チャイルド44

『チャイルド44』(TRスミス)、
リドリー・スコット監督で映画が決まったとか。
内容。1930年代。ロシアでの大量連続殺人事件にヒントを得た話です。第二次大戦中、食糧が底をついた村。猫を見つけた兄弟がいる。弟は目が悪い。兄は猫を捕まえたが、大男にさらわれてしまう。兄の名は、パーヴェル。弟はアンドレイ。
20年後、レオという、政府(共産党)の幹部になっている男がいる。ある日、子供が裸で口の中に泥(木の皮?)を詰め込まれて列車に轢かれて死んでいる事件がある。レオは事件ではないかと思うが、上層部の判断で事故で片付けられる。この後、スパイ容疑をかけられた医者が寒村まで逃げてくる。追っているのは、レオ(一応、主人公はレオなのだが、章が変わるたびに視点が変わり、なれた頃には、そいつは脇役で消えてしまい、かなり読みにくい)。彼は必死で薄い氷の張った川に入って、氷を割って死のうとする。しかし、麻薬で異常興奮状態にあるレオは、川に飛び込んで、男を連れ戻す。(このエピソードは、連続殺人事件とは、何の関係もない)。
その後、話は飛んで、線路のそばで売春をしていた女が、女の子の死体を発見する。前回と同じく、裸で、口の中に木の皮が詰め込まれている。今回は髪が切られている。レオは連続殺人を疑うが、孤児院のちょっと知能の遅れた少年が髪を切ったと供述したので、その子の犯行にされてしまう。(共産主義の社会では、犯罪は民主主義社会の腐敗のなせる技と考えられているので、極力もみ消されてしまうらしい。逆にスパイ行為とか自由主義運動とか国家に背く行為は、たとえ噂がたっただけでも強制労働とか死刑にあたったらしい。とくに戦前は)
話は飛んで、別の駅のそば。ホモ行為を見つかった男がいる。芋づる式に100人が逮捕されてしまう。これも国家反逆罪に当たるらしい。レオは逮捕する側にいるのだが、疲れを感じる。(この辺、ミステリーには関係ない。レオの人生ドラマみたい)。
で、殺人は、その後何回も続いて、途中で、犯人はアンドレイと出てくる。で、問題は動機。これは、プロローグに絡んでくるので、読んでください。て言うか、そのうち映画になるだろうから、見てください。改行が極端に少なくて、読むのは、超疲れるし。
感想。脇役が出てくるたびに、そいつの過去が延々と語られる。たかが死体発見する役回りだけなのに、それに至る事件が延々と描かれる。『無痛』と同じく、ちょっと整理してくれと言いたくなる。なんでだろうと思ったら、作者は脚本家なんだとか。それで納得がいった。すべてのシーンが映画仕立て。本だと、新しい名前が出てくるたびに、前に出てきたかどうか考えてしまうが、映画はそれがないから。本より映画のほうが面白そう。それにしても長いし、話は飛びまくりだし、一週間で読むのは(実際は仕事も小説もあるから二日で読むのだが)しんどい。おまけに犯人を追いつめる推理が甘い。なんでこの工場の人間だと推理したのかが、よくわからない。冒険小説としてはいいが、推理が甘くて、推理小説と呼ぶのはどうか?

安全ピンリフォーム続き。
上はマフラーをコートに止めたもの。下は、飽きてしまったネックレスをマフラーに止めたもの。ピンブローチは虫食いの穴を埋めたもの。


先週の続き。SPASHよ、「長沢ちゃん」を復活しろっつうの。でなきゃ、こうじゃーー。