女ともだち

「女ともだち」(真梨幸子
ドロドロ小説なんだとか。でも、無理にドロドロにしなくても、いいような気がする。最初に出てくる、カレーに髪の毛が入っているとか、小説の筋に全然関係ないし。あざといというか。必要ないことが多すぎる。いずれにしても、「殺人鬼フジコの衝動」が大ヒットしている人。
まず、タワーマンションの20階に住んでいる女がいる。キャリアウーマンの編集者(瑤子)。彼女と同じマンションの二階に住む独身女性、満喜子が殺される。殺されたのは、満喜子の方が先らしい。満喜子は、首を絞められて、子宮が切り取られている。これに比べて、瑤子の死因は書いてない。(この辺があざとい。つうか、読んでいていやになる。まあ、最後は、幻覚を見て、暴れて自殺というなぞ解きだから、仕方ないだろうが。それにしても、もう少し何とかならないか)
さて、ルポライターの野江は、この記事をかくことを強要される。契約のルポライターなので、断れない。満喜子はネットマニア。瑤子はパソコンを持っていない。(この辺もあざとい。ネタ解きから言ってしまうと、瑤子の父親がパソコンを持って帰った。ダイヤルアップだから、証拠は残らなかったとのことだが、この辺もあざとい。キャリアウーマンの編集者がパソコンをやらない訳がない。それなのに、その辺はスル―。この辺もキライ)
さて、マンションだけど、玄関もオートロック。非常階段はカードキーがないと入れない。このことから、満喜子は、配達の業者が殺したと推察された。配達の業者は、満喜子に一万円でしょっちゅう売春を迫られていた。
配達業者はそれを認めている。でも、瑤子は殺してないと主張。だが、野江は二人を殺した別人がいると推理。しかし、それには、カードキーを持った人でないとダメ。カードキーを持った人は、入居者しかないのだから、入居者だと推理。それで、入居者を徹底的に当たろうとする。でも、出版社の上司は、煽情的な記事にするために、満喜子の過去を暴けと言う。しかたなく、野江は、ネットで満喜子の裏の顔を探る。
すると、満喜子は、ネットで売春相手を探しては、売春をしていた。それだけでない。お目当ての劇団のチケットを買うために、年に百万近くの金が必要だった。それを調達するために、売春した男に、妊娠したと言って、中絶費用として数十万を要求していたらしい。これは、ネットの友達の話し。
でも、満喜子は、中絶するには、RU486という薬で中絶する方法を取っていたので、費用は馬鹿安だった。
さて、そうこうしていると、公判が開かれ、配達業者が自分で殺したことを認めてしまう。彼は、中絶費用を請求されて、殺した。しかし、子宮を切り取っていないと主張。
さらに、女性判事が、二階の非常扉は、業者が粘土で、つっかいを入れてあり、閉まっていなかったので、いつでも入れたことを発見。(この、司法試験を受けないで、副判事から判事になれる制度は良く調べてある)。それで、誰でも入れたことが判明。
それで、問題は、瑤子の殺人だけになる。野江は、瑤子の父親に取材をし、最後に、父親が、白状。内容は次。
瑤子は自殺。たまたま瑤子の部屋を訪ねた父親がリストカットで死んでいる瑤子を発見。パソコンを見たら、瑤子は、薬で降ろした胎児を送ってもらって、ベランダの花壇に埋めていた。それで、満喜子からも貰っていた。だが、満喜子は死んで、約束の物を送ってこなかった。不審に思った瑤子は、たまたま開いていた満喜子の部屋に入って、死んでいた満喜子から、子宮を切除。(この辺は、センセーショナルにするために、わざと書いている感じ。あざとい)。自分のベランダに埋めた。父はこれらの事実を隠すためにパソコンをもちかえった。
これが真実。どろどろにするのもどうなんだろう。あまり好きになれない。