所轄刑事、麻生龍太郎,少女たちの羅針盤

『所轄刑事、麻生龍太郎』(柴田よしき)

2,3。犯人は被害者宅を訪ね、棒で母親に殴りかかった。母はオマルで防戦。オマルは木端微塵。母は心臓発作で死亡。オマルをかたずけなければならなくなった。犯人は、大きな破片は袋に入れ、自分の部屋に。細かい破片は掃除機で掃除した。

他の短編も面白い。


少女たちの羅針盤水生大海

これは、第一回バラの町福山ミステリー大賞を受賞した作品です。ちなみに、今年、私も出したんだけど(そして落ちたんだけど)。バラの町福山を宣伝するためと公募ガイドに出ていたの。
となると、トラベルミステリーが王道よね。だもんで、私もアマルフィみたいな、あるいは、浅見光彦みたいな誘拐で王道物を書いたの。でも、違ったわね。これを読んだ限りでは、全然、今までのとは違うの。
そこが新しいので選ばれたのかな? 殺人事件となぞ解きは最後にちょっと出てくるだけで、90%は青春物なの。特に、過去の部分はほとんど全てが演劇活動の様子で、ライトノベルみたいで、新鮮だったわ。
選者の島田莊司が「冒険」とか「自由に」とか言っている意味がわかったわね。普通、ミステリーと言うと、トラベルミステリーは別にして、ド頭に死体を転がして、犯人は誰かを探してゆくじゃない。探偵役が刑事であるか、素人探偵であるかの違いだけでさ。
でもこれは違うの。ド頭で、「私は4年前に人を殺した」って言っちゃってるの。でも、一応「麻利亜」って芸名はあるの。で、映画の撮影に呼ばれてきたんだけど、「お前の殺人の証拠は持ってる」なんて脅迫めいたメモはもらうし、台詞が全部その4年前の殺人を思い出せるようなものばかりなの。
で、回想の部分で4人の主人公がでてくるので、この中の誰かが殺されて、誰かが犯人で、残りの誰かが変装か整形かして、そいつがスタッフの中にまぎれていて、脅迫してゆくんだろうなあ、なんて、予想して読んでいくんだけどさ。あるいは、監督が被害者の関係者(肉親)なんだろうか、でも、それじゃあ、ミスディレになってないし。(主人公の私は監督を一番疑っているからね)
でも、まあ、驚きの結末だったわね。では、筋を。その前にもう一度。この賞は筋の新鮮さが命よ。風景なんて二の次ね。ああ、私の落ちた作品もそのうちアップするわ。法月の「一の悲劇」が大好きなので、それを真似たんだけどね。では。



周囲は飛び降り自殺と思っていたけど、本当は違ったの。つきおとされたの。でもって証拠とはなにか? 私は、本名は誰か?


来週は、『もう一人の私』と『骸の爪』の予定。

追伸。地デジのテレビを買ったの。これのいい所は、ドラマの途中などで、文章で情報を得られるところよね。具体的に言うと、泉ピンコ主演の「天王寺珠代の推理」で、後半になると、前半分を文字情報のあらすじで読めたところかな。
お風呂なんか入っていて、前半を見逃すと、推理ドラマって見ても分からないじゃない。それを解消するのにこれは役立ったわね。
簡単に筋を言うと、珠代の友達のデパート店員が、イベント屋の男に誘われて、マンションに行って、眠り薬入りのお酒を飲まされて、眠っている間に、相手の男が殺されてしまうの。
で、自分が容疑者として疑われるんだけど、一緒にいたイベント屋の男の秘書も姿を消していてあやしいし、途中で訪ねてきた男とももめていて怪しいの。
で、一応釈放されて、その男と珠代が事件を解決するために調べを進めるのだけどね。
このドラマは結構背景が入り組んでいて難しかったから、文字情報は役立ったわ。でもね、ちょっと長すぎたわね。
ドラマを見ながら、文章を読むんだから、3ページもあったら、頭に入らないの。デパートが不振だとか、余計な情報は削除してもいいと思ったわ。でも、役にはたったけど。それから、映像でも、途中で、前半分のあらすじはやってほしかったわね。やっぱり、映像のほうがわかりやすいもの。