快笑小説、暗黒館の殺(1)

「快笑小説」(東野圭吾
帯から。年金暮らしの老女が芸能人のおっかけにはまり、乏しい財産を使いはたしていく「おっかけバアさん」、タヌキには超能力がある。、UFOの正体は文福茶釜であるという説に命をかける男の「超たぬき理論」、周囲の人間が動物に見えてしまう中学生の悲劇、「動物家族」、などなど、ちょっとブラックで怖くて、なんともおかしい人間たち。多彩な味付けの傑作短編集。
一番面白かったのは、「鬱積電車」。電車の中で、順に、乗客の鬱積が述べられる。そして、最後に、「鬱積発散ガス」なるものを発見した男が、うっかり、そのガスの口が開いていたことに気がつく。彼は降りてしまうのだが、その後の電車の中が予想できて、おもわず、くすりとしてしまう。



暗黒館の殺人』(1)(綾辻行人)。
帯から。蒼白の霧の峠を超えると、湖上の小島に建つ漆黒の館に辿り着く。忌まわしき影に包まれた浦登家の人々が住まう「暗黒館」。当主の息子、玄児に招かれた大学生、中也は、数々の謎めいた出来事に遭遇する。十角塔からの墜落者、座敷牢、美しい異形の双子、そして奇怪な宴。

1、霧の中で、地震に会い、江南は木に衝突してしまう。その後、「視点」は10角塔の上の江南に入る。彼は、地震塔から落ちる。一方、この館には中也が滞在している。彼は半年前、交通事故で記憶喪失である。

2,3.9月24日。「視点」はぐじゃぐじゃになった人間を再度見る。一方、東館の二階にはどんでん返しの間があり、シャム双生児の美鳥と美魚がいる。一方、塔から墜落した青年は意識を取り戻す。T、Eと書かれた時計を持っている。そして名前は、えなみ、たかあき?らしい。でもって、9月24日は初代当主、玄遥の妻のダリアの誕生日にして命日である。

4,5.その日、蛭山の船が岸に激突し、彼は重体になる。一方、この家には、早老症の浦戸清という9歳の少年がいる。まあ、他にもいろいろいるが。でもって、ダリアの日。どろっとした赤黒い飲み物を飲み、同じく赤黒い肉を食べさせられる。血臭い。(第二巻に続く)

感想。江南の体と、彼の「視点」。同じものなのか、それとも漢字だけ同じの別人か?「視点」というのは今までに出てきたことがないので、新鮮で、興味をそそられる。

来週は、『BALLAD名もなき恋の歌』と『暗黒館の殺人』(2)の予定。

追伸。24時間テレビのいもとあやこには感動しましたですなあ。来年は、再起をかけて、ノリピーか押尾学になるか? それとも4年後を睨んで、佐藤ゆかりか杉村(?)泰造になるか?