「黒笑小説」「母恋旅烏」

「黒笑小説」(東野圭吾
イラストにしにくいので、内容を簡単に。
特におもしろかったのは、「巨乳妄想症候群」。これは、見る者がすべて巨乳に見えてしまうもの。まずは、マウスが、次はケーキ店の売り子が。などなど。
他に面白かったのは、「インポグラ」。
これは、インポになる薬が発明されたという設定。こんなのが売れるのか?と疑ったたが、意外と売れた。
たとえば、受験生を持つ親。エロ本が大量に隠してあった。受験勉強に集中できるように、と欲しがった。
次は浮気に悩む妻。インポグラをコーヒーに入れたからと言う。夫はその気にならない。
あるいは、財産だけを目当てに結婚した妻。バイアグラで急に元気になった爺さんを静めるため。はては、インポグラをコーヒーに入れたわよ、と言っただけで、その気にならなくなる。
「みえすぎ」
空中の埃の分子が見えてしまう病気。こっそり香水をつけたのも気になってしまう。はては花粉症まで。
「もてもてスプレー」
こういうスプレーが開発された。だが、薬の効いている間だけもてる。おまけに、効果はすぐに薄れる。それであたふた。


「母恋旅烏」(荻原浩)。
まずは帯から。
レンタル家族派遣業というけったいなビジネスを営む花菱家は、元は大衆演劇の役者一家。
父清太郎に振り回される日々に、ケンカは絶えず、借金もかさみ、家計は火の車。やがて住む家すら失い、かつてのよしみで旅回りの一座に復帰することになったのだが。
連作短編です。一作ごとに落ちらしきものがあって、笑って泣けます。
1、「うちの家族のこと」。最初にレンタル家族業をしたこと。相手はボケ老人で、出された刺身が傷んでいた、など。
2、「父さんのこと」。イラストで紹介。
3、「父さんの新しいサイコロ」レンタル家族での事件。派遣先がボケ老人で、出生した息子と勘違いされる。
4、「姉ちゃんのこと」結婚式で挨拶を頼まれたのだけど、嫌いな相手だったので、昔のグレていたことなどを話し、滅茶苦茶な挨拶になってしまう。
5、「母さんのこと」。昔の旅回りの一座にカムバックする。
6、「兄ちゃんのこと」。兄と僕とでレンタル家族派遣にいくんだけど、それはやくざの鉄砲弾の男の派遣で、一緒に殴りこみをやらされそうになるが、なんとか逃げる。
7、「転がり続ける父さんのサイコロ」。一座にカムバックしたんだけど、座長の息子にないがしろにされる。
8、「僕らの旅が始まる」。兄が家出したこと。
9、「花菱清太郎のこと」。座長の息子がシェークスピアにかぶれていて、西洋演劇まがいのことばかりする。以降、それに振り回される家族のこと。
「父さんのこと」


来週は『快笑小説」『暗黒館の殺人』(1)の予定。
追伸。娘の情報によると、hachiは泣けるし、ゴリの撮った沖縄の映画は笑えるらしい。
それから、今週のアメトーーク。私の好きな、中川家と華丸大吉と野生爆弾が出ていてうれしかった。