絶望ノート、アマルフィ

『絶望ノート」(歌野晶午

1、照音(ショーン)は、日記に、是永と庵道と倉内にいじめられています。カツアゲされました、と書く。倉内が亀裂骨折する。照音は、天罰だと考える。その後、「オイネギプト様、是永と庵道を殺して下さい」と書く。

2,3.母親がその日記を見る。担任に相談する。担任は苛めの実態を把握していない様子。探偵事務所に調査を依頼する。その後の照音の日記。「プラモデル屋と本屋で、万引き、レジからの盗み、をさせられました。神様、この二人を殺して下さい」
本屋で万引きをさせられた。照音一人のせいにされた。庵道は逃げた。「神様、庵道を殺して下さい」
その後、庵道が石段から突き落とされて重傷を負う。

4.5.国府田夏美が、一緒に勉強しようよと言ってくる。勉強する。その後、どもっている映像が隠し撮りされ、裏サイトにアップされる。
是永が学校の屋上から突き落とされて死亡。照音は、自分のどもっている映像が噂になっているのを知り、夏美を殺して下さい、と日記に書く。夏美が弁解にくる。「私は、是永君に強要されて、あのビデオを撮影してアップしたの。それより、この前勉強した時、日記を盗み見たの。いじめられたと書いてあった。それは本当?」

6、7.夏美は訊く。「庵道クンや是永君を突き落としたのは君? いじめの復讐でやったの? それなら警察に言うわ」。その後、照音は、日記に、夏美を黙らせて下さいと書く。その後、副島刑事の娘が、父に言う。「私は照音クンと同じクラスなの。この前、夏美が殺されたの。照音がビデオを裏サイトにアップされたので復讐したとのうわさがあるわ。でも、その時間、照音にはアリバイはある。となると、母親が代わりにやった?」
刑事は捜査に入る。探偵事務所の男に会う。昔泥棒をしていた男で、強引に話を聞き出す。男は言う。「照音の母親にいじめがあったと報告した。その後母親を尾行した。母親は仕事帰りに庵道のいる石段にむかった。アリバイのない一時間に、庵道を突き落としたに違いない。その後、また、照音の日記に戻る。「久能先生が自殺した。夏美を殺したらしいと噂がある。夏美の爪の間に久能先生の皮膚があったんだとか。久能先生はビデオの裏サイトの件では怒っていた。それにうちに来たこともあるから、日記を読んで復讐してくれたのだろうか?」
実は、久能先生は援助交際まがいのことをしていて、それを、見られて、ある男に、夏美殺害を強要された。その男は誰か?読んでください。その男とは、照音の日記を読める立場にいる男だけど。


名作復活シリーズは『探偵の夏、あるいは悪魔の子守歌』(岩崎正吾)の予定だったんだけど、「アマルフィ」の公開真近なので、「アマルフィ」を先にやります。
アマルフィ』映画。(原作は真保裕一
この人のは、何だろう、とっても読みにくい。あまりにも蘊蓄が多いせいかな。ストーリーは誘拐で進んでいくんだから、そのことを狂言ではないかと疑ったりするところなんかは、読む気をそがれる。それに、韻が悪いんだろうね。5.7.5になっていないんだよね。たとえば、”肌が滑らかで、美しい”と言えば、つっかからないところを、”肌が滑らかで、美しさを感じさせる”、というとか。なんか滑らかでないね。


1、ローマのホテルで矢島冴子の娘のまどかが誘拐される。外交官の黒田は、ホテルへ行く。犯人から電話がある。「明日の午後6時までに10万ユーロ用意しろ」。冴子は用意する。黒田は夫のふりをして通訳をしたことから、冴子に同行することにする。

2,3.ユーロスターアマルフィへ行く。そこで、警察に通報されていたことから、現地警察が動き、バッグが奪われそうになるが、取り戻す。奪った男を取り押さえる。だが、そいつは犯人に金で頼まれただけ。二人はローマへ帰ってくる。夜、冴子は警備会社のミネルバを調べている。まどかが誘拐された時のホテルのガードマンの名前を調査しているのだ。
冴子はだまってミネルバへ行く。そこに通訳のまり子が呼ばれてくる。黒田は尾行する。まり子は冴子の怒りに同情したのか、当日のガードマンリストを渡してくれる。その中に、監視カメラに詳しい人間がいる。そいつに会いに行く。会うと、そいつは異常に太っていた。そんなに太ったら、警備会社を首になると考えて黒田は、脅して、真相を聞く。そいつは言う。「借金があり、一万ユーロである男に身分証を貸した」。その男から手紙がきていたので、そこへ行くが、手がかりはない。

4,5.また冴子がこっそりミネルバに行く。通訳としてまり子が呼ばれる。冴子は誰かに電話しようとする。すると、まり子が阻止しようとして発砲。銃撃戦になる。そして催涙ガスがまかれ、一瞬、全電源が切れる。ここで視点は犯人に飛んで、その瞬間に、犯人は、ミネルバのある地点の監視ビデオを前の映像にすりかえる。このために、犯人は、まり子の子供も誘拐して、ミネルバで銃撃戦を起こすように命令していたのだ。
黒田は考える。まり子の自白から、犯人たちは、ローマのどこかでテロを起こすためにミネルバの本社で事件を起こしたに違いない。日本の外相があるホテルで調印式をおこなう予定がある。そこを狙うには手が込みすぎている。

6,7.黒田は、冴子を不審に思って問い詰める。すると、同僚のハーディングから何回かメールがあったと白状する。「大使館に盗聴器を持ち込め。ミネルバを調べろ。ミネルバへ行け、などと言われたわ」
そこで、黒田はハーディングの過去を調べさせる。すると、チェチェンで妻が殺されていたことが判明。チェチェンと言えば、今日、ロシア外相のアントノフがバチカンに来ている。アントノフはチェチェンの強力な弾圧者だ。テロリストの目的はそこだ。

追伸。今週一番期待していたドラマは、「任侠ヘルパー」で、一番おもしろかったのも「任侠ヘルパー」でした。今後は、「プリズン・ホテル」みたいな大時代がかった伯父貴とかでてきてほしいわね。