屋上ミサイル、名探偵木更津悠也

『屋上ミサイル』山下貴光

1、アカネ、国重、沢木は屋上クラブを結成する。国重が、殺し屋に殺されたと思われる写真を拾う。沢木は拳銃を拾う。三人は、今その近辺で有名になっている罰神様の現れると言われるトンネルに行く。その中で、罰神様をやっている男に出会う。男は、途中に脇道があるのを教えてくれる。

2、翌日、陸上部の宮瀬が沢木に「ストーカーはやめて」と言ってくる。確かに沢木は宮瀬が好きだが、ストーカーをした覚えはない。そこで、ストーカーはほかにいると考え、尾行する。すると、ストーカー石川を発見。そいつをちょっと強く質問。その途中で写真が落ちる。石川は、その写真の人間を知っているという。それは、金永徹といい、詐欺師だ。ところで、電車の中で、自分は殺し屋だという男に遭遇する。

3、そいつは、指輪を落とす。裏に矢田と掘ってある。三人は自称殺し屋に追われて逃げる。トンネルで脇道にそれ、なんとか逃げる。そして、絵画詐欺師の金をおびき出す作戦にでる。続きは本で。
感想。ご都合主義が目につく。偶然写真を拾ったとか。偶然金永徹を知っている男に出会うとか。でも、文章力はある。


「名探偵木更津悠也」麻耶雄嵩(名作復活シリーズ)

『時間外返却』

1、橘影夫が依頼に来る。「私の娘、鈴子の死体が出た。一年前に失踪した。犯人を探して」。死体と一緒に出たのは、下着とミュールとワンピースと財布、学生証など。辻村警部の話。「一年前の1月23日に失踪した。この日、鈴子の借りたビデオが返却された。父親の依頼でビデオ店のビデオを捜査すると、血痕が付いていた。その日に殺されたと思う。

2、鈴子の部屋からは、血痕は出なかった(今でも借りたままになっている)。木更津の推理。鈴子がビデオを持って犯人の家に行き、殺された。犯人がビデオを返却したのではないか。

3、隣の主婦の証言。良く男がきていた。白幽霊の出る辻がある。そこに白いワンピースをきた幽霊が出る。鈴子に似ている。辻村警部の話。「テープには血痕があったが、外箱にはない。ルミノール反応もない」

4、木更津の推理。外箱にも血は飛び散っていたはずだ。他のビデオ店で同じタイトルの物を借りて、中身を交換して返したのではないか。中のビデオに血こんがあるのは気がつかなかったのではないか。つきあっていた男の証言では、鈴子は浮気をしていたらしい。

5、父の影夫が殺された。白幽霊の出る辻で、殴られて、ポケットには鈴子のなくしたピアスが入っていた。辻村警部の話。「9時半から10時。影夫はここで独自に調査をしていた。目撃証言あり。で、偶然、犯人と鉢合わせをしたのではないか」

6、木更津の推理。「犯人は判明した。殺された夜は雨だったから、ワンピースとミュールで外へ出るはずはない。だから、マンションの中の住民だと考え、ビデオデッキに血痕があるかどうかを捜査してもらった。そしたら、隣の主婦の部屋にあった。隣の部屋の主婦がレズの相手で、犯人だった」

7、「隣の部屋の主婦は、一年前、同じタイトルのビデオを借りていた。ビデオデッキからルミノール反応が出た。影夫を殺したのは、なくなったピアスを辻に置くのを目撃されたから。隣の主婦が怪しいと思ったのは、白幽霊の話をした時、鈴子とそっくりで、失踪した時と同じ白いワンピースを着ていると証言したから。鈴子が白いワンピースを着て失踪したとは報道されていないから、犯人以外に知るすべはない」



来週からの予定(忙しい時は一週おきになるかも)。新作。『シャドウ』(道尾秀介)『プリンセス・トヨトミ』(万城目学)『片目の猿』(道尾秀介)『細菌NO731』(霧村悠康)『ソロモンの犬』(道尾秀介)『サマヨィザクラ』(郷田マモラ)『背の目』(道尾秀介
名作復活シリーズは、未定だけど、『御手洗潔のダンス』にゆこうかな。なぜかというと、「占星術殺人事件」のファンであることと、「バラの町福山ミステリー文学新人賞」に応募したから。これの審査員が島田荘司なの。これからも紹介するので、どうか採用してくださいってところかな。