イノセントゲリラの祝祭、どんどん橋落ちた

イノセント・ゲリラの祝祭海堂尊
内容。

1、雨の夜。桜宮市。玉村警部補と加納警視正は、新興宗教の教団で死人が出たと聞いた。医師の診断では心不全。だが、道端で老婆が言う。「死んだのは私の孫。殺されたんだ」。そこで、警部補と警視正は、司法解剖に回す。無数の打撲痕があり。つまり殴られたための失血死。教団に捜査が入る。

2、ところで、話は飛んで、田口公平に高階院長から「厚労省へ行ってほしい」と要請がある。リスクマネジメント委員会で、自分の代理で演説をして欲しいと。
ここには、西郷法医学教室教授、「医療関連死モデル事業」座長・田島教授、帝華大学病理教室・田村教授、厚労省の八神課長などがいる。座談会には白鳥圭介も遅れてやってくる。田村教授は、「もっと病理学を大切にしろ」が口癖。八神課長は、「医療事故調査委員会、創設検討会」設立を目指している。
一方、時風新報の別宮葉子はスクープを狙って、新興宗教での事故死を調べている。

3、AI(死後CT)の導入を検討しているメンバーは、委員会へ出席させるために、彦根ハンブルクへ派遣する。そこでAIの権威のクリフを口説いて、シオンを日本につれて買える。葉子は、須永医師にこの前の事件について聞きに行く。そこで、心不全というのは、教団から強要されたのだと聞き出す。本当は虚血性心疾患。つまり、大量の失血死。

感想。会議会議で、よく分からない。この人は、他の出版社で書いたものは超面白いのに、この出版社で書いたものは、「ジェネラル・ルージュの凱旋」あたりから、会議が多くて、読むのはしんどい。

『どんどん橋、落ちた』綾辻行人(名作復活シリーズ)

1.一時から4時まで、リンタローとタケマルは、○四の地図で示す、パイプ岩にいた。同じ地図のキャンプ地に来ていた若者たちは次。伴ダイスケ。H大理学部2年生。20歳。阿佐のヨウヂ。H大文学部、2年生。サキ。ヨウヂの妹で、高三。斉戸サカエ。サキのボーイフレンド。ユキト(ダイスケの弟で12歳)。

2.2時。ユキトがどんどん橋を渡ると、橋が落ちて、人っこ一人渡れなくなった。子供でも無理。2時半。ユキトの後ろに犯人Xの影。犯行時間直前。

3.時間は前後するが、ユキトがつきおとされる前、2時半。ダイスケは現場にいた。弟を救うために、キャンプに引き返した。所要時間は20分。さらに飛ぶが3時半。ダイスケが現場に来た。弟のユキトは突き落とされて流された後。すぐキャンプ地へ引き返した。キャンプ地へついたのは、20分後。時間は前後するが、その前、サカエが現場でユキトを発見。ダイイングメッセージを聞いた。それは、『突き落とされた。さ、、さあ』。参考までに、2時40分に、突き落とされた時、ユキトの悲鳴が近隣に響き渡った。よって、犯行時間は2時40分とする。

4.犯行現場はどんどん橋の向こう。リンタローの証言。「1時から4時まで、丸木橋を渡った人はいなかった。タケマルが二度、激しく吠えた」。よって、M村の住民が犯人なら、横道Dを通り、支流Aの上流で川を渡るしかない。


5.M村の住民で2時30分〜40分にアリバイのない者。エラりー。アガサ。(エラリーの妻)。オルツィ(エラりーの第二の妻)。カー。(エラりーとアガサの息子)人。2時40分での状態。カー。(大けがをして、寝たきり。危篤状態)。アガサ。(「カーのそばにいました」。美女)。オルツィ。(アガサよりは一回り小柄な若い女。出産まじか)。エラリ。(ひとりで森の中)

6.パイプ岩の前にいたリンタローが「1時から4時まで丸木橋を渡った人はいなかった」と証言しているので、M村にいる人は、丸2の方法でゆくしかない。それには、往復で2時間20分かかる(行きに90分。帰りに50分)。よって、3時5分にM村でアリバイ確認をされているエラリーは無理。カーは危篤状態なので無理。オルツィは出産まじかなので無理。すると怪しいのはアガサだが、彼女は最初、危篤状態の息子のそばにいた。M村から出るにはパイプ岩の前を通るか、上流までゆくしかないのだが、リンタローの証言により、パイプ岩の前は通っていない。よって、丸2のルートしかない。だが、一時間で現場までゆくのは無理(3時40分にはM村にいたのだから)。

7.となると、キャンプ地の者しか可能性はない。で、キャンプ地の4人について。犯行時刻のアリバイ。ダイスケはキャンプ地までの道を走っていたが、兄だから、突き落としはしないだろう。サキとヨウヂは、互いに互いの姿をキャンプ地で見ているので、アリバイ成立。あやしいのは、サカエ。支流Bの途中と証言。だが、人っこ一人どんどん橋は渡れない。子供でも無理。となると、蛇でつって引き落としたか?だが、ここで、挑戦者の登場。「犯人Xは、後ろから突き落とした」

8。ここで、回答のヒント。「丸木橋を渡った人はいない」
綾辻の推理「該当者はいないよなあ」
挑戦者「犯人はさXでしたさ。実は、丸木橋を渡ったさXはいたのです。それでタケマル(犬)が激しく吠えた。となると、犯人はエラリー。動機は、息子のカーが崖から突き落とされたから。復讐」

第三話『フェラーリは見ていた』

1.猿のシンちゃんが殺された。犯行時刻は、午後8時から深夜の2時。その間、玄関前にいた犬のタケマルは吠えなかった。つまり、玄関からでた人はいない。
この間、麻雀をしていた人は5人。主人の葛西さん。6時間、ずっと席を外していないので、アリバイあり。以下の四人は、一時間づつ抜けている。山田さん(警察関係の人)。ふみ子(葛西さんの娘)。鈴木(猿は嫌い。フェラーリの元の持ち主)。佐藤(古い友人。体力の衰えの激しい老人)

2.この間、鳥も猫もいたが、どれも鳴かなかった。タケマルが吠えなかったことから、犯人はフェラーリ小屋の脇の道を通ったと推理。


3.翌日、フェラーリが馬であることが判明。フェラーリはいななかなかった。→元の主人の鈴木氏が犯人?
しかし、実際は、通りすがりの少年の犯行だった。
この他にも、超驚きの短編が二編収録されています。お勧めです。
来週の名作復活シリーズの予定は「時計館の殺人」。暇があればですが。

追伸。ドラマや映画の撮影を品川でしていて、お昼にお店に食べにきてもらうのはうれしいのですが、その際、宣伝材料などをお持ちになって、「XXがXXから始まるので、宣伝よろしく」などと、おっしゃってください。そうでないと、関係者かどうかわからないので。宣伝材料などがあれば、できるだけ放映を見て、ブログで取り上げます。