シャドウ、御手洗潔のダンス

『シャドウ』(道尾秀介

1、我茂洋一郎、妻咲枝が癌で死ぬ。我茂洋一郎は幻覚を見る。昔、田地の患者で一度は完治。ハルシオンを服用している。水城亜紀、運動会を急に帰る。

2、5月14日、水城恵、飛び降り自殺。屋上には血痕とカッターが落ちている。同じ頃、夫の徹は幻覚を見ていた。その後、我茂と水城徹は話をする。水城「恵は浮気をしていた気がする。亜紀は別人の子供じゃないか」。翌日、亜紀は車にぶつかる。

3、洋一郎は田地が入ってきたときに、清掃員を私の患者ですと紹介する。田地は、洋一郎の統合失調症が再発したと確信する。一方、水城と会った洋一郎は、亜紀が自分たちの話を聞いて、車に飛び込んだと疑う。

4、水城徹は、我茂洋一郎に言う。「君はもう医者じゃない。清掃員だ」。亜紀は、我茂の子供、鳳介に言う。「お母さんを殺したのは私なの。田地先生にいやらしいことをされて、自殺を決意した。お母さんも一緒に死のうと言った」

5、亜紀は言う。「母と一緒に飛び降りたの。でも、とどまったの。手をたすきで結んでいた。ポケットのカッターで切った」。その後、田地が呼び出されて屋上に来て、恵の飛び降りた柵から身を乗り出す。後ろから我茂洋一郎が走ってきて、突き落とす。亜紀と鳳介はそれを見る。

6、洋一郎の手紙。『田地は埼枝にいやらしいことをした。亜紀にもした。だから突き落とした。だが、心XXXのふりをしていたから、起訴にはならないと思う』

名作復活シリーズ、『御手洗潔のダンス』島田荘司。第一話『山高帽のイカロス』

1、空を飛ぶ絵ばかりを描いている画家がいる。名前は赤松稲平。妻はデザイナーで氷室志乃。湯浅が依頼にくる。赤松氏が消えた。少し後、電線に乗って死んでいた。飛んでいるようだった。

2、稲荷屋ビルと大黒ハイツの上には電線が通っている。それは東部伊勢崎線のすぐ上を通過している。赤松が死んだ日、妻は発狂した。伊勢崎線パンタグラフには片腕がちぎれてひっかかっていた。

3、湯浅の証言。「赤松氏の部屋に大家とはいったが、誰もいなかった。ドアのかぎを変えた」。御手洗の推理。湯浅が部屋にはいったとき、中で赤松は妻と使用人の古川に殺された後だった。妻と古川は窓を伝わって屋上から逃げた。しかし、大家によってドアのかぎを変えられてしまった。そこで屋上から紐で死体を吊るし、電線を使って大黒ハイツに移動しようとした。ロープで屋上へ運び、電線で移動させ、ロープの先を伊勢崎線の電車のパンタグラフにひっかけたまでは良かったが、途中で、ロープが古川の腕に巻きついた。そこで腕を切断せざるを得なかった。だから、死体は途中で止まった。妻は発狂し、古川は腕を失った。
この他にも驚きの短編が3っつ。

来週の名作復活は、『天空の蜂』の予定。