とりもなおさず、渡辺の実験の失敗である。だが、どうしても、二人の実験を成功にみせかけたかった直樹は、少女をプールに放りこんで、死なせる。それから、元担任に質問されて、告白したこと、エイズウイルス入りの牛乳を飲ませたと告白されたことなどなど。自分が静かに壊れるまでの経緯。
5、『信奉者』渡辺がブログに書いた遺書。爆弾を学校に仕掛けた。爆弾の位置。離婚した母親が命だったことなど。
6、『伝道者』その遺書を読んだ元女性教師(森口)の告白。
先週の続き。SPASHよ、「長沢ちゃん」を復活しろっつうの。でなきゃ、こうじゃーー。(今週はウルトラマンへ行きたかったのですが、『おしゃれイズム』の情報によると、大橋のぞみちゃんもアリスの飛び出す絵本を買ってもらったようなので、今週もそれで)